労働安全衛生法
1.労働安全衛生法とは
労働安全衛生法とは、労働者の安全と衛生についての基準を定めた法律のことで、「職場における労働者の安全と健康を確保」するとともに、「快適な職場環境を形成する」ことを目的としています。
2.企業が行うべき労働安全衛生法の重要項目
安全衛生の担当者の配置
事業規模により異なりますが、企業は「総括安全衛生管理者」「安全管理者」「衛生管理者」「産業医」などの担当者を選任する必要があります。
労働者への安全衛生教育の実施
「雇い入れ時」「作業内容の変更時」に安全衛生教育を実施する必要があります。また「危険・有害業務」に従事する場合は特別教育が必要となります。
労働災害防止措置
労働災害防止のために企業が取り組むべき防止措置を規定しています。
定期自主検査
ボイラーをはじめとする機械の定期的な自主点検を行い、結果の記録を3年間保管しなければなりません。
リスクアセスメント
リスクアセスメントとは、労働災害の予防手段のことで、「事業場における危険性や有害性の特定」や「リスク低減措置の決定」といった項目を実施する努力義務を設けています。
危険物・有害物の取扱とラベル表示
危険物や有害物の取り扱い・表示義務について定められています。
危険業務の就業制限
危険な業務に対し、免許保有者や技能講習修了者などの資格を有する労働者しか、特定の業務に就けないという制限を設けています。
安全衛生委員会の設置
安全に関する事項を協議する「安全委員会」と、衛生に関する事項を協議する「衛生委員会」を設置する義務があります。
労働者の健康保持
労働者の健康管理について、企業には「作業環境測定」「健康診断」「病者の就業禁止」などが義務づけられています。
これら、各項目には、違反した場合の罰則も定められています。
3.労働安全衛生法の改正に注目
労働安全衛生法は社会背景や労働環境の変化に合わせ、定期的に改正が行われています。
2015年には「ストレスチェック制度」が追加、2019年には「産業医機能」が強化され、2021年には「事務所衛生基準規則」及び「労働安全衛生規則」の改正で、職場の安全・衛生基準が定められました。
関連用語:ストレスチェック
産業保健スタッフの役割として、労働安全衛生法の実施だけでなく、改正にも注意を払い職場環境の改善に日々取り組んでいかなければいけません。
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