記事

健康経営度調査における保健指導対象者としての「有所見」の定義は?【産業保健スタッフの投票結果から】

はじめに

健診結果のフォローを行う中で、健康経営度調査における保健指導対象者としての「有所見」をどのように定義するかは、企業の方針や運用体制によって異なることも多いのではないでしょうか。今回は、「健康経営度調査における保健指導対象者としての「有所見」の定義をどこで定めていますか?」というテーマで、皆さまの職場での状況を伺いました。
本記事では、その結果をもとに、現場での傾向と対応のヒントを整理します。


投票結果(概要)

期間: 2026年2月21 日〜2月27日
投票数: 84票
結果

  • B判定(軽度異常)以上:13%
  • C判定(再検査・生活改善)以上:61%
  • D判定(要精密検査・要治療)以上:25%
  • その他:1%

各項目の傾向と対応のヒント

B判定(軽度異常)以上:13%

本選択肢を保健指導対象としている回答は、全体の約1割にとどまりました。
なお、医療機関によっては「経過観察」と表記される場合もあります。
厚生労働省の「主な用語の定義」では、「異常なし以外の者を有所見者とする」とされており、この定義に基づくと、B判定も有所見者に含まれる、と考えられます。
こうした背景を踏まえると、B判定から丁寧にフォローしている事業所は、早期介入を重視した運用を行っているともいえそうです。

対応のヒント

  • 事業所が複数ある場合は、保健指導対象者の基準にばらつきが出ないよう、あらかじめ方針を整理する
  • 全員一律の対応ではなく、リスクの高い項目を優先するなど、負担とのバランスを考慮する
  • 早期介入による重症化予防の取り組みとして位置づけ、対応実績の蓄積・見える化を意識する 
健康診断後の対応に迷わない!産業保健スタッフ...
健康診断の実施後、医師の意見はどのケースで必要?就業制限はどう現場に伝える?受診を拒否されたらどうする?など、現場で判断に迷う場面は少なくありません。特に産業保健スタッフは、法令遵守と現場対応のバランスを求められる重要な役割を担ってお...
sampolab-ad.com

C判定(再検査・生活改善)以上:61%

最も多かった回答で、全体の約6割を占めました。
「再検査・生活改善」は、現時点での体調に一定の課題がある、あるいは今後のリスクが示唆される状態と考えられます。
そのため、放置せず、早めにフォローにつなげることが重要になる場面も多いでしょう。

対応のヒント

  • 健診結果の確認や再検査の認識が不十分なケースも想定し、産業保健職からの声かけを行う
  • フォロー対象が多くなるため、優先度(検査結果の程度・既往歴など)を踏まえて対応を整理する
  • 情報提供と個別支援を組み合わせ、無理のない介入を考える

アドラー心理学に学ぶ保健指導のコツ:信頼関係...
短時間の面談で信頼関係を築くのは難しい――そんな悩みを抱える保健指導の現場で、注目されているのが「アドラー心理学」に基づく“勇気づけ”のアプローチです。 本記事では、「嫌われる勇気」でも知られるアドラー心理学の基本的な考え方から、...
sampolab-ad.com


D判定(要精密検査・要治療)以上:25%

本選択肢を保健指導対象としている回答は、全体の約4分の1でした。
本アンケートは「保健指導対象者」を問うものであったため、B判定・C判定については、情報提供や声かけなど別の形でフォローしている可能性も考えられます。
D判定の場合、すでに医療的な介入が必要な段階であることもあり、対応の優先度は相対的に高いといえます。

対応のヒント

  • 受診の必要性があっても行動に移せないケースを想定し、本人の状況に配慮したフォローを行う
  • 就業への影響の有無を早期に確認する
  • 必要に応じて、産業医・人事・上長と連携し、受診勧奨や勤務調整につなげる
保健指導のスキルアップに!健診結果を基にした...
第一回事例検討会を開催しました! 2023年5月24日(水) に健診結果を基にした事例検討会を実施しました。事例検討会では、4~5名ずつのグループに分かれ、事例についてお話いただいております。その様子をご紹介いたします!目的...
sampolab-ad.com

今後の展望|運用の違いを前提に、自社に合った整理を

今回の結果から、保健指導対象者の定義はC判定以上とする企業が多い一方で、B判定から丁寧に対応している事業所も一定数あることが分かりました。
厚生労働省の定義を踏まえると、B判定も有所見者に含まれるため、どこまでを対象とするかは「リソース(人員・予算など)」「目的(重症化予防・受診率向上など)」によって検討していくことが重要になりそうです。
無理のない運用の中で、優先順位を整理しながらフォロー体制を整えていくことが、現場での継続的な取り組みにつながるのではないでしょうか。

健康経営の促進までまるっと効率化する健康管理...
産業保健スタッフのための現場で役立つコミュニティサイト「さんぽLAB」のご案内 産業保健現場で役立つ最新情報を発信しています😀 1⃣コミュニティ|自己紹介だけでなく、匿名でのお悩み相談やナレッジの共有などが可能です。お悩み相談では...
sampolab-ad.com

健康経営度調査における保健指導対象者としての「有所見」の定義をどこで定めていますか?
結果発表
A判定(異常なし)以上
0票
B判定(軽度異常)以上
11票
C判定(再検査・生活改善)以上
51票
D判定(要精密検査・要治療)以上
21票
その他(コメントで教えてください!)
1票
コメントする
1 件の返信 (新着順)
pin
2026/07/07 11:04

厚生労働省の「主な用語の定義」まで調べたことがなかったので、「異常なし以外の者を有所見者とする」という説明は、誰にでもわかりやすく納得できるものだと感じました。
このような用語の定義からしっかりと押さえておく必要があることがとても勉強になりました。


コメントいただき、ありがとうございます!
日頃よく使う用語でも、その定義を正確に確認することが難しい場合があるかと思います。
今回の記事が少しでも参考になったのであれば幸いです。
これからも皆さまのお役に立つ情報をお届けできるよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。