他社ではリワークをどのように活用しているのか分からない、リワークの種類や違いが整理しきれていない、費用感やプログラム内容が見えず、従業員に案内しづらい─。こうしたお悩みを感じている産業保健スタッフの方も多いのではないでしょうか。
2026年3月17日に録画配信したさんぽLABウェビナー「意外と知らないリワーク ―産業保健職が知っておきたい従業員におすすめするための基礎知識―」では、リワークの種類や特徴、費用の目安、実際のプログラム内容などについて解説いたしました。また、他社における活用状況や進め方についても触れ、現場での判断や対応に役立つ情報をお伝えしています。
本記事では、アンケートでいただいた質問や課題について、講師の回答をまとめております。復職支援の選択肢としてリワークを適切に活用したいとお考えの皆さまにとって、判断材料となる情報をぜひご覧ください。
目次
1. リワークに関する基礎知識
ご質問①
リワークについて、公的リワークや医療リワーク、福祉リワークについてそれぞれ特徴とメリットデメリットを知りたいです。
ご回答
これら3つの種類によって一概に整理するというよりも、施設ごとに特徴が大きく異なるため、ここでは大まかな傾向をご説明します。
■公的リワーク:都道府県に1か所、大都市圏では2か所。
メリット
・雇用保険対象者は無料。
デメリット
・設置数が少なく、かつ会社員は無料のため順番待ちが発生しやすい。
・立地によっては通いにくかったり、復職予定の場所から遠いなど、場所の制限がある。
・公務員は受けられない。
■医療リワーク:医療の延長として実施。
メリット
・かかりつけの病院に併設されているリワーク施設の場合は順番や手続きの待ち期間が比較的少ない。
・治療の一環として利用できるので、3割負担、または自立支援医療を使えば1割負担で受けられる。
デメリット
・施設によっては、訓練スペースが「オフィス」よりも「病院・リハビリ施設」という雰囲気の施設もある。模擬職場をイメージしていると齟齬が出やすい。
・病院の方針によって企業との連携(通所状況の報告等)は積極的に行っていない場合もあるので、この点は個別に確認する必要がある。
■福祉リワーク:就労移行支援事業として運営。
メリット
・福祉サービスとしての提供により、1割負担でサービスが受けられる。
・基本的に民間の企業や社会福祉法人等が運営しているので、様々な特徴を持つ施設があり、選択肢が広がる。
デメリット
・開始までの行政への手続きに時間がかかるケースが多く、医療に比べると始めるまでに時間がかかる傾向にある。
ただし、繰り返しになりますが、医療のリワークであっても企業との連携を積極的に行っているところもあれば、福祉リワークだったとしてもご本人がお住まいの地域によって手続きの速さが異なったり、企業との連携を行っていない場合もあります。また、そもそもリワークメインではなく、企業に所属していない方の就業支援メインの事業所などもあるため、いくつか施設見学をしてみることをおすすめします。
2. リワーク導入の判断・活用
ご質問②
リワークを勧める判断基準はどのように考えるべきでしょうか。
ご回答
目安として、朝起きることができ、散歩などの軽い外出ができるようになったらおすすめされるとよいかと思います。特に、職リハや福祉リワークは、厳密な症状等の制限はございませんし、できれば復職のタイミングではなく、お休みに入るタイミングでご案内される方がよろしいかと思います。
また、単に「リワークに行ってください」と伝えるだけだと、ご本人もどこに行ったらよいか迷われるケースが多いので、「例えばこんな施設があります」と具体的な情報をお伝えいただくとなおよいと思います。また、効果とは別の話として、休職満了期間が残り少ない場合は、逆算をしてお勧めすることもトラブルの未然防止という点では重要です。
ご質問③
リワークの効果を職場復帰後に活かすために企業ができることは何ですか。
ご回答
リワークといっても様々なスタンスの施設がありますので、リワークへの通所状況等、可能であればリワーク施設側の支援員にも、施設での様子等を確認されるとよいと思います。積極的に施設側から連携している施設もあれば、基本的に情報連携はしない、というスタンスの施設もあるので、企業から働きかけることも有効かと思います。
3. 復職判断の基準とプロセス設計
講師
大薗 茜
株式会社アドバンテッジリスクマネジメント
新規事業開発本部 本部長
リワークを強みとした就労移行支援施設の立ち上げを担当。
鈴木 篤史
株式会社アドバンテッジリスクマネジメント
新規事業開発部 事業開発部 精神保健福祉士
精神科医療・障害福祉分野で主に就労支援に20年従事。この度リワークを強みとした就労移行支援施設のサービス管理責任者を担当。




