転職直後の職場定着を支援するために産業保健スタッフができる3つのポイント
転職や部署異動後、新しい職場環境に馴染めず力を発揮できない従業員は少なくありません。特に、仕事のやり方や職場の人間関係にギャップを感じると、相談しづらくなり自信を喪失しやすい傾向があります。産業保健スタッフとしては、こうした悩みを抱える社員をどのように支援し、職場定着を促進できるでしょうか。本記事では、具体的なサポート方法を3つの課題に分けて解説します。
1. 力を発揮できない社員の心理的ギャップを理解し支援する
転職や異動により「うまく力を発揮できない」原因の多くは、本人の期待と現実の仕事環境とのギャップにあります。
産業保健スタッフは「新環境で即戦力になるのは難しい」という事実を本人に伝え、現在うまく適応している同僚の仕事ぶりを観察し学ぶ機会を作るよう促しましょう。
また、上手に仕事をしている社員への相談やコミュニケーションを取りやすい環境づくりを支援し、新しいスキルや働き方を身につける「挑戦の場」としてポジティブに捉えられるようサポートします。
2. 相談しづらい環境を整え「相談行動」を促す
「困っていることを相談できない」状態は、環境面での障壁や行動習慣の問題が大きいです。
例えば、職場の忙しさや人間関係の壁が相談のハードルになっている場合、産業保健スタッフや人事担当は以下のような対策を検討すると良いでしょう。
- 定期的な1on1面談の設定
- 部署横断のランチミーティングや交流イベントの実施
- 新入社員に対する積極的な声かけやフォローのルール化
これにより社員が気軽に相談できる環境ができ、「問題解決に向けた行動変容」を促進します。
3. 自信喪失への声かけでメンタルサポートを行う
「自信をなくした」社員は、①や②の課題を改善する意欲が湧かず、悪循環に陥るリスクがあります。
産業保健スタッフは本人のこれまでの努力や成功体験を丁寧に振り返り、ポジティブなフィードバックを与えることで自信回復を支援しましょう。
また、企業側が「この人に仕事を任せたい」と評価して採用している点を伝え、人柄や強みに着目した励ましが効果的です。
自信が回復すると、仕事や相談行動に前向きな変化が期待できます。
まとめ
転職後の社員が抱える「力を発揮できない」「相談できない」「自信喪失」の3つの課題は連動しています。産業保健スタッフはこれらを細分化し、それぞれに対して環境整備や声かけを通じた具体的支援を行うことが重要です。すべてを一人で対応する必要はなく、必要に応じて外部専門機関への連携も検討しましょう。職場定着支援に向けて、産業保健スタッフの積極的な関わりが求められています。
出典
アドバンテッジJOURNAL
カウンセラーがやっている!困った状況の見立て方、解決までつながる考え方
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