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ポジティブ心理学の中核となる概念~ウェルビーイングとは

皆さんが考えるウェルビーイングとはどのようなものでしょうか。
ポジティブ心理学を学んでいく上で、ウェルビーイングは中核となる概念です。ポジティブ心理学がなぜ重要かについて理解を深める上で、重要なキーワードとなります。
今回は、ウェルビーイングについて学んでいきましょう。

※本記事は2023年2月22日に実施された勉強会について、次の動画の内容(一部)を編集して作成しています。
③ウェルビーイングについて学ぶ【ポジティブ心理学勉強会】



【目次】
1.ウェルビーイングとは~2つの概念から考える
2.なぜポジティブ心理学は重要なのか~パーマモデルとは



1.ウェルビーイングとは~2つの概念から考える

皆さんが考えるウェルビーイングとは一体どのようなものでしょうか。例えばWHOが提唱している健康の定義であったり、企業においてはビーイング経営など、さまざまなことが言われています。
皆さんがウェルビーイングという言葉からイメージするものは、どのようなものでしょうか。

  • いつも笑顔
  • よりよく生きる
  • 自己実現ができる
  • 充実感のある人生
  • 毎日が楽しい

いろいろな意見があると思います。
これまでポジティブ心理学の中で、どのようにウェルビーイングというものが概念的に整理され、どのような理論があるのか、ポジティブ心理学の中核になる概念について説明をしていきます。

ウェルビーイングとは
Well-being=包括的で、個人のみならず個人を取り巻く「場」が持続的によい状態であること

文部科学省が発表している教育基本計画においても、各都道府県に教育の柱の一つとしてウェルビーイングが注目され、その中の定義も同様となっています。
学術的には少し難しいですが、大きく分けて2通りあります。

ウェルビーイング

一つ目は、快楽追求型のHedonic Well-Beingと呼ばれるもので、今楽しい、幸せだ、人生満足感といった概念です。
もう一つは、Eudaimonic Well-Beingと呼ばれるもので、生きがい追求型、つまり自分の人生を肯定的に捉えると同時に成長していこうとする自己実現を目指していく概念です。

2.なぜポジティブ心理学は重要なのか~パーマモデルとは

ウェルビーイングを基にして、ポジティブ心理学はなぜ重要なのかということを考えていきます。ウェルビーイングについて下記のような様々な学術的な問いがあり、研究が進められています。

  • ウェルビーイングが高い状態とは?
  • 高い人の特徴は?
  • 関連する要因は?
  • 応用的に高めるための介入は?

ウェルビーイングが大切であり、心身の健康状態や仕事の生産性、対人関係、人生満足感に非常に良い影響があることが、どのようなメカニズムで起きているのかということについて、学術的な問いがあります。これらの問いについては、今世界中の研究者がこの実証的なデータを蓄積しています。

そして、この学術的な問いについてセリグマンは、ウェルビーイングの要素の5つの頭文字を取ってパーマモデル(PERMA)を提唱しています。

【ウェルビーイングの5要素】​

  • ポジティブな感情(Positive emotion)
  • 夢中になれること(Engagement)​
  • 人とのつながりを感じること(Relationships)​
  • 意味を感じること(Meaning)​
  • やり遂げること(Accomplishment)

楽しいに始まり、そして幸せな人生になり、それを越えて意味ある人生を作っていくことが基本であると述べており、この5つの要素がよりよく生きていくために重要であるとしています。そして、セリグマンは、この5つの要素をポジティブ心理学の柱としています。

次の記事では、ポジティブ心理学を実践するための知識について具体的にご紹介します。
是非ご覧ください。
▶記事を読む ポジティブ心理学を実践するための知識~心の要素と働きの仕組みについて解説


講師


津田彰 先生(公認心理師、臨床心理士、医学博士)

【プロフィール】
健康・医療心理学、産業・組織心理学、ポジティブ心理学などをご専門とされています。
心理学に関して数多くの著書を執筆、ご講演・論文の発表もされており、多くの賞を受賞されています。
2021年4月 久留米大学 名誉教授
2021年4月 帝京科学大学 医療科学研究科 教授(現在に至る)
2022年4月 久留米大学 医学部 客員教授 (久留米大学)




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