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EAPカウンセリングとは?産業保健スタッフが知るべき育休中・復帰後のメンタルサポートポイント

EAP(従業員支援プログラム)は、職場のメンタルヘルスだけでなく、プライベートやキャリアに関わる幅広い悩みを支援する重要な仕組みです。特に育休取得前後の従業員は、キャリアや人間関係、育児ストレスなど多様な課題を抱えやすく、産業保健スタッフによる適切なサポートが求められます。本記事では、EAPカウンセリングの特徴と育休にまつわる具体的な相談事例を解説し、産業保健現場での活用ポイントをまとめます。


1. EAPカウンセリングの概要と相談内容の特徴

EAPは従業員のメンタルヘルスをはじめ、仕事・家庭・キャリアに関する様々な課題解決を目的とした支援プログラムです。カウンセリングはその中核的なサービスで、メンタル不調だけでなく、職場ストレスやプライベートの問題まで幅広く対応しています。実際に相談のうち約16%はプライベートに関する内容で、生産性にも影響が大きい点が特徴です。

2. 育休取得前の相談内容と支援のポイント

育休取得時には「キャリアが分断される不安」や「育休取得を言い出しにくい職場の人間関係」などの悩みが多く寄せられます。カウンセリングではキャリアの棚卸しや復帰後の計画立案、育休取得の心理的ハードルを下げるためのコミュニケーション支援を行います。産業保健スタッフは相談者の視点を中長期的に整理することが重要です。

3. 育休中のメンタルヘルス支援事例

育休中は子どもの夜泣きや特性、社会との隔絶感、パートナーとの関係悪化など多様な悩みが出てきます。カウンセリングでは感情の吐き出しや情報提供、セルフケアの促進を通じてストレス緩和を図ります。夫婦関係の問題には相手の立場理解を促し、対話やパートナーへの頼り方の支援を行うことも重要です。

4. 育休復帰時・復帰後の不安と支援策

復帰にあたっては「仕事と育児の両立不安」や「周囲に迷惑をかける懸念」、「親としての自己否定感」などが課題です。カウンセリングでは不安が自然なものであることを認識させ、具体的な対処法をともに考えます。また、「完璧主義」による自己批判を和らげるため、自身の考え方の癖を見直す支援も行います。

5. 産業保健スタッフが押さえるべきEAP活用の意義

育休は「夫・妻」から「父親・母親」という新たな役割を担う大きなライフイベントです。育休中の社会的孤立や育児ストレスは今後も課題となるため、在宅でも利用可能なEAPカウンセリングの活用は不可欠です。産業保健スタッフは相談窓口として情報提供や利用促進を積極的に行い、従業員の心理的安全を支える役割を果たしましょう。

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出典

アドバンテッジJOURNAL
育児休業時期に寄せられるご相談とカウンセリングでの支援について

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