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パワハラとモラハラの違いとは。起こりやすい環境やハラスメント防止策を解説

職場におけるハラスメントは、働く人のパフォーマンスの妨げになることはもちろん、個人としての尊厳や人格を不当に傷つける等の人権に関わる許されない行為です。企業にとっても、労働環境の悪化により貴重な人材の損失につながり、社会的評価にも悪影響を与えかねない大きな問題です。
厚生労働省委託事業による「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」では、パワーハラスメントを受けた後の行動として「何もしなかった」の割合が最も高かったというデータもあります。しかし、ハラスメントは我慢していても解決せず、逆にエスカレートする可能性もあります。企業は従業員が安心して働けるような環境を提供する義務があり、ハラスメントの発生を未然に防ぎ、発生した場合は、速やかに適切な措置を取るなどの対処を行わなければなりません。
今回はパワハラとモラハラの違いとともに、これらが起こりやすい環境や事前に防ぐための対策を紹介します。名称や内容が似通っていますが、この2つの言葉が示す意味は厳密には異なります。パワハラとモラハラの防止義務についても解説するので参考にしてください。

CONTENTS


1.パワハラとは
2.モラハラとは
3.違いと共通点
4.パワハラ・モラハラが起こりやすい職場環境
5.企業ができる対策
6.法的義務
7.まとめ


パワハラとは

パワハラ(パワーハラスメント)は職場での優位性を利用し、部下などに対する以下のような行為を指します。

物理的攻撃:殴打や物を投げる
人格攻撃:「お前はダメな人間だ」など
業務過剰・過小:過剰な業務を押し付けたり、力量に見合わない業務しか与えない

上司から部下だけでなく、部下から上司に対するものも含まれます。厚生労働省はパワハラを6つに分類しています。

モラハラとは

モラハラ(モラルハラスメント)は優越関係に関わらず、以下のような行為で相手に精神的苦痛を与えることを指します。

過剰な叱責:皆の前での叱責
陰口:本人に聞こえるように悪口を言う
連絡無視:必要な連絡をしない
業務拒否:仕事を与えない

違いと共通点

パワハラは職場の優位性を利用し、モラハラは精神的な嫌がらせ全般を指します。パワハラにはモラハラの要素も含まれ、セクハラ(セクシュアルハラスメント)やマタハラ(マタニティハラスメント)もモラハラに含まれます。区別は重要でなく、ハラスメント全般の防止が必要です。

パワハラ・モラハラが起こりやすい職場環境

コミュニケーション不足:相手を理解せず過剰な言動
厳しい上下関係:絶対的な上司と従う部下
失敗の許容度が低い:失敗への厳しい叱責
業務量の多さ:長時間勤務による疲労とストレス

企業ができる対策

措置の明確化と周知:パワハラ・モラハラ対策を定めて広く知らせる
相談窓口の設置:気軽に相談できる窓口
管理職への教育:正しい知識と防止の意識を高める研修
サーベイの活用:組織の状態把握とエンゲージメントの可視化

法的義務

パワハラ防止は「改正労働施策総合推進法」により企業の義務です。企業は従業員が安全に働ける環境を提供し、パワハラやモラハラを未然に防ぐ対策を講じる必要があります。

まとめ

ハラスメント行為の防止は企業の責任であり、従業員が安心して働ける環境を整えることが求められます。適切な対策を講じ、ハラスメントの発生を防ぎましょう。


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出典

アドバンテッジJOURNAL
パワハラとモラハラの違いとは。起こりやすい環境やハラスメント防止策を解説




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