職場のメンタルヘルス対策で重視されている取り組みとは?産業保健スタッフの投票結果から
はじめに
職場のメンタルヘルス対策は、近年ますます重要性を増しています。
特に産業保健スタッフにとっては、限られたリソースの中で「どこに重点を置くべきか」を判断することが重要です。
今回、さんぽLABでは産業保健スタッフを対象に「職場のメンタルヘルス対策で最も力を入れている取り組みはどれですか?」という投票を実施しました。その結果から、現場で注目されている施策や今後の改善ポイントを探っていきます。
投票結果(概要)
期間:2025年8月9日〜15日
投票数:23件
結果:
- メンタル不調者の復職支援フロー整備 30%
- 産業医・保健師・人事の連携強化 22%
- セルフケア・ラインケア研修の実施 17%
- ストレスチェック後の面談体制強化 4%
- その他 4%
- 特に取り組めていない 22%

各項目別の傾向と取り組みのポイント
メンタル不調者の復職支援フロー整備(30%)
最多得票のテーマです。
復職支援は、再発防止と定着率向上に直結します。
休職〜職場復帰の流れをあらかじめ明文化し、全関係者が同じ方向に向かって連携することが重要です。
取り組みのポイント:
- 復職可否の判断基準を明確に
- 職場復帰プランの作成と定期フォロー

産業医・保健師・人事の連携強化(22%)
2位にランクインしたのは組織内の関係者連携。
産業医や保健師がメンタル不調者の情報を適切に共有し、復職支援や職場環境改善につなげるには、人事部門との信頼関係が欠かせません。
取り組みのポイント:
- 定例ミーティングでのケース共有
- 情報共有フォーマットの統一

セルフケア・ラインケア研修の実施(17%)
研修は一次予防の柱ですが、票数はやや控えめでした。
多忙な現場では研修日程の確保が難しいため、オンラインやオンデマンド型を活用する企業が増えています。
取り組みのポイント:
- 新入社員研修や管理職研修にメンタルケアを組み込み
- 年1回以上の定期実施で効果を維持

ストレスチェック後の面談体制強化(4%)
票数は少ないものの、ストレスチェック後の面談は一次予防と二次予防をつなぐ重要な役割を果たします。
少数派になった背景としては、法定実施義務があるストレスチェック自体は行っているが、その後の面談まで手が回らない事業所が多い可能性があります。
取り組みのポイント:
- 面談対象者の基準を明確化
- 面談の予約・記録をデジタル化して効率化

特に取り組めていない(22%)
約4分の1の事業所が「特に取り組めていない」と回答。
背景としては、人員不足・予算不足・優先度の低さなどが考えられます。
小さく始められる施策例:
- 産業医や保健師によるミニセミナー
- メンタルヘルスに関する社内メール配信

投票結果から見える傾向と今後の展望
今回の投票から、復職支援や組織内連携といった二次予防・三次予防の取り組みが注目されている一方、一次予防(セルフケア・ラインケア研修やストレスチェック後の対応)が十分に進んでいない現状も浮かび上がりました。
産業保健スタッフとしては、全予防段階をバランスよく整備することが理想です。そのためには、小規模から始められる施策を計画的に導入し、組織内の理解と協力を得ることが欠かせません。
まとめ
- 復職支援フロー整備が最も注目されている(30%)
- 連携強化や研修は重要だが実施率はまだ十分でない
- 一次予防〜三次予防をバランスよく整備する必要がある
自社の取り組みを見直す際は、ぜひ今回の投票結果を参考にしてください。
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