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ストレスとうまくつきあうには~ストレス耐性、セルフコンパッションについて解説

日々の生活を送る中で、ストレスを避けて通ることは難しいものです。
健康で生き生きとパフォーマンスを発揮するためにも、ストレスとうまく付き合い、メンタルヘルスを良好に保つことが大切です。
今回は、ストレスとうまく付き合っていくためのキーワードと具体例についてご紹介いたします。



【目次】
1.デジタルデトックス~適切な休息はとれていますか?
2.ストレス耐性とは~ストレス耐性を高めるには?
3.セルフコンパッション~ありのままの自分を受け入れる


1.デジタルデトックス~適切な休息はとれていますか?

リモートワークの普及に伴い、顔が見えないことにより、メンタルヘルスの悪化に気付きにくい側面があります。従業員が物理的に離れた場所で仕事をするようになると、メンタルヘルスのケアが自助努力に委ねられる比重が高くなります。つまり、セルフケアの重要性が高まります。従業員個人がセルフケアについての知識や方法を知っていること、また、企業がそのための知識提供を十分に実施していることが大切です。

新しい働き方における健康課題

  • 燃え尽き症候群:絶え間ない過度のストレスにより発生し、うつ病の一種とも考えられるといわれ、コロナ禍で深刻化しました。
  • 長く不均一なデジタルワーク:働き方の多様性も拡がり、私たちはいつでもどこでも仕事ができる環境にあります。しかし、日常生活のなかで仕事とプライベートの区切りがつけられなくなり、心身のバランスを崩してしまう可能性も高まりました。

デジタルデトックスの重要性~そのメリットとは?

  • デジタル時代のセルフケア:デジタルデトックスとは、一定期間デジタルデバイスから離れ、心身にかかるストレスを軽減することです。デジタルデバイス利用中もストレスを低減させる使い方を実践することで、脳疲労の蓄積を防ぎ、より良いコンディションで日常生活を過ごせるようになります。
  • 業務のパフォーマンス改善への期待:デジタルデバイスを駆使する業務においてもパフォーマンスを改善できる点です。デジタル上での「つながる時間」と「つながらない時間」のデザインは、企業の生産性を最大化するための第一歩になり得るといえます。



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2.ストレス耐性とは~ストレス耐性を高めるには?

ストレス耐性とは、ストレッサー(ストレスの原因)に対して適応し対処する能力を指します。
ストレッサーには、心理的、社会的、物理的、化学的な要素があり、個々人によってその反応や耐性の高さは異なります。ストレス耐性が高い人は困難をうまく乗り越えやすく、耐性が低い人は心身に負担を感じやすいです。

ストレス耐性を決める6つの要素

ストレス耐性の高さを左右する6つの重要な要素は次の通りです。

  • 容量:ストレスをどれだけ受け止められるかの能力。容量が大きい人はストレスに強く、小さい人は些細なストレスにも弱い。
  • 感知:ストレスを感じ取る力。感知能力が低い人は、ストレスを受けても気づかないため、耐性が高く見えることがあります。
  • 処理:ストレスの原因に対処する力。問題解決能力が高いほど、ストレスにうまく対応できる。
  • 経験:過去に似たストレスを経験したことがあるかどうか。経験が豊富だと、ストレス耐性が高まる場合が多い。
  • 回避:ストレスを避ける能力。ストレス要因から物理的・心理的に距離を取ることができる人は、影響を受けにくくなります。
  • 転換:ネガティブな状況をポジティブに捉える力。失敗を前向きに解釈できる人は、ストレスを軽減することが可能です。

ストレス耐性を高める方法には、「ストレスの捉え方を変える」、「ストレスコーピングの実践」といった個人で取り組める方法から、「ワークライフバランスの推進」など、企業として取り組む方法があります。
ストレス耐性を高めるためには、個人の努力と企業のサポートが不可欠です。ストレスを適切に認識し、対処するスキルを身につけることで、長期的な健康を保ちながら、効率的に仕事を遂行できるようになります。


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3.セルフコンパッション~ありのままの自分を受け入れる

セルフコンパッション(Self-Compassion)とは、ありのままの自分を受け入れ、思いやることを意味します。テキサス大学のクリスティーン・ネフ氏が提唱したこの概念は、愛する人に対する思いやりやいたわりの気持ちを自分自身にも向け、どんな状況であっても自分を素直に受け入れることを指します。
自分の強みだけでなく弱点も受け入れることで、メンタルヘルスを良好に保つ効果があります。

セルフコンパッションの3つの要素

  • 自分への優しさ(Self-Kindness):自己批判をせず、失敗や困難な状況でも自分を思いやること
  • 共通する人間性の認識(Common Humanity):誰もが悩みを抱え、失敗することがあると理解し、孤独感や疎外感を和らげること
  • マインドフルネス(Mindfulness):今この瞬間の感情や出来事をありのまま受け止め、感情を過剰に反応せずに観察すること

セルフコンパッションを育むメリット

自分の感情や状況をありのまま受け入れることで、否定的な感情に振り回されず、ストレスが軽減されます。困難や逆境を乗り越えるためのレジリエンスが高まり、精神的なダメージからの早期回復が可能になります。そして、ネガティブな出来事があっても自分を責めることなく、前向きな考えを持つことで、幸福感や人生の満足度が向上します。

セルフコンパッションは、個人のメンタルヘルス向上に寄与するだけでなく、企業全体の生産性向上や心理的安全性の高い組織作りにも役立ちます。


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