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メンタルヘルス対応の困ったにカウンセラーが回答!

先日開催した『ARMのカウンセラーがメンタル対応の困ったに答える!』では、会員の皆様からいただいたお困りごとを募集、カウンセラーが回答することで「現場のリアル」が詰まったウェビナーとなりました。ウェビナー後のアンケートでも「講師に聞いてみたいこと」をいただきましたので、本記事にて回答させていただきます。

質問一覧

1.昼夜逆転傾向を予防しながら療養するための工夫について
2.守秘義務を上司に共有することについて
3.大人の発達障害への対応方法について
4.攻撃的な発言をする人の対応方法について
5.認知が影響してメンタル不調になった方へのフォローについて

1.昼夜逆転傾向を予防しながら療養するための工夫について

睡眠リズムに課題のある若い方と面談する事が増えました。 在宅勤務で昼夜逆転傾向を予防しながら療養していただくための工夫を教えて下さい。

回答

在宅勤務の場合、行動量が減り、体は疲れずに脳が疲労している可能性があります。また深夜まで起きていても、翌朝の仕事開始ギリギリの時間まで眠ることが可能なため、夜更かしをしてしまって、睡眠リズムが崩れやすいのかもしれません。
睡眠リズムを整えるためには、起床の時間をいつもより少し早めに設定し、起床後は、カーテンを開けて日を浴びたり、空気の入れ替えをなさったりすることが大切です。早く起きると日中眠くなるかもしれませんが、昼寝などはせずに適切な時間に就寝するサイクルを作ることが重要です。また、就寝時間が遅くなっても起床時間を後ろ倒しにしないことも意識するようにしましょう。
なお、眠る前の1~2時間はスマホやPCなどの電子機器をなるべく見ないことが良質の睡眠のために推奨されています。特に寝室にスマホを持ち込むとつい寝床で見続ける人が多いので、就寝時の充電は別室にするなどの対策も取り入れてみましょう。身体を使って自然に眠れるように、適切な運動を心掛けるのも大事ですね。

■役立つコンテンツ

リーフレット『睡眠』

2.守秘義務を上司に共有することについて

守秘義務について、どのような内容を話したのか上司が知りたいと言うケースがあります。その際本人の了承があれば共有することは可能でしょうか。

回答

ご本人が了承されているのであれば、問題ないと思います。ご本人には「上司に報告する機会があるのですが、特に言っておいてほしいことはありますか」等と問いかけておくと、ご本人目線での「伝えてほしいこと、伝えてほしくないこと」を確認することができます。
なお、当センターでは報告の了承を得る場合、口頭だけではなく書面で同意書を取得しております。

3.大人の発達障害への対応方法について

大人の発達障害への対応方法について、周りがやり方をまとめた表を作ったり、業務をフォローしていく中で本人が疲弊してしまうパターンが多く見受けられます。この場合どのような対応例がありますでしょうか?

回答

その方の特性にもよるため一概には言えないのですが、型にはまったルーチン業務の方がやりやすい方が多いようです。例えば業務を型化するところまでは周囲が手伝い、その後はご本人が自分でアップデートをするなどと、ご自分で業務を回すための仕組みづくりを進めていきましょう。
また、ご本人が得意な事を積極的にやっていただくことも重要かと思います。ご本人ができていることを適切にフィードバックして、自信を持っていただくことも意識するようにしましょう。

■役立つコンテンツ

講和資料『発達障害』

4.攻撃的な発言をする人の対応方法について

休職を繰り返している方で、組織に対する不満を攻撃的に発言してくる方への対応に苦慮しています。死を仄めかすようなことも言いますが、人によって態度を変え、計算しているようなところも見えます。対応のヒントがありましたら、ご教示ください。

回答

ご本人の感情に巻き込まれないことが大事かと思いました。組織に対する不満は聞きつつ、仕事は仕事ですので、ご本人がどう対応していきたいかなどとポジティブな方向で聞いてみるのはいかがでしょうか。本当に死にたいくらいの症状の場合は、医療機関の受診が必要である旨をお伝えして、医療機関につなげることも重要ですし、チームで方針を決め、統一した対応を取ることもご検討ください。

5.認知が影響してメンタル不調になった方へのフォローについて

職場のメンタル不調者のうち、業務や人間関係の問題ではなく、自身の認知の問題が大きい方がいらっしゃいます。再発防止のために認知の部分を変える必要があると思いますが、内省するよう促すにはどのようにアプローチしたら良いでしょうか。

回答

ご自分の中に起きていることは、自分で気づきにくいことがあります。特にネガティブなことですと様々な思いや感情が合わさって、直面化できずに回避したり、情報が多すぎて整理ができなかったりすることもあります。
例えば思っていることをそのまま紙面に書き出したり、PCで打ち込んでみたり、あるいは信頼できる人に話をすることで、自分の思いや感情から少し距離ができるので、整理がしやすくなります。ご本人のやりやすい方法でトライしていただくと、内省を促すきっかけになるかと思います。

■関連サービス

訪問カウンセリングサービス

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1 件の返信 (新着順)
ENO
2024/07/04 15:16

攻撃的な発言をする人の対応について、相談されることもあり、自分自身も対応に悩まされています。
「感情に巻き込まれない」「ポジティブな方向で聞く」
なるほど、と思いました。
攻撃的な発言をする人と、関わりたくないと思ってしまうのは、「感情に巻き込まれている」からなのだと思いました。


なおみ様
コメントいただき、ありがとうございます。
こちらの記事が参考になったようで大変嬉しく思います。
これからも現場で活躍されていらっしゃる皆様へ役立つコンテンツを配信したいと考えておりますので応援頂けますと幸いです。