【初級編】パワポ作成の第1歩!構成を考えよう!
産業保健の現場では、パワーポイントを使って資料を作成する機会もあるかと思います。
保健指導や従業員の健康教育などの業務を遂行するうえで、パワーポイントと向き合っていく必要があります。
さて、皆さんは相手に伝わりやすいパワーポイントを作成できていますか?
『毎日使っているからバッチリ!』
『いや、いつまでたっても自信はないな...』
など、様々でしょう。
時間をかけて作成したパワーポイントが相手に伝わらないと時間ももったいないし、
悲しいものです。
効率的に業務に取り組んでいただけるよう、3本にわたりパワーポイントの使い方をご紹介していきます。今回の記事では、製作者の意図が相手にしっかりと伝わるように抑えておくべき構成の考え方を学ぶことができます。この記事を用いて、パワポマスターを目指しましょう!
【目次】
1.伝えたいことを文字にして書き出す
2.図形で要素を整理し、配置する
2-1.フレームワークを使って要素を整理してみる
2-2.パーツの配置
3.無駄な情報を削除し、中身を整える
4.最後に
1.伝えたいことを文字にして書き出す
いきなり資料を作成すると伝えたいことがぶれてしまったり、情報量が多すぎて、何を伝えたいのか分からなくなったりしてしまいます。そういった混乱を防ぐために、まずは伝えたいことを文字に書き起こしていきましょう。
「この資料を使う人はどういう情報が欲しいのか?」を軸に、何を伝えたいかを端的に整理します。
例えば、従業員への教育資料で熱中症をテーマにしたものを作るとしましょう。
ここでの主目的『熱中症を予防することの重要性』を伝えることとします。では、実際に書き出してみましょう。
(例)
・今年の熱中症の発生状況について伝える
⇒気温と発症人数のデータも組み込んだ方が良い
・熱中症の症状の段階の違いは良く聞かれるから解説
・熱中症の予防方法も図示しよう
・水分補給の必要性も記載したい
1つの目的に対して、様々な伝えたいことが出てきたかと思います。資料を作る前に、伝えたいことを明確にすることにより、まとまりのある資料に一歩近づきましたね!
2.図形で要素を整理し、配置する
続いては、書き出した要素を整理し、情報の見せ方を練ります。
資料内に情報を全て入れきるのではなく、「意図が伝わる流れになっているか?」を軸に考えていきましょう。
2-1.フレームワークを使って要素を整理してみる
要素を整理する時に使う代表的なフレームワークを3つご紹介します。
① PREP法|相手に何かを教えるときに有用です。
Point | 要点 | 熱中症予防の重要性 |
Reason | 理由 | 予防しないといけない理由 |
Example | 具体例 | 予防の具体例 |
Point | 要点 | 熱中症予防の重要性 |
例えば、熱中症予防の重要性を伝えたいとしましょう。
その場合、まずは熱中症の予防の重要性について伝え、
次に予防しないといけない理由を上げます。
最後に予防の具体例を伝える....といった流れになります。
② DESC法|提案するときに有用です。
Describe | 描写 | 熱中症患者数が増加している客観的な状況 |
Express | 表現 | 主観的な意見や問題点 |
Suggest | 提案 | “表現”に対する解決法 |
Consequence | 結果 | “提案”により予測できる結果 |
熱中症の予防法を提案することを想定します。
その場合、まずは熱中症患者が増加していることを伝えます。
次に、平均気温の上昇と熱中症患者数の増加に関係があることを伝えます。
さらに、気温上昇に伴い、注力すべき熱中症の予防法を挙げます。
最後に熱中症を予防したことにより考えられる結果を伝えるといった流れになります。
③ SDS法|目的問わずお使いいただけます。
Summary | 要約 | 熱中症予防の重要性を端的に伝える |
Detail | 詳細 | 重要性を詳しく伝える |
Summary | 要約 | 最初の要約を言葉を変えて述べる |
熱中症予防の重要性を伝えることを想定します。
まずは熱中症予防の重要性を短く伝えます。
次に、なぜ重要なのか、どのような予防をする必要があるのかなどの観点から詳しく説明をします。
最後に、要約の内容を言い換えて端的に伝えるといった流れになります。
2-2.パーツの配置
流れに沿って要素を整理したら、スライドでの提示の方法も考えていきます。
ここでは、“Z”を意識して並べてみましょう。一般的な日本人の視点の動きはZ字になると言われています。そのため、最も伝えたいことを左上に記載することが重要です。フローで説明する際には左から右に動くようにしましょう。
さて、ここですぐに活用できるレイアウトを4つご紹介します。
① 上部にキーメッセージを配置し、下部にグラフ・図表を配置する
資料でよく見る、定番の形です。
② 左にグラフ・図表を配置し、右にキーメッセージを配置する
箇条書きでまとめたり、説明した後に結論を伝える際におすすめです。
③ 真ん中にテキストを置くだけ
メッセージを強く主張したいときに目立たせることができます。この際、余白をしっかりと残しておくことが重要になります。
④ 図を使ってプロセスを表す
作業方法や変化の過程を示すときに便利です。
3.無駄な情報を削除し、中身を整える
最後に重要になってくるのは情報の取捨選択です。伝えたいことがたくさんあってもターゲットに刺さらない内容であったり、伝えたいことに関係のない情報の割合が多くなってしまったりしてはよろしくありません。
「誰が何のために使うのか」で情報を選んでいきます。ターゲットに伝えたいことなのか、どういう場面で使うのかなど、今一度整理し不必要な情報を削除していきましょう。
また、重要だが文字や言葉では伝えにくいというものがあれば、図示してみるのも効果的です。情報の重要性や関係性をもとに図に落としこむか判断しましょう。
4.最後に
産業保健の現場では、経営層の提案・プレゼンや従業員に対して情報発信するなど目的や対象がその時によって変わってきます。パワーポイントで資料を作る際、いきなりではなく、構成を考えたうえで作成を始めるとスムーズです。
・伝えたい内容を書き出す
・図で整理する
・情報の取捨選択を行う
このステップを踏んで、適切な情報を盛り込むことを意識していきましょう。
次回は、パワーポイントの資料作成で頭を悩ませることも多い、デザインに関する内容をお伝えいたします。皆さんがパワーポイントをご使用されるうえで、業務効率が良くなるような情報をお届けしてまいります!
それでは、次回の記事もお楽しみに!
ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示パワーポイントの作成で、DESC法が役に立つという発想がありませんでした。
3つのフレームワークを使い分けて、パワーポイントを作ることができるといいなぁ~と思っています。
頑張ります!ありがとうございました😊