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ストレスチェックは意味ない?ストレスチェックの目的や効果を最大化する方法とは

2015年12月にストレスチェック制度が義務化となり、早くも10年目を迎えます。制度の開始以降、実施する企業の割合は年々増加していますが、ストレスチェックがうまく活用されておらず、形骸化しているケースも少なくありません。このような状態では、従業員も経営層も「意味のない取り組み」と捉えてしまいます。今回は、ストレスチェックが”意味ない”と思われてしまう原因や、ストレスチェックを効果的に活用していく方法について解説します。

CONTENTS


1.ストレスチェックとは
2.ストレスチェックは意味がないと誤解される原因
3.ストレスチェックの効果を高める方法
4.まとめ


1.ストレスチェックとは

ストレスチェックとは、「従業員のメンタルヘルス不調を未然に防止する」「職場環境の改善」という2つの目的のもと実施される検査のことです。労働安全衛生法(第66条の10)に基づき、常時50人以上の労働者※を使用する事業場は、すべての労働者に対し年1回のストレスチェック実施が義務付けられています。
※50名未満の事業所は努力義務であるものの、メンタルヘルス不調の未然防止の観点から、できるだけ実施することが望ましいとされています。
ストレスチェックの目的と効果としては、下記の2点があげられます。

  • 従業員のメンタル不調防止
  • 職場の環境改善


2.ストレスチェックは意味がないと誤解される原因

ストレスチェックは大きな意義のある制度ですが、なかには「ストレスチェックは意味がない」と誤解されてしまっているケースがみられます。誤解される原因としては、下記のようなことがあげられます。

  • ストレスチェックに正直に回答しづらい
  • 受検率があがらない
  • 個人の結果を把握することができない
  • 結果の活用方法がわからない

さらに従業員も、「ちゃんと受けたものの、自分の結果をどう捉えてどう改善したらいいかわからない」「ストレスチェックに回答することが何に活かされているかわからない」と感じていると、「回答しただけで職場が良くなるわけがない」と、ストレスチェックを無意味なものと捉えてしまうでしょう。


3.ストレスチェックの効果を高める方法

ストレスチェックの効果を高める方法をご紹介します。

  • ストレスチェックの重要性を啓発する
  • すべての従業員が受検できる仕組みを整える
  • メンタルヘルス対策を経営課題として捉える
  • 集団分析の結果を活用し、改善に取り組む
  • 専門家との連携を強化する
  • 外部サービスの活用を検討する
  • 従業員個人に向けた具体アクションを提示する


4.まとめ

ストレスチェックは、メンタルヘルス不調の未然防止(一次予防)という目的があり、メンタルヘルス対策として大きな意義のある取り組みです。しかし、「受けて終わり」「結果を見て終わり」では、その効果を最大化することができません。ストレスチェックを有益なものにするためには、従業員一人ひとりに実施の趣旨や重要性を理解してもらい、積極的に受検できるような環境を整えていくこと、そしてその結果を従業員・人事が最大限活用していくことが求められます。集団分析の実施後は、改善に向けた施策の立案と実行、検証・改善のPDCAサイクルを継続し、職場環境の向上を目指すための歩みを止めないことが大切です。

もっと詳しく知りたい方はこちら



出典

アドバンテッジJOURNAL
ストレスチェックは意味ない?ストレスチェックの目的や効果を最大化する方法とは

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1 件の返信 (新着順)
ak バッジ画像
2024/12/25 17:23

産業保健師をしております。

さんぱLAB事務局様、
いつも大変参考になる情報発信をいただき、誠にありがとうございます。

【私感】
良いと思った対策を進めていくことは大切だと思います。

いっぽうで、数字は語る、とも考えております。
大切なことは、
数字が独り歩きしないように、集団分析結果で得られた傾向をふまえて、深堀り、あたりをつけ対策、PDCAを回すことだと感じています。

集団分析結果を1つの参考情報として上長が扱い、
考察や対策をしていただける、そうした姿を部下が感じられることでも、
個人情報が守られながら、集団単位での、より働きやすい職場環境づくりに活かせられるということがより浸透していくことでも、
心の健康診断とも考えられるストレスチェックが有効に活用されるのではと感じています。

健康を支援するセクションもDX!


akさん、コメントありがとうございます。

おっしゃる通りだな、、とコメントを拝見して感じております。
数字は語る、ですし、数字が出て可視化されることで説得力が増したり、活動のエビデンスとなる、ことを私自身も痛感しております。
でも、数字が独り歩きしてしまったり、誰かを責める材料になってしまうようなことはぜひ避けなければならないなと思っています。

そのため、得られた結果をふまえて、深堀り、あたりをつけてPDCAを回す、が重要であることは同感です。

個人情報が守られながら、そしてその結果が活かされている、ということを社員が感じることができてストレスチェックは活用されると思いますし、またそのようなことに注意できる職場環境づくりも、働きやすい職場、心の健康づくりにつながると考えています。

ストレスチェックを通じて色々と意見を交わせることで、感じることや得られることも多く、本当に感謝をしております。

今後とも、ぜひコメントいただけますと幸いです。