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【エンゲージメント】今さら聞けない!産業保健の用語解説

産業保健現場では臨床現場と異なる業務が多いため、聞き馴染みのない用語が頻出。ネットでいつも検索していた。でも答えが見つからない。なんて経験ありませんか?

そこで、「産業保健の用語解説」を作成しました。
今回は”エンゲージメント”に関係する用語のうち、産業保健スタッフが知っておくべきキーワードや使用頻度の高い用語に関して解説しています。
ご自身の学習/復習だけでなく、他の方への説明の際などにもご活用ください。

用語一覧


エンゲージメント
エンプロイー・エンゲージメント
ワーク・エンゲージメント


エンゲージメント

エンゲージメントとは、「働く人が、自発的な意志と行動で仕事に取り組み、仕事にやりがいを感じている状態。また、所属意識に対する一体感や愛着心を持っている状態。」のことを指します。
前者は仕事に対する意識を指すので「ワーク・エンゲージメント 」と、後者は組織に対する意識を指すので「エンプロイー・エンゲージメント 」と呼ばれます。

ワーク・エンゲージメントが高い状態とは、従業員が率先して行動し、かつ仕事に対してポジティブな感情を持っている状態といえます。またエンプロイー・エンゲージメントの高い状態とは、企業理念やビジョンに共感し、企業や組織の向かっていく方向に自分の考えがマッチしている状態といえます。




エンプロイー・エンゲージメント

エンプロイー・エンゲージメントとは、従業員エンゲージメントとも呼ばれ、従業員が会社に対して抱く愛着を指す言葉であり、会社への帰属意識や理念・ビジョンへの共感、貢献意欲、職務満足などを内包する概念を意味します。

エンプロイー・エンゲージメントは、1990年頃、アメリカを拠点とする世界最大の総合電機メーカー「ゼネラル・エレクトリック社」のジャック・ウェルチ元会長がその重要性を指摘したことで、注目を集め始めました。エンプロイー・エンゲージメントは、従業員が会社の待遇や職場環境への満足度を指す従業員満足度や、会社への忠誠を指すロイヤルティとは少し異なります。

エンプロイー・エンゲージメントが向上すると、従業員は意欲的に仕事に取り組み、企業の成長も意識して働くようになります。企業に愛着や愛情を持って自発的に仕事に取り組むため、積極的な提案なども行うようになり、結果的に生産性を高めることにつながります。エンプロイー・エンゲージメントはこれからの企業に必要な概念と言えるでしょう。




ワーク・エンゲージメント

ワーク・エンゲージメントは、従業員個人の仕事に対するポジティブな心理状態を指す言葉です。

ユトレヒト大学のウィルマー・B・シャウフェリらによると、「ワーク・エンゲージメントとは、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態であり、活力、熱意、没頭によって特徴づけられる。エンゲージメントは、特定の対象、出来事、個人、行動などに向けられた一時的な状態ではなく、仕事に向けられた持続的かつ全般的な感情と認知である」と定義されています。

具体的な例を挙げるとすれば、「自分の目の前の業務に対して前向きに捉えられる」「仕事に対してやりがいを持ちながら集中して取り組める」というような状況が、ワーク・エンゲージメントが高い状態といえます。




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