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最低限身に着けたいPCスキル~産業保健を実践するための基礎知識

最低限身に着けたいPCスキル~産業保健を実践するための基礎知識

産業保健専門職として、日々の業務を行う中でどのようなPCスキルが必要とされているでしょうか。事務的な作業を行う際、また保健指導や啓発活動を行う際に、さまざまな資料を作成する機会があると思います。
今回は、日々の産業保健業務を実践する上で必要とされるPCスキルについてご紹介します。


目次

1.産業保健の現場で必要とされるPCスキルとは?
2.セキュリティ~情報管理・個人情報の取扱い
3.まとめ


1 産業保健の現場で必要とされるPCスキルとは?


皆さんは、産業保健の現場で必要とされる「最低限のPCスキル」について、どのようなイメージがありますか。
求められる日常業務や企業のIT環境によってその基準は異なりますが、一般的なPCスキルというと、ワード(Word)、エクセル(Excel)、パワーポイント(PowerPoint)の使用などがいわれています。

また、産業保健スタッフは、社内外の関係者と情報の共有を行う機会が多いため、メール作成に伴うビジネスマナーやスキルも必要とされています。情報の共有を行う際は、ファイルの管理、セキュリティについても対応が求められます。
既に業務上利用をされている方も多いと思いますが、改めて、個々の項目についてみていきましょう。


健康教育の展開方法

ワード(Word)

ワードは、白紙の紙に見立てた編集画面に文字や図形、画像を入力して自由に文書作成できるソフトです。企画書、見積書、議事録などのビジネス文書の作成に適しています。
テンプレート機能を活用することで、定型文書を迅速に作成でき、一度作成した文書は、再利用できるので、効率的に業務を進めることができます。また、自由なレイアウトの文書や印刷物が作成できるので、保健指導や啓発活動においてパンフレット等の配布資料を作成する際に活用できます

エクセル(Excel)

エクセルは、格子状のマス目にデータを入力して様々な表を作成する表計算ソフトです。
数式や関数を使って複雑な計算をすることができます。それらを使って得た結果は、表やグラフにまとめることができ、数値データの管理や分析を行えます。ピボットテーブル機能を利用することで、大量のデータを整理し、分かりやすいレポートを作成することも可能です。さらに、Excelにはマクロ機能が備わっており、定型作業を自動化することで、作業効率を大幅に向上させることができます。
グラフ作成やデータの可視化が簡単に行えるため、データに基づいた産業保健活動を実践する上で役立ちます。健康診断結果の分析やデータを掛け合わせて利用することで、健康課題を把握したり、実施した施策の効果測定を行うことができます

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パワーポイント(PowerPoint)

パワーポイントは、スライド形式で視覚的に情報を整理し、発表資料を作成できるソフトです。スライドごとに文字や図形、画像、動画を配置し、プレゼンテーション用の資料を簡単に作成できます。視覚的な効果を持たせた説明資料を作成し、効果的な情報伝達が必要な場面で役に立ちます。理解しやすく、記憶に残りやすい情報提供ができるため、衛生委員会での講話や、研修を実施する際の資料作成に活用できます

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ファイル管理

産業保健活動を行う上で、さまざまな情報やデータを取り扱います。必要な情報、データをいつでも取り出せるよう、ファイルを整理・保管しておくことが重要です。
膨大な数のファイルの中から必要な情報を探し出すのは、大変な作業です。適切なファイル名やフォルダ名を設定することで、ファイルを共有する際にも利用しやすくなります。複数人で作業を実施する場合は、進捗管理表等、共有のファイルで作業する際は、一緒にファイルを使用する人にとって使用しやすい形で作業をすることが大切です。

メール管理

産業保健スタッフは、社内外の関係者とメールでのやり取りをする場面が多くあります。ビジネスの場面におけるメール管理は、メールを受け取る人への配慮を大切にし、言葉遣いはもちろん、メールを送付するタイミングにも気を配ることが大切です。TO、CC、BCCといった宛先も適切に選択し、必要な情報が、適切な相手に届くよう工夫をしましょう。
また、作成した資料やファイルを送信する際は、不要な個人情報が削除されているか、パスワードは適切に設定されているか、確認することが重要です。
メールを受信する際も、受信元の確認をしっかりした上で、管理しましょう。

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2 セキュリティ~情報管理・個人情報の取扱い


産業保健スタッフは、日々の業務を通じてPCを利用する際に、さまざまな情報に触れることになります。その際は、情報セキュリティ及び、個人情報保護に十分気を付けた上でPCの使用をしましょう

具体例)

  • 産業保健スタッフは、外部委託機関からの健康診断のデータ、健康情報等の入手をする際に、さまざまな媒体を使用して情報を取り扱う場面があります。 情報を会社のPCに取り込む際には、いまいちど利用可能な媒体であるか、会社の情報管理に関する規定をしっかり確認しましょう。(例:外部機関から提供を受けたUSB、CD-ROMなど)

  • 産業保健スタッフの働き方も多様化し、必ずしも自社内でPC作業をするとは限りません。
    PC作業をする場所は適切か、インターネット接続の方法は安全か、セキュリティ上安全な環境でPCを利用しましょう。

情報を取り扱う際は、安全に入手し、適切に取り込み、正しく利用することが求められています。また、その情報がルール上許可された人にだけ、適切な形で利用されているか確認することが必要です。情報セキュリティや個人情報保護の管理が適切な状態で行われることが非常に重要です。そのため、情報の取り扱いを誤ることは、企業の信頼性にも大きく関わっています。

各企業において、情報管理に関する規定が定められています。自社の規定を改めて確認し、規定に沿った情報セキュリティの知識・スキルを身につけましょう



3 まとめ


PCなどの情報機器を扱う際は、各企業の情報管理のルールをしっかり確認した上で利用しましょう。
産業保健活動の質を高めるためには、さまざまなデータや情報を取り扱い、分析していくことが求められます。そのためにも、PCスキルを磨き、データや情報を適切に取り扱う視点を身につけていきましょう。


■執筆:さんぽLAB 運営事務局 保健師


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