ストレスチェックの効果を最大化する実践ポイント|産業保健スタッフが知るべき活用法と改善策
ストレスチェックは労働安全衛生法に基づき、従業員のメンタルヘルス不調の早期発見と職場環境の改善を目的に実施が義務付けられています。しかし、実際には「意味がない」と感じられがちで、受検率の低さや結果の活用不足が課題となっています。
本記事では、産業保健スタッフとしてストレスチェックの意義を正しく理解し、その効果を高める具体的な方法を解説。従業員への啓発から集団分析の活用、改善施策のPDCAまで、職場のメンタルヘルス対策に欠かせない実践ポイントを詳しく紹介します。
CONTENTS
1.ストレスチェックとは
2.ストレスチェックは意味がないと誤解される原因
3.ストレスチェックの効果を高める方法
4.まとめ
1.ストレスチェックとは
ストレスチェックとは、「従業員のメンタルヘルス不調を未然に防止する」「職場環境の改善」という2つの目的のもと実施される検査のことです。労働安全衛生法(第66条の10)に基づき、常時50人以上の労働者※を使用する事業場は、すべての労働者に対し年1回のストレスチェック実施が義務付けられています。
※50名未満の事業所は努力義務であるものの、メンタルヘルス不調の未然防止の観点から、できるだけ実施することが望ましいとされています。
ストレスチェックの目的と効果としては、下記の2点があげられます。
- 従業員のメンタル不調防止
- 職場の環境改善
2.ストレスチェックは意味がないと誤解される原因
ストレスチェックは大きな意義のある制度ですが、なかには「ストレスチェックは意味がない」と誤解されてしまっているケースがみられます。誤解される原因としては、下記のようなことがあげられます。
- ストレスチェックに正直に回答しづらい
- 受検率があがらない
- 個人の結果を把握することができない
- 結果の活用方法がわからない
さらに従業員も、「ちゃんと受けたものの、自分の結果をどう捉えてどう改善したらいいかわからない」「ストレスチェックに回答することが何に活かされているかわからない」と感じていると、「回答しただけで職場が良くなるわけがない」と、ストレスチェックを無意味なものと捉えてしまうでしょう。
3.ストレスチェックの効果を高める方法
ストレスチェックの効果を高める方法をご紹介します。
- ストレスチェックの重要性を啓発する
- すべての従業員が受検できる仕組みを整える
- メンタルヘルス対策を経営課題として捉える
- 集団分析の結果を活用し、改善に取り組む
- 専門家との連携を強化する
- 外部サービスの活用を検討する
- 従業員個人に向けた具体アクションを提示する
4.まとめ
ストレスチェックは、メンタルヘルス不調の未然防止(一次予防)という目的があり、メンタルヘルス対策として大きな意義のある取り組みです。しかし、「受けて終わり」「結果を見て終わり」では、その効果を最大化することができません。ストレスチェックを有益なものにするためには、従業員一人ひとりに実施の趣旨や重要性を理解してもらい、積極的に受検できるような環境を整えていくこと、そしてその結果を従業員・人事が最大限活用していくことが求められます。集団分析の実施後は、改善に向けた施策の立案と実行、検証・改善のPDCAサイクルを継続し、職場環境の向上を目指すための歩みを止めないことが大切です。
出典
アドバンテッジJOURNAL
ストレスチェックは意味ない?ストレスチェックの目的や効果を最大化する方法とは
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従業員のストレス状態が高まり精神疾患などを引き起こさないように未然予防するために2015年12月により法制化された「ストレスチェック」。しかし、「ストレスチェック後の改善施策の重要性を経営層や現場管理職に理解してもらえない」「健康経営の取り組みは実施しているがフィジカル面の施策に偏ってしまっている」などという課題をお持ちの方が多いのが現状です。このような課題を解決し、健康経営とストレスチェックをより効果的に進めるために必要な視点と具体的なHowToをコンパクトにまとめておりますので、ぜひご覧ください。
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投稿を表示産業保健師をしております。
さんぱLAB事務局様、
いつも大変参考になる情報発信をいただき、誠にありがとうございます。
【私感】
良いと思った対策を進めていくことは大切だと思います。
いっぽうで、数字は語る、とも考えております。
大切なことは、
数字が独り歩きしないように、集団分析結果で得られた傾向をふまえて、深堀り、あたりをつけ対策、PDCAを回すことだと感じています。
集団分析結果を1つの参考情報として上長が扱い、
考察や対策をしていただける、そうした姿を部下が感じられることでも、
個人情報が守られながら、集団単位での、より働きやすい職場環境づくりに活かせられるということがより浸透していくことでも、
心の健康診断とも考えられるストレスチェックが有効に活用されるのではと感じています。
健康を支援するセクションもDX!