セカンドハラスメントとは?種類や原因、対策について解説
近年は、さまざまなハラスメントが社会問題として取り上げられていることもあり、企業のハラスメントに対する問題意識は高まりつつあるといえます。しかし、ハラスメント被害者がさらなるハラスメントを受ける「セカンドハラスメント」についての理解はそれほど深まっておらず、十分な対策がなされているとは言い難い状況です。今回は、セカンドハラスメントの定義や種類、企業がとるべきハラスメント対策について解説します。
CONTENTS
1.セカンドハラスメントの概要
2.セカンドハラスメントの具体例
3.セカンドハラスメントの原因
4.セカンドハラスメントの対策
5.ハラスメントの相談を受けた場合の流れ
6.まとめ
1.セカンドハラスメントの概要
セカンドハラスメントは一次被害であるパワハラやセクハラなどと比べると認知度が低いですが、発生すると従業員からの信頼が大きく損なわれます。企業のイメージや価値も下がり、ハラスメントが発生しても相談されなくなる恐れがあります。加害者が無自覚で行っているケースも多く、無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)が対策を難しくしています。
2.セカンドハラスメントの具体例
セカンドハラスメントにはいくつかの種類があり、以下の具体例を挙げます。
ハラスメント被害の事実を信じない・否定する
「あなたの勘違いではないですか?」
「考えすぎだと思いますよ」
ハラスメント被害者を責める
「そんな格好をしているのが良くなかったのではないですか?」
「なぜその場で逃げなかったのですか?」
加害者を擁護する
「◯◯さん(加害者)は誰に対してもそんな態度ですよ」
「会社やチームのことも考えてほしいです」
特定の価値観を押し付ける
「私が若い頃はもっと大変だったんです」
「社会人なのだから、それくらい我慢したほうがいいですよ」
告発内容を社内に広める、加害者に知らせる
被害者のプライバシーを守らない行動は、さらなる被害を招く可能性があります。
被害者にペナルティ・不利益を与える
「あまり大ごとにするとあなたも社内に居づらくなるかもしれませんよ」
「あなたの評価が下がって昇進できなくなるから、告発はやめたほうがいいと思います」
3.セカンドハラスメントの原因
セカンドハラスメントが起きる主な原因として以下が挙げられます。
ハラスメントを軽視している
被害者より企業の価値を優先し、被害を軽んじる傾向があります。
セカンドハラスメントへの認識が薄い
加害者が無自覚に行動し、ハラスメントに対する意識が低いことが背景にあります。
ハラスメント対策が形骸化している
形だけの研修や対策では、実際のハラスメント発生時に適切な対応ができません。
4.セカンドハラスメントの対策
セカンドハラスメントを防ぐための具体的な対策として以下が重要です。
ハラスメントに関する研修の実施
全従業員を対象に、ハラスメントの具体例や防止策を学ぶ研修を行いましょう。行動変容を促す内容が有効です。
心理的安全性の高い環境の構築
ハラスメントの相談がしやすい、信頼関係のある職場環境を作ります。
傾聴力の向上
被害者の言葉を否定せず、親身に話を聞くことが大切です。知り得た事実を第三者に許可なく口外しないようにします。
ハラスメントの相談窓口の設置
外部のカウンセリングサービスを導入し、従業員が利用しやすい体制を整えます。対面だけでなく、電話やメールでの相談も対応可能にすることが望ましいです。
5.ハラスメントの相談を受けた場合の流れ
ハラスメント対応はセンシティブな問題であり、慎重な対応が求められます。以下の手順で対応しましょう。
①事実関係を迅速かつ正確に確認
②ハラスメント行為の有無を判断
③調査報告書の作成
④被害者への配慮の措置
⑤加害者に対する処分等の措置
⑥再発防止に向けた措置
6.まとめ
セカンドハラスメントは、ハラスメント被害者が相談した際に受ける二次被害です。企業としては、ハラスメントそのものを生じさせない環境づくりと併せて、セカンドハラスメントについての理解を深める取り組みが求められます。具体的な対策を講じることで、従業員が安心して働ける職場環境を整えることが重要です。
出典
アドバンテッジJOURNAL
セカンドハラスメントとは?種類や原因、対策について解説
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