両立支援体制を構築する第1歩!両立支援コーディネーターを受講してみた!
産業保健の現場で課題として上げられる、『両立支援』。
さんぽLABでは、監修いただいている難波克行先生を講師にお招きし
両立支援に関するウェビナーを定期的に開催、多くの方にご参加いただいております。
☟両立支援に関する過去のウェビナー動画はこちら☟
・復職支援の流れ・失敗事例を知る
・職場復帰の可否を判断する
・法令の側面から職場復帰に在宅勤務を活用できるか考える
中の人としても、両立支援の重要性や課題感を持っている方が多いと感じ、あらためて勉強をする必要があると感じていました。
以前、開催したキャリアアップ交流会で参加いただいた方のお話を伺った際、両立支援コーディネーターの存在を知りました。※交流会の記事はこちらから
基礎知識や面談技術向上のために役立つというお話が出てきましたたので、私も受講することにしました。
今回は両立支援の勉強に役立つ『両立支援コーディネーター』の基礎研修を受講してきた体験談になります。
申し込みから受講完了までのイメージを持っていただけるような内容となっていますので、参考になれば幸いです。
こんな人におススメの資格です!!
・両立支援に関する基礎知識を学びたい、学び直したい
・治療と仕事を両立させるための実例を知り、従業員からの相談に備えたい
・両立支援のサポート体制を構築したい
【目次】
1.受講までの流れ
1-1.両立支援コーディネーターとは?
1-2.申し込み方法について
2.プログラムの内容について
2-1.動画講義
2-2.WEBライブ受講
3.受講した感想
1.受講までの流れ
まずは両立支援コーディネーターの概要と、申し込み方法についてご紹介いたします。
1-1.両立支援コーディネーターとは?
両立支援コーディネーターとは、独立行政法人労働者健康安全機構が養成する、働く人(患者)が治療と仕事の両立を図るために、働く人(患者)・家族、主治医、企業の間を取り持ち、必要な支援をコーディネートする人材のことを指します。
1-2.申し込み方法について
両立支援コーディネーターを受講するための方法についてご紹介します。
基本的にはすべて独立行政法人労働者健康安全機構のホームページで申し込みが完結します。
受講するための費用はかかりません。
注意しておきたいのは一度の研修に対して受講人数に制限があることです。
とは言え、1年の間に複数回開催されているので、もし受講人数が超えて抽選に落ちてしまっても別の回に応募できますので安心してください。
また、1度受講を完了し、修了証まで発行されると再度受講することはできませんので注意してください。
※2023年12月19日時点で令和5年度の申し込みは終了しました。
参考ページ:独立行政法人労働者健康安全機構
令和5年度も引き続きオンラインでの開催でした。毎年、1年間で7回ほど両立支援コーディネーターの受講をできる機会があり、各講座は6月から12月の間が申し込み期間となっています。受講したい月の1か月前からお申込みが可能となっています。毎回定員以上の申込があり、抽選になることが多いのでご注意ください。
教材については郵送で送られてきます。
※郵送で届くもの
・治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル
・事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン
・企業・医療機関連携マニュアル
・就労と糖尿病治療両立支援手帳
・WEBライブ講習で用いるテキスト
・その他参考用資料
2.プログラムの内容について
ここからは令和4年度の第6回両立支援コーディネーター基礎研修を受講した際の経験をもとにしています。
基本的な流れとしては動画配信研修の受講期間が3週間ほど定められており、期間内に受講を終えることでWEBライブ講習に参加することができます。
2-1.動画研修
動画研修のプログラムは以下の7項目となっていました。
①両立支援コーディネーターの必要性とその役割および留意点
②基本的な医療に関する知識
③産業保健に関する知識
④労務管理に関する基本的知識
⑤社会資源に関する知識
⑥両立支援のためのコミュニケーション技術
⑦がん経験者による当事者談話
どの項目も複数パートに分かれていて、1パートあたり30分から60分ほどで受講できる
ようになっています。しかし、1日で受講するにはかなりの量がありますので、余裕を持って受講されるのが良いと思います。
動画を1本見終えるごとに確認テストに回答、また項目の受講を終えるごとに
アンケートの回答も必要になります。動画の視聴+テスト&アンケートの回答が受講
完了の条件となっていますので忘れず回答してください。
動画研修では両立支援に関する基本知識・面談のためのコミュニケーション技術・がん経験者の体験談の3つが主軸となっています。
段階を踏んで学べますので、これまで両立支援に深く関わったことがない私でも、
問題なく学習できました。
また、2回目以降の動画視聴の際には早送り機能が利用できるようになりますので、
復習もしやすかったです。
2-2.WEBライブ受講
動画研修の受講が完了するとWEBライブ受講が可能になります。
WEBライブ受講の日程は決まっています。リアルタイムで受講をする必要があります。
ライブ受講完了の条件としては
①受講中に流れてくるアンケートに全て回答すること
②受講中はカメラがオンになっていること
③最後まで受講し、受講後アンケートに回答すること
の3点が必須となっています。
受講時間は2時間ほどで、内容としては動画研修の復習と事例検討の2つになっています。メインとなるのは事例検討のワークになります。
私が受講した際のワークでは、がんになってしまった従業員の例をもとに対応方法について回答していく流れとなっていました。
がんになってしまった従業員の状態、家庭状況、悩みに対してどのような支援をすることができるかを考える内容ですので、学んだことを活かして対応方法を考えていきます。
ワークを通じ、コーディネートをするための基本的な流れを抑えることができました。
3.受講した感想
受講して1か月経った後、事務局から終了証が郵送されてきました。
両立支援コーディネーターの基礎知識から事例を踏まえたワークまで学ぶことができますので、両立支援の対応経験がない人が1から学ぶには、良いプログラムであると感じました。
ライブ受講の際、最初のアンケートで両立支援に関する対応経験の有無を回答しましたが、半分くらいの人は未経験と回答されていましたので、両立支援の入門として活用されている方が多い印象でした。
両立支援の対応に慣れている方には、基礎を振り返る機会としてご活用いただけるのではないでしょうか。
コロナ禍になったことで講師との対面での講習・ワークができないので面談のロープレを学ぶのは難しいものの、講義の全てがオンラインで完結するため、受講のハードルは低くなっていると思います。
両立支援コーディネーターの受講が修了した人に向けたワークショップも実施されるとのことでしたので、面談技術の向上や事例検討も可能になりそうです。
研修を受講した後も情報収集やコーディネーターとしてのレベルアップの場として長期的に学ぶことができそうですので、両立支援対応に悩まれている方は是非受講してみてください。
詳細は独立行政法人労働者健康安全機構のホームページを確認していただければと思います。
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