さんぽLAB

記事

【タフネス白書×カウンセリングで紐解く!】エンゲージメントが低下している人へのカウンセリング介入方法

当社ではストレスチェックの結果をもとに「アドバンテッジタフネス白書」を毎年発行し、顧客にベンチマーク情報を提供しています。2023年版の白書によると、30代以降で「高エンゲージメント」の割合が減少していることが確認されました。「高エンゲージメント」とは、仕事に対する熱意や活力、ポジティブさを意味します。この年齢層は組織内で重要な役割を担い、個人や組織全体に貢献しようとする意識が高いにもかかわらず、エンゲージメントの低下が見られるのはなぜでしょうか。

CONTENTS


1.エンゲージメント低下の原因と人物像
2.具体的な事例:Aさんの場合
3.まとめ


1.エンゲージメント低下の原因と人物像

エンゲージメントが低下する背景には以下のような要因が考えられます。

業務負担の増加

組織内で重要なポジションにあるため、責任が大きく、業務量も増える。

不十分な評価

自分の努力や成果が評価されず、役割に対する報酬が見合っていないと感じる。

不安や不信感

将来への不安や、自分の役割や能力に対する疑念が増す。

こうした状況にある社員は、「どんなに頑張っても報われない」と感じ、仕事に対する熱意が薄れ、悪循環に陥ることが多いです。

2.具体的な事例:Aさんの場合

Aさん(30代、勤続10年)は、自分の業務評価に納得がいかず、新しい業務に挑戦しスキルアップを図っても、評価は減点方式で期待通りの評価を得られませんでした。上司からの指摘や改善要求に対するプレッシャーと、自己評価の低下により、Aさんの仕事への意欲は次第に失われていきました。また、新たにメンバーのフォロー役を頼まれ、自己の能力に疑問を抱くようになり、ストレスを抱え込むようになりました。

カウンセリングの介入方法

カウンセリングでは、Aさんの悔しさや虚しさを受け止め、共感的に対話を進めました。Aさんが自己能力を疑う背景には「レッテル貼り」の認知があることを示し、カウンセラーはこれまでの努力や成果を一緒に振り返る作業を行いました。具体的には、以下のような介入を行いました。

共感的な聴取

Aさんの話をしっかりと聴き、彼の感情に寄り添うことで、まずは安心感を提供しました。

認知の修正

自己能力を否定する思考パターンを指摘し、「フォロー役を任されたのは、指導力と責任感があるから」と新たな視点を提示しました。

自己評価の促進

Aさんの過去の経験や成果を具体的に振り返り、自己成長を実感できるように支援しました。

このプロセスを通じて、Aさんは自分自身の価値を再確認し、新たな視点から自分の役割を理解できるようになりました。その結果、仕事に対するポジティブな意欲を取り戻し、エンゲージメントの改善が期待できる状態に至りました。

3.まとめ

エンゲージメント低下の背景には、業務負担の増大や評価の不満、自身の能力への疑念などが影響しています。カウンセリングでは、共感的に話を聴くこと、認知の修正、自己評価を促進することが重要です。Aさんの事例からもわかるように、こうした介入を通じて、相談者は新たな視点を得て、前向きな姿勢を取り戻すことが可能です。エンゲージメントの改善には、このようなカウンセリングのアプローチが有効です。

もっと詳しく知りたい方はこちら


出典

アドバンテッジJOURNAL
【タフネス白書×カウンセリングで紐解く!】エンゲージメント が低下している人へのカウンセリング介入方法

ハッシュタグを押下して関連ページを検索↓

コメントする