ケースマネジメント
1.ケースマネジメントとは
ケースマネジメントとは、多様なニーズを持つ方が自分の能力を最大限に発揮し、健康に生活できるよう支援するための活動です。また、この支援において組織体を構築し、調整・維持することを計画的に行う人々やチームの活動を指します。
ケースマネジメントとケアマネジメントの違い
ケースマネジメントとケアマネジメントに大きな違いはありません。どちらも、個々個人のニーズに基づきプランを調整し、提供することを目指します。細かいポイントですが起源や発展の過程には若干の違いがあります。
ケースマネジメントはアメリカの脱施設化の中で生まれて発展したもので、ケアマネジメントはサービス提供の効率化を求めてイギリスで発展したと言われております。日本では、介護保険の導入時に「ケアマネジメント」の用語が採用された事で、現在では「ケアマネジメント」が一般的に使われております。言葉は違えど、その実態や目指す先は、ケースマネジメントと基本的には同じです。
2.ケースマネジメントの活用場面
ケースマネジメントは様々な状況や領域で活用されており、これらの活動は、個々が自分らしい生活を送るための支援を提供することを目指すというゴールは共通になります。具体的な活動内容は、ニーズや状況により異なりますが「情報提供・援助計画の作成・サービスの調整・進行管理」などが含まれます。
・医療・保健サービス
患者が必要とする医療サービスやリハビリテーション、在宅ケアなどでプランを調整し、適切なケアを提供します。また患者の健康状態を継続的に評価し、必要に応じてケアプランを更新していきます。
・社会福祉サービス
高齢者、障害者、低所得者など、社会的に支援が必要な人々に対して、生活支援、就労支援、教育支援などのサービスを調整します。
・精神保健サービス
精神疾患を持つ人々が社会生活を送るための支援を行います。治療、リハビリテーション、就労支援、住居確保などのサービスを調整し、自立した生活を送ることができるよう支援します。
・災害対応
災害時には、被災者のニーズに応じた支援を調整します。医療、食事、住居、心理的支援など、状況や規模により変化しますが多岐にわたるサービスを提供します。
3.ケースマネジメントに関連するワード
・ケアプラン
ケースマネジメントの中心的な要素。個々のニーズに基づいて作成されるケアプランは、必要なサービスや支援を明確にし、どのようなタイミングで提供されるかをプランニングします。
・マルチディシプリナリーチーム
ケースマネジメントは、様々な専門チームによって行われることがほとんどです。これには「医師・看護師・ソーシャルワーカー・心理カウンセラー」などが含まれます。
・アドボカシー(さんぽLAB用語集:アドボカシー)
ケースマネージャーは、対象者の権利を保護し、彼らが必要とするサービスや支援を受けられるように擁護したり代弁する役割も果たします。
・ケアプランの評価/モニタリング
ケースマネージャーは、ケアプランが効果的に機能しているかを定期的に評価し、必要に応じて調整します。良し悪しの状況に応じて改めてプラン調整する事もあります。