はじめての面談で何を聞く?信頼関係を築くコツは?
産業保健師は高ストレス者への健康相談や保健指導など様々な面談の機会があると思います。なかでも初回面談でのコミュニケーションは、その後の相談のしやすさや情報の引き出しやすさに大きく影響するため、今後の支援を進めるうえでとても大切です。
ここでは、はじめての面談でどのように信頼関係を育てていくかをFAQ形式で解説します。
Q1. 初回面談で意識することは?
相手が「ここでは安心して話せる」と感じられる雰囲気づくりが大切です。 面談の最初には、来ていただいたことへのお礼を伝えましょう。表情や声のトーン、うなずきといった基本的なコミュニケーションを意識することで、信頼関係を築きやすくなります。さらに、面談の目的や終了時間を最初に伝え、秘密保持についても明確にしておくと、相手も安心して話しやすくなります。
Q2. 信頼関係を築くために意識すべき「聴き方」とは?
相手の話を遮らず、相づちやうなずきで関心を示すことで「しっかり聞いています」という姿勢が伝わります。 質問は「はい/いいえ」で終わらないオープンクエスチョンを活用し、相手が気持ちや状況を自由に話せるようにしましょう。 また、「それは間違っています」といった評価や判断をすぐにせず、「そうなんですね」「教えてくれてありがとうございます」と肯定的に受け止める姿勢が重要です。

Q3. 面談が硬い雰囲気になったときのほぐし方は?
天気や最近の出来事、軽い世間話から入ると場が和みます。 健康や仕事に直結しない話題を挟むことで、緊張がやわらぎ、相手の表情も自然になります。 「安心して話せる場」と感じてもらうことが、面談の質を高めるポイントです。
Q4. 業務への影響をどう聞き出せば負担にならない?
「どんな業務が一番大変に感じますか?」など、負担や困難を本人の主観で話せる聞き方が有効です。 直接「仕事に支障がありますか?」と尋ねるよりも、日々の業務フローや働き方について具体的に聞いた方が答えやすく、必要な情報が得られやすくなります。 答えやすい質問を意識して設計することがポイントです。
Q5. 継続支援の糸口を見つけるための質問例は?
「次に会うときまでにどんなことができたら良いと思いますか?」
「どんなサポートがあれば安心できますか?」
こうした未来志向の質問は、本人の希望やニーズを引き出し、次回以降の支援計画に直結します。 支援を“ともにつくる”姿勢を見せましょう。
まとめ
初回面談は、情報収集と信頼構築を同時に行う重要な機会です。 安心して話せる雰囲気づくり、負担の少ない聞き方、未来志向の質問を組み合わせることで、本人の自己開示を促しやすくなります。産業保健師は「聞くプロ」を意識して、面談の場を安全で建設的な時間にしましょう。
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