エンゲージメント向上~こころの知能指数EQは高めることができる?
企業にとって人材確保や従業員の生産性の向上は常に関心が高く、同時に大きな課題の一つです。これらの課題の解決に不可欠なのがエンゲージメントの向上です。エンゲージメントとは、自発的な意志と行動で仕事に取り組み仕事にやりがいを感じている状態を言い、その向上は、企業に大きなメリットをもたらします。
今回は、エンゲージメントの向上について、解説していきます。
【目次】
1.エンゲージメント~健康経営に不可欠な要素
2.エンゲージメント低下がもたらすもの
3.こころの知能指数EQを高めるとは
1.エンゲージメント~健康経営に不可欠な要素
エンゲージメントとは、自発的な意志と行動で仕事に取り組み、仕事にやりがいを感じている状態であることをさします。少子高齢化により、労働力不足が懸念されている昨今、人材確保や従業員の生産性の向上のためのキーワードとして、注目されています。
働く人のエンゲージメントには、ワーク・エンゲージメントとエンプロイー・エンゲージメントがあります。
ワーク・エンゲージメント
ワーク・エンゲージメントとは、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態であり、活力、熱意、没頭が特徴づけられます。エンゲージメントは、特定の対象、出来事、個人、行動などに向けられた一時的な状態ではなく、仕事に向けられた持続的かつ全般的な感情と認知であると定義されています。
エンプロイー・エンゲージメント
エンプロイー・エンゲージメントとは、従業員エンゲージメントとも呼ばれ、従業員が会社に対して抱く愛着を指す言葉であり、会社への帰属意識や理念・ビジョンへの共感、貢献意欲、職務満足などを内包する概念を意味します。
エンプロイー・エンゲージメントは、従業員が会社の待遇や職場環境への満足度を指す従業員満足度や、会社への忠誠を指すロイヤルティとは少し異なります。
ワーク・エンゲージメント、エンプロイー・エンゲージメントを高めるメリットは下記が挙げられ、従業員、企業双方にそのメリットがあります。
- 生産性の向上
- 組織の活性化
- 離職防止、人材の定着
- メンタルヘルスの向上
▼もっと詳しく知りたい方はこちら▼
2.エンゲージメント低下がもたらすもの
エンゲージメントが低下する背景には以下のような要因が考えられます。
- 業務負担の増加:組織内で重要なポジションにあるため、責任が大きく、業務量も増える
- 不十分な評価:自分の努力や成果が評価されず、役割に対する報酬が見合っていないと感じる
- 不安や不信感:将来への不安や、自分の役割や能力に対する疑念が増す
こうした状況にある社員は、「どんなに頑張っても報われない」と感じ、仕事に対する熱意が薄れ、悪循環に陥ることが多いです。エンゲージメントが低下した状況へのアプローチとして、カウンセリングによる介入が挙げられます。下記に、具体例をご紹介します。
具体的な事例:Aさんの場合 Aさん(30代、勤続10年)は、自分の業務評価に納得がいかず、新しい業務に挑戦しスキルアップを図っても、評価は減点方式で期待通りの評価を得られませんでした。 上司からの指摘や改善要求に対するプレッシャーと、自己評価の低下により、Aさんの仕事への意欲は次第に失われていきました。また、新たにメンバーのフォロー役を頼まれ、自己の能力に疑問を抱くようになり、ストレスを抱え込むようになりました。 |
カウンセリングの介入方法
カウンセリングでは、Aさんの悔しさや虚しさを受け止め、共感的に対話を進めました。Aさんが自己能力を疑う背景には「レッテル貼り」の認知があることを示し、カウンセラーはこれまでの努力や成果を一緒に振り返る作業を行いました。具体的には、以下のような介入を行いました。
- 共感的な聴取
- 認知の修正
- 自己評価の促進
このプロセスを通じて、Aさんは自分自身の価値を再確認し、新たな視点から自分の役割を理解できるようになりました。その結果、仕事に対するポジティブな意欲を取り戻し、エンゲージメントの改善が期待できる状態に至りました。
▼もっと詳しく知りたい方はこちら▼
3.こころの知能指数EQを高めるとは
仕事をする際に、「自発的行動」と「ポジティブ感情」が伴うことで従業員個人のエンゲージメントが向上します。この状態に導くための一つのアプローチ方法が「こころの知能指数」とも言われるEQの開発です。
EQは開発可能な能力であり、個人のEQが高まることによって、物事をポジティブに捉えることができ、自ら相応しい行動がとれる自発性へとつながっていきます。従業員一人ひとりのEQが向上すれば組織全体にも良い影響を与え、結果的に企業の生産性向上をもたらします。
EQとポジティブ感情の関係
起きた出来事に対して、仮にネガティブ感情を抱いても「相手と円満な関係を築きながら業務を遂行する」という目標達成のためにEQを働かせて自分の怒りや悲しみの気持ちを調整して行動すれば、望む結果に結び付けることができます。
EQの低い上司・高い上司が組織に与える影響の違い
EQ研修を展開する場合は、管理職からスタートすることがおすすめです。管理職がEQを高めることは、部下や周囲に好影響を与え、その結果、全社的なエンゲージメントの向上に繋がります。
EQの低い上司
指示を出す際に、業務内容と期限だけを伝える
部下から相談を受けた際に、寄り添う姿勢を見せない
→ 部下に不満・不信感が生まれる【エンゲージメントDOWN】EQの高い上司
指示を出す際に、業務の意義や背景をセットで伝える
部下の心の不調に早めに気付き、ケアをする
→ 部下の納得感・安心感につながる【エンゲージメントUP】
こころの知能指数EQはトレーニングで高めることができます。
詳しく知りたい方は、ガイドブック「エンゲージメント向上のカギはEQ強化にあり!」をぜひご活用ください。
▼ガイドブックはこちらからダウンロード▼