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ハイリスク事例の対応:産業医が直面する困難ケースとその対策(病院の受診を拒否する事例)

産業医の慎重な対応すべき「ハイリスクな事例」があります。これは、企業の安全配慮義務違反や訴訟リスクに関わるケース、メンタルヘルス不調やアルコール依存症、統合失調症などの介入が難しいケースなどを指します。産業医の対応が企業や社員のリスクに直結するため、慎重な判断が必要です。

本記事では、特に「病院の受診を勧奨したが、従業員が受診を拒む場面」に関連する、産業医が直面するいくつかのハイリスクな事例を取り上げ、それぞれの対応策について解説していきます。


難波克行先生(アズビル株式会社統括産業医/労働衛生コンサルタント/メンタルヘルスおよび休復職分野で多くの著書や専門誌を執筆)


<目次>

1. 健康診断の結果、精密検査の受診を拒む事例
2. がん検診の精密検査を拒む事例
3. メンタルヘルス不調について受診を拒む場合
4. 全体のまとめ


1.健康診断の結果、精密検査の受診を拒む事例

■事例の紹介

健康診断で血圧170/100 mmHgの従業員がいたため、産業医として受診を勧めましたが「仕事が忙しくてまだ受診できていない」と先延ばしにされました。面談を設定してもキャンセルや無断欠席が続き、受診を促しても「まあ、大丈夫ですから」と流されてしまいます。

このような事例について、産業医としては、企業、従業員、自身のそれぞれのリスク管理のために、どのようなことを考慮して対応しなければならないでしょうか。

■企業の安全配慮義務と健康診断の事後措置の重要性

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■執筆


難波 克行 先生(産業医、労働衛生コンサルタント)

アドバンテッジリスクマネジメント 健康経営事業本部顧問
アズビル株式会社 統括産業医

メンタルヘルスおよび休復職分野で多くの著書や専門誌を執筆。YouTubeチャンネルで産業保健に関わる動画を配信。

代表書籍
『職場のメンタルヘルス入門』
『職場のメンタルヘルス不調:困難事例への対応力がぐんぐん上がるSOAP記録術』
『産業保健スタッフのための実践! 「誰でもリーダーシップ」』

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