②戦略マップとデータ活用【健康経営データ活用セミナー】
戦略マップの作成とデータ活用のポイントを解説!
1月25日に健康経営データ活用セミナー~戦略マップ活用・データを加味した戦略の立て方とPDCAサイクルとの連動~(録画配信)を開催いたしました。
主テーマが『健康経営のデータ活用』ということで、かなり実践的な内容でした。本記事では、一部の内容についてご紹介できればと思います。
セミナーの内容について
今回のセミナーは以下4つのポイントで構成されていました。
1.健康経営で必要な情報は
2.戦略マップの作成とデータの紐づけ
3.戦略マップとPDCAとの連動
4.健康課題解決に向けたアプローチ
今回は2.戦略マップの作成とデータの紐づけで触れた、『戦略マップとは?』『戦略マップの作成する際のポイントとデータの活用方法』の2つをご紹介いたします。
戦略マップとは?
まず、戦略マップの定義・構成要素・作成をする目的について抑えておきましょう。
・定義
従業員等の健康の保持促進活動を効率的に推進していくことを目的とし、加圧同を行う費用とその活動によって得られる効果を認識し、可能な限り客観的に測定、伝達する仕組みのこと。健康投資管理会計の推進に先立って、「健康課題」「期待する効果」「具体的な取組」を整理そ図示したものを戦略マップという。
・構成要素
「健康投資」「健康投資効果(フロー)」「健康資源(ストック)」「企業価値」「社会的価値」の5つの構成要素を、企業等の経営課題・目指すべき姿と結びつけ、一元的に管理される。
・作成をする目的
(1)内部機能:経営者や関係部門等が効果的な経営判断やPDCAサイクルを回すことができる。
(2)外部機能:従業員等、取引先、顧客、当しか、地域社会党の健康の保持・増進に対する活動を適切に行っていることを説明する役割を果たす。
戦略マップを作成する際のポイントとデータの活用方法
1.戦略マップを作成する
戦略マップを作成する際には、まず経営層と対話を行います、経営層が関与すべき理由としては、健康経営で解決したい経営課題に対して、健康投資を行うからです。投資には経営層の目線が必要であるということを抑えておきましょう。
経営層との対話を進めつつ、人事・労務管理部門、健康管理部門に限らず全社的に協力し合い、各種情報を集計することが有効です。
戦略マップを図示していく際には健康投資・健康投資効果・健康経営で解決したい経営課題の3つを抑えて書くようにしましょう。
戦略マップの図示例
※『健康投資施策の取り組み状況に関する指標』『従業員等の意識変容・行動変容に関する指標』の2つはアウトプット。『健康関連の最終的な目標指標』はアウトカムになります。
最初に戦略マップを書く際、この施策が本当に効果があるのか不安に思われる方もいらっしゃいますが、戦略マップは、まず書いてみることが大事です。
書いた後、内容についてチームや産業医と相談しながら作りこんでいきます。
健康経営は経営課題に対する施策や過程を自分たちの言葉で説明できなくてはなりませんので、形式にとらわれずに書き出していくと良いでしょう。
2.データを紐づけて目標指標を具体的かつ定量化する
なぜ、戦略マップにデータを紐づける必要があるのでしょうか。その理由は個別の健康課題に目を向けて、自社として投資すべき領域を特定するためにデータを活用しなければなりません。
「課題を絞ること」「健康投資をして値を改善すること」を可視化するのにデータは必要不可欠です。
特に自社が課題視する「健康関連の最終的な目標指標」を具体的に記載するためにもデータは必要です。
対象となる属性など、詳細までイメージできるものは明確に記載しましょう。
データを用いた課題抽出の例
・若手のメンタル不調による休職者が多い
・長時間労働者の運動習慣者比率の低さと健診有所見率の高さによる将来的な疾患リスクが高い
など
属性を明確に記載ができた後は、目標指標を定量化しましょう。そうすることで健康投資の費用対効果なども見えるようになります。
目標指標の記載例
・最もストレス度の高い職場数を50%削減
・従業員1人当たりのプレゼンティーズム損失額を10%減少
・メンタル休務日数13.5%減少
など
定量化することで、健康経営のPDCAを回すことも可能になります。
本記事では、戦略マップの記載方法とデータの結び付け方についてご紹介いたしました。
次回は戦略マップとPDCAとの連動に関してご紹介できればと思います。
引き続き健康経営に関する情報も発信してまいりますので、よろしくお願いいたします。