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用語辞典

ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)

1.ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)とは

ジェンダーハラスメントは、性別を理由とする差別や嫌がらせのことです。性別によって異なる扱いや評価をして、社会的立場や役割を決めつける、不当な負担や苦痛を与えるなどの行為が当てはまります。たとえ無意識で、相手に良かれと思ってやった行為であっても、相手の受け止め方によってはハラスメントになり得ます。このように無意識のうちに生じる偏見は「アンコンシャス・バイアス」と呼ばれており、ハラスメント問題を説明する際に扱われることが多いので覚えておきましょう。また、LGBTQに関する差別もジェンダーハラスメントに含まれます。

<ジェンハラの具体例>

・男女で呼び方が異なる(男性は名字に「さん」、女性は「〇〇ちゃん」)
・仕事を優先できる男性を管理職に置く
・男性に対して一方的に力仕事や残業を命じる
・お茶出しや掃除を女性にだけさせる
・同性愛をネタにした冗談を言ったり、からかったりする
など

2.ジェンハラとセクハラの違い

ジェンダーハラスメントとセクシュアルハラスメントの違いは、「固定観念に基づく嫌がらせ」か「性的な言動」かという点です。ジェンダーハラスメントは、「男性だから」「女性だから」のような、性別に対する思い込み、価値観を基にした発言・嫌がらせです。一方セクシュアルハラスメントは、相手の容姿や体型などについて発言する、直接体に触る、不適切なジョークを言うなど、性的な嫌がらせのことを言います。

3.ジェンハラの対策

ジェンダーハラスメント防止のために企業が進めるべき取り組みをご紹介します。

ハラスメントへの対応方針の策定・周知

ハラスメントガイドラインの中に、ジェンダーハラスメントについての取り組みを盛り込みましょう。ガイドラインは、従業員に対して望ましい行動・コミュニケーションを示す指針で、ジェンダーハラスメントの定義・適用範囲・報告手続き・制裁措置の明示などが含まれます。ガイドラインと併せて、ジェンダーを含む多様性に関する情報発信や、共生への理解を促すなど、ジェンハラ防止の前提となる考え方についても従業員に周知徹底します。

また、ダイバーシティ推進の一環として、ジェンダー平等の宣言を行います。ジェンダー平等を意識するようなスローガンなどを掲げるのも有効です。ガイドライン等はいつでも見られるようにすることで、それぞれがジェンダーハラスメント防止のための行動を意識できるでしょう。

ハラスメントの実態・発生リスクの把握

定期的なサーベイの実施により、ハラスメントの実態と発生リスクの把握につとめることも重要です。ジェンダーハラスメントに関連した質問や指標などを設け、従業員が匿名で意見や経験を述べられる環境を整えましょう。結果を分析し、ジェンダーハラスメントの発生リスクや傾向、現状を把握することで、問題の早期発見や改善のための具体的な施策立案が可能となります。

全従業員を対象とした社内教育・研修の実施

ハラスメントに関する社内教育や研修を実施することも重要です。ジェンダーハラスメントへの問題意識を高め、ハラスメントに当たる言動がどういったものかを研修を通して理解します。併せて、適切なコミュニケーションや指導方法を学び、自身の言動の見直し、改善につなげます。全ての従業員が共通の研修を受け、ハラスメントに対して同じ認識を持っていると、ハラスメントの発生に気づきやすい環境が生まれます。

相談窓口の設置

従業員がハラスメント全般について相談できる窓口を設置しましょう。特にジェンダーハラスメントはプライベートに関わる事柄が多いため、担当者はプライバシーの保護に留意します。従業員には、窓口を利用しても相談者や関係者が不利益を受けないことを周知しましょう。外部の専門家(産業医、弁護士など)にハラスメント相談ができる体制を整えておくことも大切です。

4.ジェンダーハラスメントに関連するコンテンツ

記事

動画

ガイドブック

講話資料


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