はじめに
産業保健スタッフとして働く中で、日々の業務に携わり経験を積み重ねる一方で、「これからどのようなキャリアを歩んでいけばよいのだろう」と考えたことはありませんか。
働き方や専門性の高め方、転職のタイミングなど、キャリアに関する悩みや不安は人それぞれです。
今回は、さんぽLAB会員を対象に実施した「今後のキャリアで最も悩んでいること」に関するアンケート結果をもとに、産業保健スタッフが抱えるキャリアの悩みの傾向を整理するとともに、その悩みに向き合うためのヒントをご紹介します。
投票結果(概要)
期間:2026年6月6日~6月21日
投票数:46票
結果
- 専門性の深め方:43.5%
- 自分に合う働き方の選択方法:26.1%
- 今までの経験が次の職場で通用するか:17.4%
- 転職タイミングの見極め:6.5%
- その他:6.5%
各項目の傾向と対応のヒント
専門性の深め方:43.5%
最も多かった回答は「専門性の深め方」で、4割以上が選択していました。
専門職として働く以上、自身の専門性をどのように高めていくかは、継続的なテーマになりやすいのではないでしょうか。
産業保健には、従業員の健康管理をはじめ、メンタルヘルス対策、治療と仕事の両立支援、作業管理・作業環境管理など、さまざまな分野があります。その中で、「自分はどの分野を専門として深めていきたいのか」「どのような産業保健活動を実践し、発展させていきたいのか」と悩む方も少なくないのかもしれません。
対応のヒント
- 興味のある分野を一つ決め、学習や実践を重ねる
- 勉強会やコミュニティに参加し、他の産業保健スタッフとの交流を通じて視野を広げる
- 「どのような課題を解決したいのか」を考えることで、自分が目指す専門性やキャリアの方向性を可視化する
自分に合う働き方の選択方法:26.1%
この選択肢を選んだ方は4人に1人以上にのぼりました。
キャリアを重ねる中で、「もっと仕事に打ち込みたい」と感じる方もいれば、「育児や介護、趣味などプライベートとの両立を優先したい」と考える方もいます。その時々のライフステージや価値観の変化に応じて、自分に合った働き方を模索する機会は少なくありません。
近年は、リモートワークや育児・介護との両立、治療と仕事の両立など、多様な働き方を選択できる環境が広がっています。一方で、企業や事業所によっては制度や業務の特性上、希望する働き方の実現が難しい場合もあります。
そのため、自身が大切にしたい働き方と勤務先の方針との間にギャップを感じたとき、今後のキャリアの方向性について改めて考えるきっかけになるのかもしれません。
対応のヒント
- 仕事で実現したいことや大切にしたい価値観を整理し、自分に合う働き方を明確にする
- 現在の勤務先だけでなく他社の制度や働き方にも目を向け、キャリアの選択肢を広げる
- 今だけでなく数年後のライフステージも見据え、無理なく続けられる働き方を考える
今までの経験が次の職場で通用するか:17.4%
この選択肢を選んだ方は約6人に1人でした。
産業保健スタッフの業務内容は、企業の規模や業種、体制によって大きく異なります。そのため、「現在の職場で培った経験が他社でも評価されるのだろうか」と不安を感じる方もいるのかもしれません。
特に、一人職場で幅広い業務を担当している場合や、特定の分野に特化した業務を行っている場合は、自身の経験の市場価値を客観的に把握しにくいことがあります。一方で、従業員支援や関係者との調整、健康課題の分析・企画など、企業が変わっても活かしやすい経験も少なくありません。
対応のヒント
- 担当業務だけでなく、成果や工夫した点を振り返り、自分の強みを整理する
- 他社の求人や求められるスキルを確認し、市場で評価される経験を把握する
- 社外の勉強会やコミュニティを通じて、自身の経験を客観的に見直す機会をつくる
転職タイミングの見極め:6.5%
この選択肢を選んだ方は6.5%でした。
転職を考え始めても、「今動くべきなのか、それとももう少し経験を積むべきなのか」と悩むことは少なくありません。特に産業保健は求人の数が限られているため、タイミングの判断に迷う方もいるでしょう。
また、現在の職場への満足度だけでなく、専門性の習得状況やライフイベント、希望する働き方など、さまざまな要素が転職の判断に影響します。そのため、焦って結論を出すのではなく、自身が転職によって何を実現したいのかを整理することが重要と考えられます。
対応のヒント
- 転職したい理由と実現したいことを整理し、目的を明確にする
- 求人情報を定期的に確認し、市場動向や選択肢を把握しておく
- 今の職場で得たい経験が残っていないかを確認し、中長期的な視点で判断する
その他:6.5%
キャリアに関する悩みは多様であり、アンケートの選択肢だけでは表現しきれない不安や迷いを抱えている方もいると考えられます。例えば、「管理職を目指すべきか」「副業や兼業に挑戦したい」「このまま産業保健スタッフとして働き続けるべきか」など、悩みの内容は人によってさまざまです。
キャリアには正解があるわけではなく、その時々の価値観やライフステージによって選択肢も変化します。そのため、自分なりの軸を持ちながら、定期的にキャリアを見直していくことが大切です。
対応のヒント
- キャリアで大切にしたい価値観や優先順位を書き出して整理する
- 一人で抱え込まず、信頼できる先輩や同職種の仲間に相談する
- 数年後にありたい姿を考え、今できる行動を少しずつ始める
今後の展望
今回のアンケートでは、「専門性の深め方」「自分に合う働き方の選択方法」「今までの経験が次の職場で通用するか」といった悩みが上位に挙がりました。
近年は、メンタルヘルス対策や治療と仕事の両立支援、女性の健康支援、データ活用など、産業保健スタッフに求められる役割がますます広がっています。そのため、一つの正解を探すのではなく、自身の強みや価値観、ライフステージに合わせてキャリアを選択していくことが重要になるでしょう。
キャリアに悩むことは決して特別なことではありません。悩みをきっかけに自身の将来を見つめ直し、学びや経験を積み重ねながら、自分らしいキャリアを築いていくことが期待されます。
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