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カスタマーハラスメントとは?定義や企業の対策方法、関連法令を解説

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは、カスタマー(顧客)による理不尽なクレーム、不当な要求、従業員に対する嫌がらせなどの迷惑行為を指す言葉です。パワハラをはじめとした各種ハラスメントが問題視されるようになり、ハラスメント対策の重要性が認知されつつある中でも、カスハラの相談件数は増加傾向にあり、被害防止への取り組みは急務と言えるでしょう。

今回は、カスハラの定義や現状、関連法規を踏まえた上で、企業が取り組むべき対策について解説します。

CONTENTS


1.カスタマーハラスメントとは
2.企業がすべきこと
3.まとめ


1.カスタマーハラスメントとは

■カスタマーハラスメントの定義と具体例

カスハラは、顧客からの不当なクレームや無理な要求が、従業員の働く環境を害する行為を指します。具体的な例としては、従業員を怒鳴りつける、土下座を強要する、長時間のクレーム電話を繰り返すなどが挙げられます。これらは正当なクレームとは異なり、従業員の安全と健康を脅かすものであり、企業にとっても無視できない問題です。

■カスタマーハラスメントの増加と背景

カスハラが増加している要因として、顧客至上主義の弊害や顧客の発信力の増大が挙げられます。特に、高度経済成長期から続く「お客様は神様」という価値観が、顧客に過剰な期待を抱かせ、従業員に対する過剰な要求やハラスメントにつながるケースが増えています。また、SNSの普及により、顧客が簡単に匿名でクレームを発信できる環境が整ったことも、カスハラの増加に拍車をかけています。

■企業に与える被害とリスク

カスハラが企業に与える影響は深刻です。従業員がカスハラによるストレスで離職や休職に追い込まれることは、企業にとって大きな損失となります。また、カスハラを放置することで企業のイメージが悪化し、業績にも悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、企業が従業員を適切に保護できない場合、安全配慮義務を怠ったとして損害賠償請求を受けるリスクも存在します。

2.企業がすべきこと

■企業が取るべきカスハラ対策

企業がカスハラに対応するためには、まず企業全体での方針を明確にし、それを従業員に周知することが重要です。また、具体的なカスハラ対策マニュアルの作成や、従業員向けの研修を通じて、従業員一人ひとりが適切に対応できるようにすることも不可欠です。さらに、カスハラに対応した従業員のメンタルサポートとして、専門家によるカウンセリングサービスを提供することも考慮すべきです。


■カスタマーハラスメントに関する法律

企業がカスハラ対策に取り組む際には、労働契約法による安全配慮義務や、パワハラ防止法によるカスハラ対策の義務を遵守することが求められます。これらの法律は、従業員の安全と健康を守るために企業に課せられた重要な責務であり、カスハラに対する適切な対応が求められます。

■カスハラ発生時の適切な対応

カスハラが実際に発生した際には、企業内で定められたフローに従い、速やかに対応することが求められます。特に、カスハラ行為者への対応は慎重に行う必要があり、一人での対応は避け、適切な責任者への情報共有が重要です。また、被害を受けた従業員へのメンタルケアも忘れてはなりません。

3.まとめ

カスタマーハラスメントは、企業と従業員に深刻な影響を及ぼす問題です。企業は、カスハラに対する適切な対策を講じることで、従業員を守り、健全な労働環境を維持することが求められます。また、顧客との関係を適切に管理し、トラブルを未然に防ぐための取り組みも不可欠です。企業としての責務を果たし、カスハラに毅然と対応することが、長期的な企業の成長につながるでしょう。

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出典

アドバンテッジJOURNAL
カスタマーハラスメントとは?定義や企業の対策方法、関連法令を解説

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