成長実感が持てない30〜40代に贈る再起動の方法
「このままでいいのか」と感じ始める30〜40代 。
日々、専門職として真摯に仕事に向き合ってきたはずなのに、ふと「このままでいいのだろうか」「成長が止まった気がする」と感じることはありませんか？
特に30〜40代は、キャリアの中盤に差し掛かるタイミングです。仕事にも慣れ、安定した働き方ができている一方で、「この先の自分が見えにくい」と悩み始める時期でもあります。
本記事では、そんなモヤモヤの背景を紐解きながら、再び「成長している」と実感するための具体的な突破口をご紹介していきます。
＜目次＞
1.成長が止まったと感じるのはなぜか？
2.あなたは大丈夫？「成長停滞感」セルフチェック
3.成長実感を取り戻すための3つの突破口
4.成長を再起動するために、今日からできること
5.終わりに：成長が止まったと感じるのは、変化のサイン
1.成長が止まったと感じるのはなぜか？
まずは「なぜ今、自分が成長できていないと感じるのか」を明らかにすることが大切です。ここでは、産業保健職ならではの業務や職場環境に起因する停滞感の要因を、3つの視点から解説します。
◆「同じことの繰り返し」がもたらすマンネリ感
産業保健職の仕事は、健康診断の対応や過重労働者の面談、安全衛生委員会への出席など、日常的なルーチン業務が中心です。そのため、「刺激」や「変化」に乏しく、新しい発見やスキルアップの機会が少ないと感じやすくなります。
また、医療職としての成果が「病気の予防」や「未然防止」である以上、結果が目に見えにくく、達成感が得られにくい点も影響しているはずです。
◆スキルアップの実感が持ちにくい現場の構造
産業医・産業保健師は専門職であるにも関わらず、企業の中では「担当領域」が明確に固定されている構造が要因であるケースです。例えば、健康診断結果の確認や職場巡視、メンタル不調者の対応など、限られた領域の業務が繰り返される構造です。
一方で、最新の医療知識や社会課題は常にアップデートされています。しかし、現場ではそれを実践に活かす機会が少なく、インプットとアウトプットのバランスが取りにくくなってしまうのです。
◆「期待されているけど、任されない」フラストレーション
企業側からは医療専門職としての視点を期待されてはいるものの、経営判断や組織戦略に直接関われる場面は限られています。「もっと貢献できることがあるはずなのに」「アイデアはあるのに提案の場がない」といったジレンマを抱える方も少なくないはずです。こうした「役割の限界」に直面すると、多くの人はキャリアへの展望が持ちにくくなり、成長の可能性が見出しにくくなってしまうのです。
2.あなたは大丈夫？「成長停滞感」セルフチェック
「もしかして、自分も今“成長が止まっている”状態かもしれない…」そう感じた方は、まず今の自分の状況を客観的に見てみましょう。ここでは、日々の業務や感情の変化から、自分の成長停滞度を確認できるチェックリストを紹介します。
※チェック項目に複数当てはまる方は、次のステップでご紹介する「突破口」に目を向けてみてください。
- 日々の業務にワクワク感がない
- 最近、何かを学びたいと思わなくなった
- 周囲と比較して「遅れている」と感じる
- 仕事で新しい挑戦を避けてしまっている
- このまま今の仕事を続けて5年後に納得できる自信がない
※3つ以上該当した方は、成長停滞のサインが出ている可能性が高いと考えられます。
※あくまで自己診断であり、専門家との対話を通じて、より深く自身の状態を理解することが大切です。
3.成長実感を取り戻すための3つの突破口
前の項目で成長停滞のサインが出ている可能性があると感じた方には、ここから成長感を取り戻すための実践的なアプローチをご紹介します。
以下の3つの切り口から「今すぐ始められるキャリアの再起動策」を提示します。自分に合いそうな方法から、少しずつ試してみてください。
①「役割の枠」を超える意識を持つ
成長の停滞を打破する第一歩は、「会社から与えられた役割」だけにとどまらず、自分自身が主体的に働きかけることです。例えば、健康経営の企画を立てて提案する、従業員向けの研修やコラムを自主的に実施するなど、企業内での“枠外の活動”が良い刺激になります。
こうした取り組みは、自分の考えや意見を形にする力を育み、成長の実感にも繋がります。
② 学び直しで“頭のストレッチ”をする
新しい知識をインプットすることで、思考の幅が広がり、仕事への意欲も自然と高まります。産業保健職に関連する資格の取得はもちろん、心理学や経営学、社会保障制度など、少し離れた分野の学びも有効です。社会人向けのオンライン講座や大学・大学院なども視野に入れ、自分のペースで学びを深めていくことで、新たなキャリアの可能性が見えてきます。
③社外のコミュニティや副業で“別の顔”を持つ
所属する組織以外での経験は、自分の視野を広げてくれる大きなきっかけになります。
他社の産業保健職との情報交換、勉強会や業界イベントへの参加などは、気づきや刺激が得られる場です。また、講師や執筆、コンサルティングなどの副業を通じて、職場では得られない成功体験を積むことも可能です。「職場以外での自分の価値」に気づくことで、自己効力感が高まり、成長意欲を取り戻せるでしょう。
4.成長を再起動するために、今日からできること
ここまでで紹介した突破口は、どれもすぐに始められることばかりです。ただし、何より大切なのは「まずは一歩踏み出してみること」。この章では、成長再起動のためにすぐに取り入れられる小さな行動習慣をご紹介します。
- 週1冊の読書
- 月1回の振り返りメモ
- 1ヶ月に1回、外部セミナーやイベントに参加
上記はあくまで一例ですが、小さな積み重ねが、数ヶ月後には確かな変化を見込めます。
また、「一人で悩んでいる」と感じる場合は、キャリアアドバイザーや外部のキャリア相談窓口を活用するのも有効です。自分を客観視し、新しい気づきを得られるチャンスになります。
5.終わりに：成長が止まったと感じるのは、変化のサイン
「成長が止まった」と感じるのは、今の働き方や環境に“変化が必要”だというサインかもしれません。その気づきをきっかけに、新たな一歩を踏み出すことができれば、キャリアは再び動き出します。
「これまでのやり方にこだわりすぎず、自分の可能性を広げていく。」
そんな柔軟さと行動力が、未来の自分をつくる原動力になるはずです。
■執筆／監修
＜執筆＞ キャリア×ライター山崎
動物用医薬品の営業兼エリアマネージャーとして勤務後、人材業界へ転職。キャリアアドバイザーとして医療領域専門のアドバイザーとして個人の転職支援と法人の採用支援に従事。
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