簡単に現状をチェック! 産業保健における法令遵守のポイントと実践方法
産業保健の現場で基盤となる法令遵守。
皆さんの職場では、法令に基づいた産業保健活動を実施できていますか?
さんぽLABでは、産業保健の土台となる法令やリスクマネジメントに関する体制構築のプロセスを可視化し、課題把握から打ち手の実行までをカテゴリーごとに実施するためのお役立ちコンテンツとして、「法令チェック」をご用意しております。
- チェックリスト→課題の可視化
- 解説→課題を把握し根拠・知識を押さえる
- 手順書→打ち手の実行
本ページでは、12項目ある「法令チェック」の紹介をします。
各項目ページより、「チェックリスト」「手順書」を無料でダウンロードいただけます。
産業保健、安全衛生に関する法令は、過去の事故、災害等、さまざまな経験に基づき作られてきました。法令を遵守することはもちろん大切ですが、法令を遵守すれば十分な対応が実施されているかというと、そうではありません。
必要最低限の対策として法令を遵守し、法令で規定がされていなくても、労働者の健康や就労をする上でリスクがある場合は、積極的に対策を実践していきましょう。
【目次】
1.安全衛生管理体制
2.健康情報取扱規程
3.ストレスチェック制度
4.過重労働対策
5.一般健康診断
6.特殊健康診断
7.健康診断事後措置
8.ハラスメント対策
9.妊娠中、産後の女性労働者の健康管理
10.高年齢労働者の健康管理
11.障害者雇用と合理的配慮
12.事務所環境管理
1.安全衛生管理体制
労働安全衛生法では、労働災害を防ぎ、事業者の自主的な安全衛生活動を確保するため、安全衛生管理体制を整備することが義務付けられています。
安全衛生管理体制は、事業者の責務を果たすために、それぞれの権限をもった役職等で構成される職場内の組織のことで、産業保健活動の土台となり、労働者全員が協力して安全衛生を進めていくために必要なものです。
それぞれの事業場のニーズや実情に沿った体制の構築を進めましょう。
▼詳細はこちらをご覧ください
2.健康情報取扱規程
産業保健活動を積極的に実践すると、様々な健康情報が収集されることになります。その情報の中には、健康診断結果、ストレスチェック結果、職場復帰支援における面接記録、産業医意見書、医療機関から入手した診断書等、様々な目的で収集された情報が含まれています。
労働安全衛生法第104条第3項に基づき、「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」(令和4年改正)が出されました。
事業者には、指針をもとに、事業場における健康情報取扱規程を定め、健康情報を適切に取扱うことが求められています。
▼詳細はこちらをご覧ください
3.ストレスチェック制度
ストレスチェックとは、『労働者のメンタルヘルス不調の未然防止(一次予防)のために行う、労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査』のことです。労働安全衛生法の改正により2015年12月より、常時雇用する労働者が50人以上の事業場に1年以内毎に1回の実施が義務付けられました。ストレスチェック制度は、ストレスチェックの実施前準備から労働基準監督署への報告までの一連の流れ全体を指します。
労働者のセルフケアの推進だけでなく、職場環境改善に取り組むことは、とても重要です。
ストレスチェック制度の集団分析と職場環境改善は努力義務となっていますが、職場環境改善に活かすことが求められています。
▼詳細はこちらをご覧ください
4.過重労働対策
長期間にわたる過重労働 は、疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因であり、さらには、脳・心臓疾患、精神疾患の発症との関連性が強いという医学的知見が得られています。
労働安全衛生法では、すべての事業場において、労働者の週40時間を超える労働が1か月あたり80時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められるときは、労働者の申出を受けて、医師による面接指導を行わなければならないとされています。働くことにより労働者が健康を損なうようなことはあってはなりません。
事業場として、労働者の労働状況について適切に把握し、実情にあった過重労働対策を実施することが重要です。
▼詳細はこちらをご覧ください
5.一般健康診断
職場における健康診断とは、労働衛生の3管理(作業環境管理・作業管理・健康管理)のうち、健康管理の一部として行われます。労働安全衛生法に基づく健康診断は、労働者が健康な状態を維持して安全に働けるかどうかを評価するために行われています。
事業者に実施が義務付けられている一般健康診断には、雇入時の健康診断、定期健康診断、特定業務従事者の健康診断、海外派遣者の健康診断、給食従業員の検便があります。それぞれの健康診断について理解を深めていきましょう。
▼詳細はこちらをご覧ください
6.特殊健康診断
特殊健康診断とは、健康に有害な業務に従事する労働者が、その仕事が原因で健康に問題が生じていないかをチェックするために行う健康診断です。特殊健康診断というカテゴリーにおいても、有機溶剤、特定化学物質等、取扱う化学物質により、必要とされる健康診断項目や実施時期、健診結果の保管期間などは様々です。
職場における化学物質等の管理のあり方については、労働安全衛生法に基づく「法令準拠型」から事業者が具体的な管理方法を選択・決定する「自律的管理」へ移行していきます。
まずは、法令にて定められている特殊健康診断について根拠を押さえていきましょう。
▼詳細はこちらをご覧ください
7.健康診断事後措置
健康診断の結果に異常所見があると診断された労働者に対して、事業者は、医師/歯科医師の意見を聴取したうえで、健康確保のために必要に応じて適切な措置を講じることが義務付けられており、これを「健康診断の事後措置」といいます。
職場における健康診断の目的の一つは、その労働者が就労可能な健康状態なのか、何らかの就業制限や配慮などの措置が必要かについて判断し、その措置を実施することにあります。労働者の健康情報のみではなく、職場環境や事情について情報収集し、必要な措置を検討していきましょう。
▼詳細はこちらをご覧ください
8.ハラスメント対策
ハラスメントとは、相手が不快に感じる言動や行動による嫌がらせのことを指します。近年、職場のハラスメントがメンタルヘルス不調を引き起こす原因となっていることが問題視されています。
2020年には、職場でのパワーハラスメントを防ぐための措置を事業主に義務付ける「労働施策総合推進法」が改正されました。
また、セクシュアルハラスメントや、妊娠・出産・育児・介護休業等に関するハラスメントに関する対策が「男女雇用機会均等法」や「育児・介護休業法」で強化されています。事業主は職場のハラスメント防止体制を整え、適切な対策をとる義務があります。
▼詳細はこちらをご覧ください
9.妊娠中、産後の女性労働者の健康管理
働く女性の数は増え続けており、職場における女性労働者の割合も年々上昇しています。出産を理由に退職することによる経済的損失は、約1兆7億円にものぼり、これは、個々の女性の収入が減少するだけではなく、女性が働いていた事業場に対しても大きな損失となります。
女性の健康は、ライフステージにおいて生物学的・社会学的な影響によって、様々な健康課題に見舞われます。妊娠中や産後の女性が働き続けるために、事業場に義務付けられている健康管理の対策をしっかりと実践していきましょう。
▼詳細はこちらをご覧ください
10.高年齢労働者の健康管理
少子高齢化が進み、50歳以上の高年齢労働者の割合は、増加し続けています。この変化に対応するため、2013年には厚生年金の受給開始年齢の引き上げが行われました。
また、高年齢者の職場での安定した雇用を支える「高年齢者雇用安定法」も改正され、事業者に対して、希望する労働者が65歳まで働き続けられるような環境整備が義務付けられています。一方、高年齢労働者の労働災害は増加傾向にあり、その割合が多いのが現状です。
高年齢労働者の健康管理について、その特性を考慮した対策の推進はますます重要となっています。
▼詳細はこちらをご覧ください
11.障害者雇用と合理的配慮
2016年に施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律;障害者差別解消法」は改正され、雇用分野以外でも事業者による障害者への「合理的配慮」の提供が義務化となり2024年4月より施行されました。
一方、事業主には、常時雇用する労働者の一定割合以上の障害者を雇用すること(法定雇用率)が義務付けられています。法定雇用率は段階的に引き上げられ、雇用率の向上とともに、就労継続のための対策も大きな課題となっています。
障害者のみならず、誰もが働きやすい環境を整備する重要性はますます高まっています。建設的な対話を通じ、理解を深め、障害者雇用対策を進めていきましょう。
▼詳細はこちらをご覧ください
12.事務所環境管理
快適な職場環境には、気温や照度などの物理化学的な環境のほか、職場に備える設備、ストレスや働き方に関する側面も含まれます。多様な働き方が推進され、働きやすい環境整備への関心が高まっています。
過重労働やストレス、メンタルヘルス対策だけでなく、「事務所衛生基準規則」および「労働安全衛生規則」の改正内容を中心に、事務所の環境管理と働きやすい職場環境づくりについて理解を深めましょう。
▼詳細はこちらをご覧ください