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一番優先度の高い会社の健康課題は?【産業保健スタッフの投票結果から】

はじめに

産業保健の現場では、健診結果や生活習慣、メンタルヘルス、労働時間、安全衛生など、さまざまな健康課題があります。

その中で、「自社にとって今優先すべき健康課題は何か」と悩む場面も少なくないはずです。

今回は、産業保健スタッフの皆さまに「会社として最も優先度が高い健康課題」について伺いました。

現場の実感を反映した投票結果をもとに、各課題の特徴と対応のヒントを整理します。


投票結果(概要)

期間: 2026年1月10日〜1月16日
投票数: 56票
結果

  • 健康診断に関する課題(有所見率や生活習慣など):48%
  • メンタルヘルス不調者・休職者が多い:29%
  • 長時間労働者が多い:7%
  • 安全衛生上の課題(労災リスクなど):7%
  • 治療と仕事の両立支援:5%
  • その他:4%
    一番優先度の高い会社の健康課題は?円グラフ

各項目の傾向と対応のヒント

​健康診断に関する課題(有所見率や生活習慣など)(48%

今回の投票で最も多かったのは、健康診断に関する課題でした。有所見率の高さや生活習慣病リスクの増加など、「健診は実施しているものの、結果データを十分に活かしきれていない」と感じている企業が多いことがうかがえます。産業医や保健師からも、健診結果を見ても次のアクションにつなげにくい、経年変化の把握や分析まで手が回らないといった声が聞かれます。

対応のヒント
  • 有所見率や判定結果を“見るだけ”で終わらせず、経年比較や部署別比較などの視点で整理する
  • 生活習慣や就業状況と組み合わせ、現場に説明しやすい形で可視化する
  • 保健指導や情報提供を継続的に行い、行動変容につながる仕組みを検討する

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メンタルヘルス不調者・休職者が多い(29%)

約3割を占めたのが、メンタルヘルス不調者や休職者の多さに関する課題です。ストレスチェック制度が定着する一方で、不調の早期発見や初期対応が十分に機能せず、休職や長期化に至るケースも少なくありません。人事や産業保健スタッフに対応が集中し、負担が増大している現場も多いと考えられます。

対応のヒント
  • ストレスチェックや日常の相談などから不調の兆しを拾い、早期につなぐ仕組みを整える
  • 産業医・保健師・人事が同じ認識で対応できるよう、ルールや対応フローを共有する
  • 休職対応だけでなく、復職後のフォロー体制まで見据えて整理する
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長時間労働者が多い(7%)

本選択肢の投票率は7%でしたが、決して重要性が低いわけではありません。働き方改革関連法への対応が進み、表面的な時間外労働は減少しているものの、業務の偏りや繁忙期の負荷集中といった課題が残っている職場もあります。また、勤怠データで数値上は問題がなくても、健康への影響が懸念されるケースも見受けられます。

対応のヒント
  • 長時間労働者の人数や時間数だけでなく、業務内容や発生要因を把握する
  • 健康診断やストレスチェックの結果と組み合わせ、健康リスクの視点から整理する
  • 管理職任せにせず、人事・産業保健が連携して改善策を検討する数字だけでは見えない「負荷」に目を向ける

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安全衛生上の課題(労災リスクなど)(7%)

本選択肢の投票率も7%と低めでしたが、一度労災が発生した場合の影響は大きく、引き続き重要なテーマです。業務内容の多様化や人材の入れ替わりにより、現場ごとのリスク認識にばらつきが生じているケースもあります。安全教育や点検が形式的になってしまい、実態と合っていないことが課題となることも少なくありません。

対応のヒント
  • 過去の労災事例やヒヤリ・ハットを定期的に振り返り、現場と共有する
  • 現場の声を取り入れたリスクアセスメントを行う
  • 産業医や保健師の視点から、体調や作業負荷との関係も含めて評価する

治療と仕事の両立支援(5%)

本選択肢の投票率も5%と低めでしたが、対象者が出た際の対応の難しさから、現場では悩みの多い分野です。制度は整備されつつあるものの、「どこまで配慮すべきか」「どう判断するか」に迷い、対応が属人的になっているケースもあります。

対応のヒント
  • 個別判断に頼りすぎず、基本的な対応方針や考え方をあらかじめ整理しておく
  • 主治医からの意見書、産業医の専門的な見解、人事としての判断を整理し、それぞれを適切につないで活かせるよう、事業者側の役割分担を明確にする
  • 本人への説明と合意形成を丁寧に行う

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今後の展望

今回の投票結果から、健康診断を起点とした健康課題とメンタルヘルス対策が、引き続き企業の重要テーマであることが明らかになりました。一方で、長時間労働や安全衛生、治療と仕事の両立支援など、個別対応が求められる課題も存在しています。今後は、制度対応にとどまらず、健診データやストレスチェック結果を活用した現状把握と優先順位付けが、より重要になると考えられます。産業医・保健師・人事が連携し、組織課題として健康を捉えることが、実効性のある産業保健活動と健康経営の推進につながっていくでしょう。
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