さんぽLAB

記事

避けては通れないメンタルヘルス対策~実施のポイントについて解説

現代の職場環境では、多くの従業員がさまざまなストレスにさらされています。その結果、メンタルヘルスに関わる問題を抱える企業は少なくありません。産業保健活動を行う上で、メンタルヘルス対策は避けて通れない重要な課題の一つです。従業員がいきいきと働ける環境を整えることは、職場の活性化や生産性の向上にも直結します。
本記事では、改めてメンタルヘルスの基礎知識を振り返りながら、感情労働者へのケアの必要性やメンタルヘルス対策実施のポイントについてご紹介します。



【目次】
1.職場のメンタルヘルス対策~産業看護職の役割
2.感情労働~支援者にも適切な心理的ケアを
3.押さえておきたいメンタルヘルスの基礎知識


1.職場のメンタルヘルス対策~産業看護職の役割

職場におけるメンタルヘルス対策は、メンタル不調者だけでなく、すべての従業員を対象とし、心の健康の保持増進はもちろん、労災予防などの事業場としてのリスク管理、さらには健康経営といった事業場の発展に繋げていくことが大切です。

心の健康づくり計画

メンタルヘルス対策は、中長期的な視点で継続できるような計画を立てて進めることが重要です。事業者は、衛生委員会等の機会を活用し、従業員の意見をきき、その事業場に適した計画を立てていきましょう。

事業場によっては、「心の健康づくり計画」が独立しておらず、「安全衛生計画」の一部として設けられている場合もあります。その場合も、以下の7つの内容が盛り込まれていることがポイントです。

① 事業者がメンタルヘルスケアを積極的に推進する旨の表明に関すること
② 事業場における心の健康づくりの体制の整備に関すること
③ 事業場における問題点の把握およびメンタルヘルスケアの実施に関すること
④ メンタルヘルスケアを行うために必要な人材の確保および事業場外資源の活用に関すること
⑤ 労働者の健康情報の保護に関すること
⑥ 心の健康づくり計画の実施状況の評価および計画の見直しに関すること
⑦ その他労働者の心の健康づくりに必要な措置に関すること
なお、「心の健康づくり計画」において、ストレスチェック制度の位置づけは明確にしておく必要があります。

メンタルヘルス対策における産業看護職の役割

産業看護職は、事業場内の健康づくりにおいて重要な役割を担っています。
個人だけでなく、集団や事業場全体にも働きかけることが求められるため、事業場の課題やニーズを把握し、それに沿った支援を実施する必要があります。

メンタルヘルス対策において、疾病という概念を超えてより健康で充実した仕事ができるような支援や組織作りを実施することが大切です。

▼もっと詳しく知りたい方はこちら▼



2.感情労働~支援者にも適切な心理的ケアを

感情労働とは、A・Rホックシールドが提唱した言葉で、他者の心理的状態や感情を特別な状態に導くために、自分の感情を誘発または抑制する労働のことです。看護師、介護士、カウンセラーなど、さまざまな職種がこれに該当します。

感情労働者は、日々様々な状況に直面し、自己の感情を制御しながら相手と向き合う必要があります。

感情労働の対応で多いケース

  • クレーム対応:クライアントや患者からの攻撃的な言動に対処する場面で、感情を抑制しながら冷静な対応を取る必要があります。
  • 心理的応急処置:事故や災害で大きな心理的衝撃を受けた人をサポートする場合に、感情に共感しつづける必要があります。
  • 危機介入:自傷他害のリスクが高いクライアントの危機介入に際し、冷静な対応が求められます。 これらの状況では、感情労働者は自身の感情を抑制しながら、相手のニーズに応えることが求められます。しかし、このような状況下で働くことは精神的に負担がかかることがあります。

支援者の心理的ケアの重要性

感情労働者が日々の業務で疲労を感じることは避けられません。そのため、適切な心理的ケアが必要です。

  • スーパーバイズの実施:外部の専門家や先輩カウンセラーとの定期的な相談やケース検討を通じて、自身の視野を広げ、感情的に巻き込まれにくくする取り組みを行います。
  • 小グループの従弟制度:ベテランと若手カウンセラーが小グループを形成し、気軽に感情を吐露できる環境を提供します。
  • ちょっとしたことを話せる相談先の確保:自分の中に抑え込んだ感情を外に出せる相談先を確保します。
  • 専門職としての「ねばならない」という思考に気づく:過度の責任感や義務感からくる「ねばならない」思考に気づき、自身の状態を客観的に見つめ直すことが大切です。


▼もっと詳しく知りたい方はこちら▼



3.押さえておきたいメンタルヘルスの基礎知識

職場のメンタルヘルス対策は、従業員がいきいきと働ける環境を作るだけでなく、職場の活性化や生産性の向上を実現するために重要です。しかし、専門職でない方がメンタルヘルス対策の担当者になると、さまざまな専門用語を耳にする機会も増え、どんなことをすれば良いか分からないことがあるかもしれません。

働き盛りの世代に多い高ストレス者

当社データによると、働き盛りの世代に高ストレス者が多くなっています。メンバーの育成やラインケアといった組織マネジメント業務の中心的存在になることに加え、プライベートでも変化や問題が発生しやすく、それがストレスに影響すると考えられます。

もし、メンタル不調となってしまうと企業の生産性にも大きな影響が出てしまうため、メンタルヘルス不調の未然予防(一次予防)から取り組むことが重要です。

メンタルヘルス対策を知る5つのキーワード

メンタルヘルス対策を担当すると、様ざまな専門用語を耳にする機会が増えます。
ガイドブック「新任担当者が押さえておきたい メンタルヘルス対策の基礎知識」では、メンタルヘルス対策の新任担当者の方に向けて、対策の実施に欠かせない下記5つのキーワードや重要ポイントについてご紹介しています。

  • 心の健康づくり計画
  • 一次予防・二次予防・三次予防
  • 4つのケア
  • EAP
  • 復職支援・リワーク

新年度に向けて、メンタルヘルス対策の新任担当者になられる方や、メンタルヘルス対策に必要な取り組みを再確認したい方にも、おすすめの内容となっております。ぜひご活用ください。


▼ガイドブックはこちらからダウンロード▼




アドバンテッジお役立ちサービス


コメントする