EAP（従業員支援プログラム）とは？メンタルヘルス対策への効果や導入メリットを解説
現代社会では、多くの人がストレスやメンタルヘルスの問題を抱えています。個人の問題として片付けられがちだったメンタルヘルスですが、近年では企業もそのケアに積極的に取り組むようになってきました。その中で注目されているのがEAP（従業員支援プログラム）です。本記事では、EAPの重要性や具体的な支援内容、導入メリットについて詳しく解説します。
CONTENTS
1.EAP（従業員支援プログラム）とは？
2.EAP導入のメリット
3.EAPの具体的な内容
4.EAP導入のポイント
5.EAPの生産性向上
6.まとめ
1.EAP（従業員支援プログラム）とは？
EAPとは、従業員のメンタルヘルスや職場のハラスメント、身体的不調、家庭や経済的な問題など幅広い相談に対応し、解決を支援するプログラムです。日本EAP協会によれば、EAPは職場の生産性向上を目指し、従業員の個人的な問題を解決するためのサポートを提供します。1960年代にアメリカでアルコールや薬物依存のケアを目的に発展し、日本では心身の健康維持と業務パフォーマンス向上を目的に導入されています。
EAPの重要性
厚生労働省の調査では、働く人の82.2％が強い不安やストレスを感じていると報告されています。ストレスを放置すると、心身の不調から疾病の発症や長期欠勤、離職につながる可能性があります。従来は個人の問題として扱われていたメンタルヘルスの問題も、今では企業のリスクマネジメントの一環として捉えられ、EAPがその解決策として注目されています。
EAPの分類
EAPには「内部EAP」と「外部EAP」があります。
内部EAP：企業内に専門家を常駐させる方法。社内事情をよく理解しているため、企業に合ったケア体制を整えられますが、担当者の負担が増えたり、コストがかさむデメリットもあります。
外部EAP：外部の専門機関に委託する方法。従業員は外部の専門家に相談できるため、プライバシーが守られやすく、企業にとってはコストを抑えやすいメリットがあります。
2.EAP導入のメリット
EAPの導入には以下のメリットがあります。
メンタルヘルス問題によるリスクの低減
・プレゼンティーイズム（心身不調を抱えたまま働く）による集中力や生産性の低下
・ケアレスミスや労働災害の増加
・欠勤や早退の増加、心の病気による休職・離職のリスク
健康経営の加速
・企業のメンタルヘルス課題を可視化し、改善策を立案・実行できる
・従業員の健康を支援することで、生産性の向上や企業イメージの向上に繋がる
3.EAPの具体的な内容
EAPの支援内容には以下のものがあります。
ストレスチェック・メンタルヘルスチェック
・ストレスチェック体制の構築や実施後のフォロー、データ活用をサポート
・メンタル不調の早期発見と職場環境の改善を目的に実施される
メンタルヘルス研修
・ストレスマネジメントやメンタルヘルスケアに関する教育や研修を提供
・従業員の理解を深め、企業全体のメンタルヘルス意識を向上させる
カウンセリング・相談窓口
・対面やオンライン、電話、メールなどでの相談窓口を提供
・メンタル不調の未然防止や早期対応、再発防止に役立つ
4.EAP導入のポイント
EAPを効果的に導入するためには以下のポイントを押さえましょう。
導入目的・評価指標の設定
・EAPの目的を明確にし、効果を測定するための指標を事前に決めておく
自社のニーズに合ったサービス選び
・自社の課題や目的にマッチするプログラムを選定し、従業員の利用率を高める
従業員への周知
・メンタルヘルス問題が特別なものではなく、誰にでも起こり得るものと周知する
・経営層から直接伝えることで、従業員の理解を深める
専門家の存在
・臨床心理士や産業カウンセラーなどの専門家がいるか確認し、医療機関との連携が取れる体制を整える
5.EAPの生産性向上
EAPは従業員が職場や家庭での悩みを相談する場を提供し、生産性の向上にも寄与します。職場環境の改善やメンタルケアが進むことで、従業員の能力を最大限に発揮でき、長期欠勤や離職の防止にも繋がります。
6.まとめ
EAPは、従業員のメンタルヘルス対策や職場での問題解決を支援する重要なプログラムです。企業にとっては、メンタルヘルス対策を進めることでリスクを低減し、生産性や企業イメージの向上を図ることができます。EAPの導入は、企業の持続的な発展に不可欠な施策と言えるでしょう。
出典
アドバンテッジJOURNAL
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