コミュニケーションスタイルを理解して実践に活かすには
お互いのコミュニケーションスタイルを理解し、それぞれの強みを活かしたり苦手を補うことで、保健指導を円滑に進めたりチームとしてスムーズに活動できたりします。本記事でコミュニケーションスタイルを実践に活かすポイントを見てみましょう。
※本記事は次の動画の内容(一部)を編集して作成しています。動画で見たい方は以下リンクよりご覧ください。
▶④コミュニケーションスタイルを理解して実践に活かす【保健指導に活かすスタイル別コミュニケーション術】
【目次】
1.コミュニケーションスタイルを理解する
2.コミュニケーションスタイルを活かす
1.コミュニケーションスタイルを理解する
コミュニケーションスタイルは、「良い」「悪い」ではなく、個人の持つスタイル・傾向です。 チームメンバーや保健指導の対象者にもいろいろな人がいるでしょう。しかしそれも良い悪いではなく、傾向であり、多様性です。
大人は、元々の知識を変容させて学びます。人を変えようとしては変わりません。 対人支援をするには、自分が整っていなければできません。自分が揺らいでいて自分の価値観ばかり人に与えたり、「普通こうでしょ」という考えでは人は聞いてくれず、信頼関係は築けません。
自分のコミュニケーションスタイルを知ることで、意識して自分のコミュニケーションの癖を調整することができます。治すや変えるではありません。訓練が必要なので、日々の生活の中でも相手を知って自分を主張しすぎないということを習慣づけましょう。
また、他人のスタイルが理解できて、相手に合わせたコミュニケーションが取れると自分が楽になります。保健指導をしていて、「変わってくれないし抵抗ばかりされてもう嫌です」というお話を聞くことがあります。そんなときは、まずは自分がどこに苛立ってストレスを感じているのかを知るだけでも楽になります。
2.コミュニケーションスタイルを活かす
人間は無意識に反応しています。見た目や表情はものを言うより表します。保健指導の場において、「この人が太っているのは食べ過ぎているからだ」と疑いの目を向けると対象者はキャッチします。 そうすれば保健指導を円滑に進めるのは難しいでしょう。無意識に起こしている自動反応を意識して「今自分はどう思っているのかな」「どんな感情が沸き上がっているのかな」というのを言語化する練習をするのがおすすめです。
重要なのは、役に立つものは強みとして生かし、苦しくするものは調整して楽になることです。
感情にフォーカスする方はすごく優しく、悩んでいる人がいたら「大丈夫?何か悩んでない?」と声をかけます。こういった方が一人いるとチームはギスギスしません。しかし、感情ばかりにフォーカスしていると先に進めません。その時は、冷静で「早くしましょう」「こうしましょう」という判断力や影響力がある方がいるとスムーズに進みます。みんなで楽しくやろうよといって進めると雰囲気は良いですが、楽しいばかりではうまくいかないこともあります。その時は、「こんなエビデンスがあるよ」「楽しくってもそれはあんまり意味がないよ」「こっちの楽しさの方がいいんじゃないかな」と言うと上手くいくでしょう。
それぞれのコミュニケーションスタイルを理解し、上手に活用してコミュニケーションを取っていきましょう。
講師
松岡幸代(管理栄養士)
栄養マネージメントオフィスCrecer(クレセール)代表
ヘルスコーチジャパン認定コーチ/産業カウンセラー/健康経営アドバイザー
<経歴>
・京都医療センター 糖尿病外来
・糖尿病専門クリニックにおける栄養指導業務
・企業健康管理署における健康セミナー講師
・栄養相談業務
・特定保健指導(集団指導)
・市町村における健康教室
・糖尿病重症化予防