事業場ごとに産業保健体制がばらついてしまう、産業保健職同士や人事・労務担当者との連携が思うように進まない、就業判定や各種面談・指導をもっと効率的に進めたい─。こうしたお悩みを感じている産業保健スタッフの方も多いのではないでしょうか。
2026年1月20日に実施したさんぽLABウェビナー「複数事業場を持つ企業における、本社主導型の産業保健体制の構築」では、現役産業医の平野医師より、企業と産業保健スタッフがどのように連携し、産業保健体制・業務を変革していくべきかを、ケーススタディ(事例)を交えて解説いただきました。
本記事では、ウェビナー内でご紹介しきれなかった内容や、実際の現場で活用できるノウハウ・ポイントについて、平野先生の見解をまとめてお伝えします。「企業の産業保健活動をより良くしたい」とお考えの皆さまに役立つ情報を、ぜひご覧ください。
目次
- 産業医・看護職の方針統一の課題
- 健診事後措置における二次健診の扱い
- 産業保健監査の担当部署イメージ
- 化学物質健診の全社基準化に参考となる資料
- 産業保健職不在拠点でのフォロー体制づくり
- 心理資格を持つ看護師の代替役割について
1. 産業医・看護職の方針統一の課題
ご質問①
統括産業医、統括看護職はいません。
本社、関連会社それぞれに産業医、看護職がいて、法令対応・法令外の対応について、会社の上流含め、優先度・価値観が違い、統一のハードルが高いです。どうしたら統一の方向に向かっていけるでしょうか。
※臨床ではない、事業所としての職責を果たすことについて、マンパワー等をふまえず臨床のごとく「健康のため」を掲げあれもこれも・・・
ご回答
前半でお話した通り、「統一する意味/必要性はあるのか」というところが肝になるかと存じます。法令違反状態が放置されている、健康リスクが放置されている、過剰なコストが生じているなど、「統一が望ましい理由」が経営課題、もしくはコンプライアンス課題であることを示さなければ、当然優先度は上がりませんので、まずは課題を調査し、レポートするのが現場の産業保健職としてのアクションになるかと存じます。
2. 健診事後措置における二次健診の扱い
講師:平野 翔大 先生(産業医)
医師(産業医)、労働衛生コンサルタント(保健衛生)
株式会社Mediplat 医療顧問
一般社団法人Daddy Support協会代表理事
慶應義塾大学医学部卒業後、産婦人科医を経て、現在は産業医として上場企業統括産業医からベンチャー企業のIPO支援まで15社近くを担当。官公庁や大企業にて、男性の育児・育休を中心に、働き方改革、女性の健康経営やDE&I、不妊治療など幅広い分野で研修・講演・発信や新規事業支援を行う。

