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アブセンティーイズムとプレゼンティーイズムとは?企業の生産性に直結する健康経営の視点

従業員の欠勤(アブセンティーイズム)や、出勤していても十分に力を発揮できない状態(プレゼンティーイズム)は、企業の生産性を大きく左右する要素です。実は、生産性の損失の大半は“出勤しているのに不調な状態”=プレゼンティーイズムによって生じています。
本記事では、産業保健スタッフが理解しておくべき2つの概念と、それぞれが職場に与える影響、対策のヒントをわかりやすく解説します。


【目次】
1.アブセンティーイズムとは?欠勤による生産性損失の実態
2.プレゼンティーイズムとは?出勤していても成果が出ない理由
3.まとめ:健康経営は“出勤者の不調”にも目を向ける


1.アブセンティーイズムとは?欠勤による生産性損失の実態

アブセンティーイズム(absenteeism)とは、病気や怪我で欠勤、または休職などで業務についていない状態のことで、勤怠管理上明確になります。つまり、業務自体が行えていない状態です。
業務自体が行えていないため、生産性は明らかに低下します。

2.プレゼンティーイズムとは?出勤していても成果が出ない理由

プレゼンティーイズム(presenteeism)とは、出勤しているのに心身の不調により十分なパフォーマンスが発揮できず、業務遂行能力や生産性が落ちてしまう状態のことをいいます。出勤しているため勤怠管理上変化はありません。

しかし、厚生労働省が発表しているコラボヘルスガイドラインによると、健康関連の総コストのうちプレゼンティーイズムによるものが77.9%と8割近くを占めており、アブセンティーイズムは4.4%でしかありません。つまり、プレゼンティーイズムは企業の生産性に大きく影響を与えていることがわかります。


また、アブセンティーイズムになる前の多くはプレゼンティーイズムを経ており、プレゼンティーイズムに関する課題解決を目指した活動を行うことが重要であるといえます。

プレゼンティーイズムになる原因は、多岐に渡ります。
長時間労働による疲労や、人間関係の不和やハラスメントによる精神的な負担など業務や職場環境に関連が深い心身の健康障害なども挙げられます。また、寝不足や二日酔いなどの本人の体調管理に起因するものや、花粉症や気温などによる外部要因によるものなどもあります。
いずれも、業務のパフォーマンスは低くなり、ミスや事故、クレームを招くなどのトラブルなどの要因にもなります。

3.まとめ:健康経営は“出勤者の不調”にも目を向ける

プレゼンティーイズムやアブセンティーイズムを改善すれば、組織の生産性は向上します。
休職者数などのアブセンティーイズムに注目しがちですが、プレゼンティーイズムによる影響は企業の経済的な損失への影響は大きく、プレゼンティーイズムの課題解決に着目した活動はアブセンティーズムの予防につながります。
プレゼンティーイズムに着目した活動が産業保健スタッフには求められます。


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