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組織風土とは?意味や改革のためのポイントを解説

健全な組織風土の醸成は、従業員のエンゲージメント向上、生産性の向上など、企業が持続的な成長を目指す観点からも重視したい取り組みです。今回は、「組織風土」を構成する要素や改革が求められる背景、メリットなどについて詳しく解説します。

CONTENTS


1.組織風土とは
2.組織風土改革が必要とされる背景
3.組織風土改革に向けておさえたい3つの要素
4.組織風土が良いことのメリットと良くないと起こりうるデメリット
5.組織風土改を進めるうえでの注意点とポイント
6.まとめ


1.組織風土とは

組織風土とは、組織を構成するメンバーの中で共通認識となっている独自のルールや価値観、思想を指します。いずれも、組織の仕組みや従業員の思考や行動、モチベーション、意思決定などと深く結びついていることが特徴です。
組織風土は、企業の歩みとともに長い時間をかけて自然に育まれ、根付いた規範や慣習などであり、企業のあり方を形づくるものでもあります。業界や業種、企業規模によってもさまざまで、一概に「善」「悪」と判断することは難しいでしょう。
理想の組織風土について、アメリカの経済学者チェスター・バーナード氏が提唱した「組織の三要素」に基づいて定義します。
組織が成立するためには「共通目的」「貢献意欲」「コミュニケーション」の3つの要素が不可欠だと説きました。
すべての企業に共通する「理想的な組織風土」とは、以下のような状態を指します。

  • 組織として目指す姿が明確で、それがすべての従業員に共有されている
  • 従業員一人ひとりが組織のあるべき姿・目標を正しく認識し、実現・達成に向けて主体的に行動できる環境が整っている
  • 立場や役職に関わらず、円滑なコミュニケーションが取れる


2.組織風土改革が必要とされる背景

組織の大きな変革や新規事業の立ち上げなどを行うにあたり、従来の組織風土がそれらを阻害する壁となるケースも少なくありません。次に、組織風土改革が求められる背景には下記のようなことがあげられます。

  • 変化する時代への対応
  • 労働人口の減少・雇用システムの変化
  • 働き方に対する価値観の多様化


3.組織風土改革に向けておさえたい3つの要素

組織風土は、ハード要素、組織要素、メンタル要素の大きく3つの要素から構成されています。組織風土改革を進める前に、これらの要素と特徴をおさえておきましょう。

ハード要素

  • 経営理念
  • ミッション・バリュー
  • 人事制度・人材配置
  • 組織体制
  • 経営計画
  • 事業内容
  • 業務プロセス
  • 就業規則
  • 社訓
  • 評価制度

ソフト要素

  • 経営層の影響力
  • 組織におけるローカルルール
  • 上下関係や勢力関係といった人間関係
  • 従業員同士のコミュニケーション
  • モチベーション
  • チームワーク
  • 判断基準
  • 個人の価値観や行動様式

メンタル要素

  • 自発的、主体的な行動がとれるか
  • 変化を柔軟に受け入れられるか
  • 新たなことにも積極的に挑戦しようとする姿勢があるか
  • 周囲が挑戦を認める雰囲気であるか
  • 一人ひとりの意見が尊重され、率直に伝えられる環境であるか
  • コミュニケーションが円滑になされているか
  • 従業員同士が協力し合い、助け合う姿勢があるか
  • 何らかの圧力やしがらみがないか


4.組織風土が良いことのメリットと良くないと起こりうるデメリット

良い組織風土が醸成されることは、企業に下記のようなメリットをもたらします。

  • ビジョンや方向性の深い理解・共有
  • エンゲージメントの向上
  • 生産性の向上

良好な組織風土が醸成されたないことによるデメリットは以下です。

  • 人間関係の対立や衝突が起きやすい
  • 従業員が不安を感じたまま働く
  • エンゲージメントの低下
  • 人材の流失や業績の低下


5.組織風土改を進めるうえでの注意点とポイント

組織風土は企業の根幹に関わる要素であるため、改革には慎重な姿勢も必要です。既存の組織風土を” 悪しきもの” として扱い、無理やり変えていくのではなく、自社の組織風土がどのようにして形成されてきたのか、その歴史や背景を深く理解した上で、どのような点が課題であるのか、どこを改善すべきかを整理していくことが必要です。ここからは、組織風土の改革を進める上での注意点をご紹介します。

  • 改革には時間がかかる可能性がある
  • 課題を正しく把握し、企業の主導のもと進める
  • 改革の必要性について従業員から理解を得る
  • 改革のための行動を明文化する


6.まとめ

良い組織風土が醸成できると、従業員のエンゲージメントや生産性が向上し、企業のさらなる成長が見込めるようになります。改革を進める際は、時間がかかる可能性を理解し、慎重かつ粘り強く取り組んでいくことが大切です。自社の現状と課題をしっかりと把握した上で、ハード・ソフト・メンタルそれぞれの要素を意識しながら、一歩一歩改革を行っていきましょう。

もっと詳しく知りたい方はこちら

出典

アドバンテッジJOURNAL
組織風土とは?意味や改革のためのポイント、企業事例を解説

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