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2023/11/28 13:20
「心理的柔軟性」強化のすすめ ~「やってみる」「気づく」2つのスキルで自律的行動を実現する~
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はじめに
変化の激しい時代において、自らの規範や価値観に基づいて物事を考え判断し、行動できる「自律型人材」が求められています。求められる能力を身に着けるためのキーワードが「心理的柔軟性」です。自律型人材にみられる主体的な行動は、心理的柔軟性を高めることで増加することが期待されます。
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「心理的柔軟性」とは
簡潔に説明すると、心理的柔軟性とは「役に立つ考えに基づいて行動する」能力のことです。「本当に大切にしたい自分の考えに意識を向け、それを邪魔するよう勝手に湧き上がる考えや感情にとらわれず、いきいきとした生活を送るための行動的側面」を指します。この能力はトレー ニングで高めることができ、仕事のパフォーマンスやウェルビーイングの良好さにも相関があります。
元々は、ACT(アクト; アクセプタンス&コミットメン ト・セラピーの略)と呼ばれる心理療法で用いられ、人間の行動を予測し影響を与えるための理解の枠組みのことです。ACTはうつ病や不安症などへの心理療法として用いられる CBT(認知行動療法)の 1 つです。セラピーとしてだけでなく、産業・教育・スポーツなどの分野においてパフォーマンス向上のトレーニングとしても用いられるケースが増えており、従業員の行動変容を試みる際の方法として有用です。
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心理的柔軟性の強化に有用な2 つのスキル
働く人向けのトレーニングで有用とされている、2 つの側面を、スキルと言い換えて説明します。 (1)やってみるスキル:本当に大切にしたい自分の考えを知り、それにつながるアクションをやってみることです。心理的柔軟性において「価値」と呼ばれ、一般的な言葉の意味とは異なり、自分の人生で優先度の高いアクションにつながる考えを意味します。価値を意識して、アクションを積み重ねることが、やってみるスキルです。
(2)気づくスキル:勝手に湧き上がる自分の考えや感情に気づき、とらわれないことです。今この瞬間の自分の考えや感情に注意を向けるマインドフルネスの実践や、自分の考えや感情に巻き込まれないよう、距離を置くようにする工夫などがあります。
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まとめ
「やってみるスキル」と「気づくスキル」を練習し、自身のキャリア展望に合わせて行動していくことで、自律型人材として成長しやすくなると言えます。従業員への従来の教育と併せて、心理的柔軟性の考え方を取り入れることで、学習効果が高まり、様々なアウトカムに良い影響があることが期待されます。
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出典:月刊人事マネジメント 10月号
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