メンタルタフネスとは?産業保健スタッフが知るべき基礎と職場での活用ポイント
現代の職場では、多くの労働者が強いストレスにさらされており、メンタルタフネスの向上が重要な課題となっています。メンタルタフネスは「困難に直面しても前向きに解決行動を起こせる能力」であり、産業保健スタッフが従業員のメンタルヘルス支援において理解・活用すべきスキルです。本記事では、メンタルタフネスの定義から職場で求められる背景、特徴、メリット、そして具体的な高め方までを解説します。
1. メンタルタフネスとは何か
メンタルタフネスは「困難な状況でネガティブな感情に振り回されず、解決に向けた行動を取れる能力」です。生まれ持った性格ではなく、後天的にスキルとして開発可能であり、ストレスに強く主体的に問題解決にあたる力を指します。厚生労働省の調査では、8割以上の労働者が仕事のストレスを感じており、この能力の重要性が増しています。
2. メンタルタフネスが職場で求められる理由
従来の日本型雇用制度の変化や成果主義の普及により、労働環境のストレスが増大。変化の速いビジネス環境では、自己成長型で困難に前向きに挑める人材が必要とされており、企業の持続的成長には従業員のメンタルタフネス度向上が不可欠です。
3. メンタルが強い人・弱い人の特徴
##【メンタルが強い人の特徴】
- ポジティブ思考で自己効力感が高い
- 自己肯定感が高く自分を肯定できる
- 自己理解が深くストレス状況を客観視できる
- 周囲の意見に流されず適切な距離感を保つ「鈍感力」がある
【メンタルが弱い人の特徴】
- ネガティブな感情を引きずりやすい
- 自己肯定感が低く自己評価が厳しい
- 他人の評価を過度に気にし、自己判断ができない
4. メンタルタフネスを高めるメリット
【個人面】
モチベーションが向上し、困難を成長の機会として活かせる。
【個人・組織面】
ストレスへの対処力が増し、メンタル不調の未然防止に繋がる。
【組織面】
エンゲージメントや生産性が向上し、建設的なコミュニケーションによる職場活性化が促進される。
5. メンタルタフネスの具体的な高め方
仕事量や環境は変えにくくとも、「認知」と「行動」は変えられます。
- ネガティブな思考や行動(マイナスの認知・行動)を減らす
- 前向きに捉え直し、問題解決行動や相談、気分転換などのプラスの認知・行動を増やす
具体的には、自身の思考のクセ(例:自責、過度の「べき」思考、悲観的判断)を把握し、意識的に認知の偏りを修正する取り組みが効果的です。
産業保健スタッフは従業員のメンタルタフネス向上支援を通じて、職場のメンタルヘルス改善に大きく寄与できます。支援プログラムや教育に取り入れ、持続的な企業成長の基盤作りに役立てましょう。
出典
アドバンテッジJOURNAL
今の時代に求められる「メンタルタフネス」とは? ~ストレスに強くエンゲージメントの高い人材を育てる
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