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【両立支援・復職支援】今さら聞けない!産業保健の用語解説

産業保健現場では臨床現場と異なる業務が多いため、聞き馴染みのない用語が頻出。ネットでいつも検索していた。でも答えが見つからない。なんて経験ありませんか?

そこで、「産業保健の用語解説」を作成しました。
今回は”両立支援・復職支援”に関係する用語のうち、産業保健スタッフが知っておくべきキーワードや使用頻度の高い用語に関して解説しています。
ご自身の学習/復習だけでなく、他の方への説明の際などにもご活用ください。

用語一覧


両立支援
リワーク
産前・産後休業(産休)・育児休業(育休)
くるみん認定
事例性
疾病性


両立支援

両立支援とは、病気の治療や育児・介護と仕事の両方を並行して取り組めるように支援することを言います。制度を整備することにより、労働者側としても安心して働ける環境に身をおくことができますし、企業側も支援を実施することで従業員に長く働いてもらえるようになります。




リワーク

リワークとはreturn to workの略語で、精神疾患による休業者に対して行う、職場復帰に向けたリハビリテーションのことを指します。リワークは医療機関や地域障害者職業センター、企業内などで実施されます。 リワークのプログラムとしては、通勤の訓練やグループミーティング、オフィスでの軽作業などを行って徐々に職場復帰することを目指すのが一般的です。

精神科医でメディカルケア虎ノ門の院長を務められる五十嵐良雄先生のレポートによると、リワークプログラムの利用者は非利用者と比較して復職1年後の就労継続割合が高いことが確認されており、再休業リスクの低減策としてリワークが有効であることがうかがえます。




産前・産後休業(産休)・育児休業(育休)

産休・育休制度とは、子どもを出産し、育てるために 仕事を休業できる制度のことを指します。産休や育休は略称で、正式名称は産前産後休業、育児休業と言います。それぞれ労働基準法65条、育児・介護休業法5条に定められている制度です。

従来は産休・育休は女性が取るもの という認識が根強かったのですが、近年は男性社員が育児休業を取得する必要性が認識されてきています。男性が育休を取得して育児に参加すれば、女性の産後うつや育児ノイローゼ発症のリスクが軽減します。企業視点では従業員のワークライフバランスがよくなり、生産性が上がるメリットが期待できます。




くるみん認定

くるみん認定とは、子育てサポートを積極的に行う優良企業を「子育てサポート企業」として厚生労働大臣が認定する制度です。

くるみん認定は満たす要件の種類や数によって、認定されるマークの種類が異なります(くるみん、プラチナくるみん、トライくるみん)。赤ちゃんを包む「おくるみ」と「会社ぐるみ・職場ぐるみ」で子育てサポートを行う意味をかけて、このような名称がつけられています。




事例性

産業保健の現場では、体調不良や疾患を抱えながら働く従業員に対し、「疾病性」と「事例性」に分けて考えることが重要です。

職場では、疾病を持っているかどうかや疾病の確定診断よりも、疾病が就労にどのような支障をきたす可能性があるのか、会社としてどのような配慮が必要かという視点や、業務上の問題が生じていないかどうか(事例性)に着目する事がより重要です。




疾病性

産業保健の現場では、体調不良や疾患を抱えながら働く従業員に対し、「疾病性」と「事例性」に分けて考えることが重要です。

疾病性とは、その人の症状や疾患の有無、診断名などに関する事で、例えば「抑うつ気分、不眠、食欲不振があり、うつ病が疑われる」といった、医師などの医療職が判断することになります。
仮にうつ病を抱えていても、治療をしてコントロールが良好であり、就業制限も必要ない、勤怠の乱れもなく仕事のパフォーマンスも良好と、特に問題がない従業員もたくさんいます。
反対に、「遅刻が多い」や「勤務中居眠りをしている」など業務上問題が生じており、それが従業員の疾病や体調不良によるものではなく(うつ病や睡眠時無呼吸症候群など)、従業員の性格や勤務態度に問題があり、会社から適切な指導が必要なケースもあります。

職場では、疾病を持っているかどうかや疾病の確定診断よりも、疾病が就労にどのような支障をきたす可能性があるのか、会社としてどのような配慮が必要かという視点や、業務上の問題が生じていないかどうか(事例性)に着目する事がより重要です。




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