合理的配慮
1.合理的配慮とは
「合理的配慮」とは、障害のある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応することが求められるものです。
<具体例>
■聴覚障害がある方に対し、音声の文字化ソフトの導入や筆談・PCチャットを用いてコミュニケーションを行う
■脳梗塞の後遺症で麻痺のある方に対し、必要な物品や書類を近くに配置する、必要に応じて机の高さや手すりの設置など環境調整を行う
■発達障害の方に対し、業務指示は内容を明確にして1つずつ行う、聴覚過敏の特性にはコピー機や会議室の近くから比較的静かな席に変更する
■Ⅰ型糖尿病の治療中の方に対し、お昼休憩が遅れずなるべく時間通りに取れるよう、シフトや会議を入れるタイミング、業務内容などに配慮する
など
「過重な負担」があるときでも、障害のある人に、なぜ「過重な負担」があるのか理由を説明し、別のやり方を提案することも含め、話し合い、理解を得るよう努めることが大切です。
<具体例>
■加齢に伴う難聴のためコールセンター業務をやりたくないと主張する従業員に対し、お客様対応や周囲とのコミュニケーションで支障が出ていないか本人からヒアリングを行い、今すぐの異動は難しいためしばらく補聴器を用いて様子を見る事を提案。
■うつ病治療中で、「Aさんと一緒に仕事するとメンタルに良くない」「通勤が大変」といった理由から、現状の週2日のテレワークから完全テレワークを希望する従業員に対し、Aさんとのコミュニケーションで困っていることを傾聴し、完全テレワークは業務上難しい理由を説明、時差出勤の制度の活用について提案した。
など
2.法改正のポイント
障害者差別解消法が改正され、令和6年4月1日から事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務化されます。 事業者は、障害のある人に対して、「不当な差別的取扱い」を禁止し、「合理的配慮の提供」及び「環境の整備」を行うこととしています。
すでに合理的配慮の提供を実施していた事業所も、これを機に改めて障害のある人へ適切に対応するために以下のポイントを見直してみましょう。
■法令の内容と障害の特性等について理解しましょう
■障害のある人にとってのバリアとなる社内のルールやマニュアル、設備等がないか確認しましょう
■対話による相互理解と、共に解決策を検討することの大切さを理解しましょう
■社内で相談対応ができるよう備えましょう
リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されます!」 - 内閣府 (cao.go.jp)
障害者の差別解消に向けた理解促進ポータルサイト (shougaisha-sabetukaishou.go.jp)