キャリアパスとは?キャリアプランとの違いや立てる方法を徹底解説
産業保健スタッフとして、自分の将来像が曖昧でどのように進むべきか迷うことがあるのではないでしょうか?
組織や企業に属している方はキャリアパスを知り、キャリアプランを作成することで将来の目標に向けて意欲的に取り組める可能性が高まります。
キャリアパスとは、企業が従業員に対して提供する、職務や職位に就くための具体的な道筋のこと。
これにより、従業員のモチベーションが向上し、組織に貢献できるだけでなく、転職市場での競争力も高まります。
この記事では、キャリアパスとキャリアプランの違いを明確にし、キャリアパスを立てるための4つのステップを解説します。
<目次>
1.キャリアパスとは
2.キャリアパスを築くメリット3つ
3.キャリアパスを立てるための4ステップ
4.まとめ
1.キャリアパスとは
キャリアパスは、企業や組織側が従業員に対して、企業や組織内で職務や職位に就くための道筋を示したものです。また、その道筋を元に従業員が自身の組織内でのキャリアプランを検討できます。
この章では、キャリアパスの概要を説明し、キャリアパスとよく似た以下の3つの用語との違いについて説明します。
- キャリアプラン
- キャリアマップ
- キャリアステップ
■キャリアパスの概要
キャリアパスは企業が従業員に対して、企業や組織内で職務や職位に就くための道筋を示したものです。
これにより、従業員はキャリアを形成するためにはどのような経験を積み、どのようなスキルを身につけるべきかが分かります。
例えば昇格要件を示す場合に、特定の部門で一定期間の経験を積み、特定の資格を取得することで昇進できるといった内容です。
このように、企業や組織はキャリアパスを提示することで、従業員は将来の目標に向けての道筋が明確になるため、仕事に対して意欲的に取り組めるようになります。
■キャリアプランとの違いとは
キャリアプランは、個人が自分の将来の目標や目標達成計画の作成を表します。
企業内での昇進だけでなく、転職や独立を含む個人の職業人生全体を検討します。
例えば、3年後には企業に属するのではなく、産業医として開業したり産業保健師としてフリーランスで働いたりという選択肢も。
一方キャリアパスは先ほども説明した通り、企業が提供するものであり、特定の企業内での職務や職位に就くための道筋を示します。
繰り返しになりますが、組織や会社内でのキャリア形成の道筋が示されたものが「キャリアパス」、個人が組織や企業以外も含めて自分自身の今後のキャリアを検討するのが「キャリアプラン」です。
■キャリアマップとの違いとは
キャリアマップは、個人が自分のキャリアを図などで視覚的に描くもので、自己分析ツールの1つです。
過去の経験や現在の状況、将来の目標までを網羅的に示します。
今後のキャリアを検討するという目的はキャリアプランと同じです。
しかし、キャリアマップを用いると、自分のキャリア全体を把握し、今自分がどの位置にいて、どのようなスキルが不足しているのかをより明確にできます。
■キャリアステップとの違いとは
キャリアステップは、キャリアアップへの道筋で、キャリアアップするために必要な具体的なステップや行動を明らかにしたものです。
例えば、組織や企業内で昇格を目指す際に、特定のスキルを習得をする、特定の部署を経験するといった1つ1つの項目が挙げられます。
言い換えると、キャリアステップはキャリアパスの一部であり、キャリアパスはキャリアステップを組み合わせた全体的なキャリア形成の指針です。
2.キャリアパスを築くメリット3つ
キャリアパスを築くことで、組織や企業側、個人それぞれに以下の3つのメリットがあります。
- モチベーション向上
- 組織に貢献できる
- 転職市場での競争力が上がる
詳しく説明します。
■モチベーションが向上する
キャリアパスを築くことで、従業員のモチベーションが向上する可能性が高いです。
なぜならキャリアパスが示されることで、従業員は目指す役職や立場に必要な資格やスキルが明確化されるため、目標に向かって主体的に取り組めるからです。
このようにキャリアパスを明確にすることで、従業員は将来の目標と現在の業務のつながりを理解しやすくなり、働く上でのモチベーションが高まります。
■組織に貢献できる
キャリアパス制度は、組織や企業側が組織内での人材配置を最適化するのに役立ちます。
具体的には、従業員のキャリアプランやスキル、経験が可視化されることで、効果的な人材配置が可能になります。
キャリアパス制度によって採用や昇格の要件を明確化し、ミスマッチが防止できます。
従業員は自身のキャリアアップにつながる環境で仕事に取り組めるため、生産性もあがるでしょう。
このように組織だけでなく、従業員にとっても大きなメリットがあります。
■転職市場での競争力が上がる
キャリアパスを通じて得られる経験やスキルは、転職市場での競争力向上にもメリットがあります。
キャリアパスによって明確化される昇進条件や基準は、その組織内だけでなく、転職市場においても個人が自身の強みをアピールする材料になります。
また、キャリアパスが示す具体的なスキルや経験は、他の企業でのキャリアアップにも活かせる可能性が高いです。
企業や組織においても、キャリアパス制度を提示することで、成長意欲の高い人材を引き付けることができ、優秀な人材の獲得に有利になります。
3.キャリアパスを立てるための4ステップ
個人がキャリアパスを立てる場合には、以下の4つのステップが重要です。
①ゴールを決める
②現在の状況を把握する
③計画を立てる
④必要に応じて見直す
各ステップごとに説明します。
①ゴールを決める
キャリアパスを立てる第一歩は、自分のキャリアのゴールを明確にすることです。
これには、役職や立場だけでなく、理想の働き方や将来像も含まれます。
具体的で実現可能な目標を設定することが大切です。
例えば、「5年以内に特定の役職に就く」といった具体的な目標を設定することで、プロセスを具体化しやすくなります。
なお、ゴールは必ずしも出世とは限りません。
②現在の状況を把握する
キャリアのゴールを設定したら、次に現在の状況を把握します。
自己分析による適性の把握や、これまでのスキル、経験、成果の棚卸しを行います。
また、強みや弱みを正しく把握すると、目標達成のための具体的な計画を立てやすくなります。
現状を客観的に把握することで、理想のキャリアを実現するためのギャップを明らかにできるでしょう。
③計画を立てる
現状を把握したら、次は具体的な計画を立てます。
ゴールから逆算して不足している経験やスキルをいつまでにどのように取得するかを明確にします。
一気に計画を立てるのが難しい場合には、中間目標を設定することで、具体的に取るべき行動が見えてきます。
例えば、必要なスキルを習得するための研修やセミナー、資格の取得、社内プロジェクトへの参加が挙げられます。
具体的に、いつまでに何を達成すべきなのかを明らかにしましょう。
④必要に応じて見直す
キャリアパスは一度設定したら終わりではありません。
環境や価値観の変化に応じて定期的に見直すことが重要です。
予定通りに進むこともあれば、予定より早く中間目標やゴールに到達することもあります。
例えば、結婚や子育て、介護などでキャリアパスを大幅に変更しなければならない場合もあります。
キャリアパスは柔軟に修正できるものであり、必要に応じて計画を調整することで、目標に向かって進むことができます。
4.まとめ
キャリアパスは、企業が従業員に対して、組織や企業内で職務や職位に就くための道筋を示したものです。
これにより、従業員は将来の目標に向けて意欲的に取り組むことができ、モチベーションの向上が期待できます。
また、キャリアパスを提示することは、組織や企業、個人の双方にメリットがあります。
具体的には、組織内での人材配置の最適化、組織への貢献、転職市場での競争力の高まりが挙げられます。
キャリアパスを立てるには、以下の4ステップが必要です。
①ゴールを決める
②現在の状況を把握する
③計画を立てる
④必要に応じて見直す
キャリアパスは一度作成したら終わりではなく、状況に応じて修正や再設定が可能です。
キャリアパスを作成することで、個人は自分のキャリアを主体的に形成し、成功を目指すことができます。
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