さんぽLAB

記事

テレワーク下のコミュニケーション課題に対応するために――産業保健スタッフが押さえるべきポイントとは

テレワークの普及により、職場におけるコミュニケーションのあり方が大きく変化しました。産業保健スタッフは、社員のメンタルヘルスや職場環境を支える立場として、リーダー層への働きかけや組織内での配慮に目を配ることが重要です。チャットやオンラインミーティングの活用、上司の声かけ、孤立感の予防など、テレワーク環境に適応するための工夫を、この記事で整理します。


1. チャットツールの活用と配慮

テレワークでは、メールよりも気軽に使えるチャットツールが重要なコミュニケーション手段になります。グループチャットを通じて困りごとを共有すれば、誰かがすぐに反応でき、ノウハウの蓄積にもつながります。ただし、誰も反応しない状況は心理的ダメージを与えるため、最低1人は返信する仕組みを設けることが大切です。宛名なしで発信することが無視やハラスメントと受け取られないよう、発言ルールの明確化も求められます。

2. 孤立感を防ぐためのビジョン共有と役割の明確化

テレワーク下では、従業員が会社の方向性に不安を感じやすくなります。管理職から企業ビジョンや期待を映像や文章で発信し、浸透させることが重要です。また、業務の進捗が見えにくくなるため、役割・成果・期限を明確に伝え、定期的に進捗を確認する体制づくりが求められます。業務内容が変動する場合は、その都度説明を行いましょう。

3. 相手の心情に寄り添う声かけ

感染症への不安や環境の違いにより、テレワークには個人差が生まれます。成果を出した従業員には「労い」や「感謝」を伝えるとともに、それぞれの置かれた状況への共感や理解を示す声かけが必要です。心身の状態に配慮しつつ、一人ひとりに寄り添う姿勢が信頼関係の構築につながります。

4. 毎日のオンラインミーティングで関係性を強化

短時間の定期ミーティング(朝・昼・夕など)を導入すると、情報共有・ナレッジ共有・孤立感の緩和に効果があります。発言の機会を全員に設けることで、一体感やチームワークも向上します。発言内容は業務に限らず、体調やプライベートな話題も交えることで、リフレッシュや生産性の向上につながります。

5. オンライン会議時のカメラ使用マナー

カメラの使い方も信頼関係構築に影響します。カメラ目線を意識し、カメラの高さを目の高さに合わせることで、自信や誠実さを相手に伝えられます。また、オンラインではジェスチャーをやや大きめにするなど、非言語情報を効果的に伝える工夫も重要です。

6.まとめ

産業保健スタッフとして、テレワーク下のコミュニケーション課題に向き合うことは、社員のメンタルヘルスや生産性に直結します。管理職やチームメンバーが適切にツールを活用し、心理的安全性を保つためのサポートや啓発を行うことが、企業全体の健全な運営につながるでしょう。

もっと詳しく知りたい方はこちら

出典

アドバンテッジJOURNAL
コロナ禍のテレワークで意識したいコミュニケーションとは  ~「サイレントうつ」状態の予防にも~

ハッシュタグを押下して関連ページを検索↓

コメントする