ハラスメント
1.ハラスメントとは
ハラスメント(Harassment)とは、相手の意に反する行為によって不快にさせたり、相手の人間としての尊厳を傷づけたり、脅したりするようなことであり、いわば「いじめ」「嫌がらせ」と同等の意味をもつ行為です。
たとえ、行為者に相手を「傷つけよう」「いじめよう」という意図がなくても、相手が不快な感情を抱けばハラスメントは成立します。
ハラスメントは職場だけでなく学校、地域社会、家族間でも発生します。どのような社会集団であっても暴力はもちろん、言葉や態度による嫌がらせ(嘲笑、噂の流布、大勢による無視)などはハラスメントに相当します。
2.ハラスメントの現状と課題
ハラスメントを日本語に訳すと「いじめ」や「嫌がらせ」となってしまいますが、実はハラスメントの本当の日本語訳は「悩ませる」や「苦しめる」という意味で、これは加害者の意図ではなく、被害者側の心情を意味する言葉なのです。
企業の担当者に社内のハラスメント案件(被害者から相談があり懲罰対象になったものも含め案件化した被害)の内容を聞くと、加害者側が故意にハラスメントを行った悪質なケースは少なく、多くの案件は加害者が意図せずに「そんなつもりはなかった」「相手のためを思っての指導だった」と弁明する案件でした。
ハラスメント行為者の多くは 、相手を苦しめてやろうと思ってやっているわけではありません。当人にハラスメントをしている自覚がないことがハラスメント問題の課題となっています。 これには、先入観や思い込みによって偏った見方をしてしまうアンコンシャス・バイアスが絡んでいるといえるでしょう。
アンコンシャス・バイアスは誰にもあるものですが、それが時として、感情のコントロールが効かずにハラスメントになっているケースも多くあります。ハラスメント行為の背景にある偏った価値観に気づき、理解することがハラスメント防止に向けた第一歩といえるでしょう。
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