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睡眠へのアプローチ~睡眠障害による影響、健康な睡眠のためにできること

睡眠は、健康増進・維持に不可欠な休養活動であり、良い睡眠をとることは、疾病予防だけでなく、生活を豊かにするために非常に重要です。また、睡眠不足は集中力や注意力を低下させ、作業効率の悪化を招き、重大な事故に繋がることがあります。
睡眠障害と生産性、パフォーマンスの低下は大きく影響していることがわかってきており、企業による睡眠課題への介入も注目されています。今回は、睡眠アプローチについてご紹介いたします。




【目次】
1.睡眠とワーク・ライフ・バランスの向上
2.睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
3.不眠~健康な睡眠のためのセルフチェック


1.睡眠とワーク・ライフ・バランスの向上

睡眠不足や睡眠障害における健康リスクが明らかになっている一方で、わが国において、1日平均睡眠時間が6時間未満の割合は約4割と言われており、睡眠は重要な健康課題であると注目されています。

睡眠がワーク・ライフ・バランスに与える影響

良い睡眠とは、睡眠の量(睡眠時間)と睡眠の質(睡眠休息感)が充足されることで担保されますが、不適切な生活習慣や睡眠環境、嗜好品などのとり方で睡眠不足や睡眠障害が発症し、良い睡眠は損なわれてしまいます。
その結果、仕事のみでなく生活へも影響を及ぼすとされ、充実した仕事や生活(ワーク・ライフ・バランス)に支障を及ぼします。
具体的に次の5つが挙げられます。

  • 業務への支障
  • 意欲低下
  • メンタルヘルス不調
  • 身体的な不調
  • ソーシャルジェットラグ(社会的時差ぼけ)

従業員の睡眠障害を予防し、ワーク・ライフ・バランスを充実させていくことは、従業員の健康はもちろん組織の活性化にも繋がります。



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2.睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気のことです。​Sleep Apnea Syndromeの頭文字をとり「SAS(サス)」とも呼ばれます。​

SASの原因やメカニズム

睡眠中に呼吸が止まってしまう理由は大きく2つあります。
一つが空気の通り道である上気道が物理的に狭くなり、呼吸が止まってしまう閉塞性睡眠時無呼吸です。
もう一つが、脳にある呼吸中枢の異常により無呼吸となる中枢性睡眠時無呼吸です。
SASには、肥満に伴う脂肪量の増加や舌根沈下(舌の根元がのどの方向に沈む状態)などにより気道が狭くなることが影響しています。

SASの主な症状

  • 寝ている間の症状:呼吸が止まる、息苦しさを感じる、何度も目が覚める
  • 起きているときの症状:強い眠気、だるさ、倦怠感、集中力が続かない

SASによって生じる日中の眠気は、判断力や集中力、作業効率の低下を招きます。SASや睡眠障害によって生じる経済的損失は数兆円に上るとの試算もあり、事故のリスクを大幅に高めることが確認されています。

SASの予防法

適切な治療を受けることはもちろんですが、SASに対して、個人でできる予防策もあります。
- 適正体重の維持
- 禁煙、節酒
- 鼻炎症状の改善
- 寝る姿勢の工夫



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3.不眠~健康な睡眠のためのセルフチェック

不眠症とは、その名の通り「睡眠が十分にとれなくなった状態」を指します。
細かく分類するといくつかのタイプがあり、主には「寝つけない(入眠困難)」「夜中によく目が覚める(中途覚醒)」「熟睡できない(熟眠困難)」「早朝に目が覚める(早朝覚醒)」といった症状があります。

適切な睡眠をとることは心身の健康を守るために必要であり、特に中途覚醒や早朝覚醒はメンタル不調の初期症状の可能性が高く注意が必要です。

不眠症のセルフチェック

アテネ不眠尺度は、世界保健機構(WHO)が中心となり設立したプロジェクトにおいて「不眠症の度合いを判定するため」に作成した、世界共通で使われている不眠判定法の一つです。
下記8つの質問に回答し、数値化することで不眠の程度を測定します。

①寝床についてから実際に寝るまで、時間がかかりましたか?
②夜間、睡眠の途中で目が覚めましたか?
③希望する起床時刻より早く目覚めて、それ以降、眠れないことはありましたか?
④夜の眠りや昼寝も合わせて、睡眠時間は足りていましたか?
⑤全体的な睡眠の質について、どう感じていますか?
⑥日中の気分は、いかがでしたか?
⑦日中の身体的および精神的な活動の状態は、いかがでしたか?
⑧日中の眠気はありましたか?

快眠はストレス解消や健康維持に影響を与え、生産性パフォーマンスの向上につながります。セルフケアの一つとして、睡眠状態を定期的に確認することで、睡眠リテラシーを高めていきましょう。



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