産業保健師におすすめの資格・スキル~多様な働き方を支える
産業保健領域で活躍するために、キャリア形成は欠かせない要素です。
人生100年時代、多様な働き方が進む中で、産業保健職に求められるスキルや役割は進化しています。信頼される専門職になるには、新たな資格取得やスキルアップが欠かせません。
本記事では、産業保健スタッフにおすすめの資格や、コーチングスキルをはじめとするキャリアアップに役に立つ情報をご紹介します。
【目次】
1.人生100年時代~多様な働き方に対応する産業保健職
2.コーチングスキルを磨こう!求められる能力の基盤の1つ
3.産業保健領域で働く上で役に立つ資格
1.人生100年時代~多様な働き方に対応する産業保健職
人生100年時代には、多様な働き方の変化に対応し、働く従業員の健康をサポートする存在として、産業保健職が注目されています。
多様な産業保健のニーズ
働き方の多様化に伴い、企業の産業保健ニーズも多様化しています。異なる働き方に応じた対応が求められ、従業員のメンタルヘルスやストレスマネジメントも重要視されています。産業保健職は、企業の特性や従業員のニーズに合わせ、カスタマイズされたアプローチにより、健康で満足感のある働き方を実現するために活動していく必要があります。
多様な産業保健職の役割
産業保健職に求められるものも多様化しています。従来の健康診断や復職支援だけでなく、メンタルヘルスケアやワークライフバランスのサポートなど、包括的なアプローチが求められています。また、クライアントとのコミュニケーション能力やリーダーシップスキルも重要です。
いきいきと働く産業保健職の大切さ
企業と従業員の健康をサポートする産業保健職自身が、いきいきと働くことが重要です。自身の健康と幸福を大切にし、仕事に対する情熱を持ち続けることは、従業員にポジティブな影響を与えます。産業保健職のポジティブなエネルギーは、従業員の働く意欲や生産性を向上させる一因となります。
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2.コーチングスキルを磨こう!求められる能力の基盤の1つ
厚生労働省が発表している標準的な健診・保健指導プログラムでは、健診や保健指導実施者に求められる能力の基盤の1つとして、コーチング技術が挙げられています。コーチングスキルを習得することは、産業保健師としてのキャリアに大きなプラスとなります。
コーチングとは
コーチングとは、相手の本来持っている能力や強み・個性を引き出し、目標実現や問題解決のために自発的行動を促すコミュニケーション技術です。コーチングの技術を世界で初めてビジネスに応用したジョン・ウィットモアは、コーチングを、「答えを与えず、質問をして答えを考えてもらい、答えを引き出すこと」としています。
コーチングスキルが求められる場面
- 特定保健指導
特定保健指導は、生活習慣病予防のために、従業員の行動変容を促すことが主な目的です。しかし、対象者の生活習慣を変えるのは簡単なことではなく、コーチングスキルが有効に働きます。対象者が自身の問題に気づき、主体的に行動を改善するために、コーチングは気づきを引き出し、行動意欲を高めます。
- 保健師面談
従業員との面談は、単にアドバイスをするだけでなく、コーチングを取り入れることで、従業員が自身の健康課題に対して深く考え、自ら行動を変える意欲を持つようにサポートできます。コーチングは、従業員が自身の健康課題について深く考え、自発的に行動を変える意欲を持つよう促します。
コーチングで求められるスキル
傾聴:相手の話を受動的に聞くのではなく、能動的に言葉の背後にある感情や意図を深く理解する姿勢が求められます。従業員が安心して自分の考えを表現できる環境を作り出すことで、保健師として信頼を築き、より深い対話が可能となります。
質問:効果的な質問を投げかけることは、相手に新しい視点を与え、自己洞察を促す手段です。オープンな質問を使い、従業員が自分自身で問題の本質を見つけ出し、解決策を考えるプロセスを支援します。
承認:相手の努力や成長を認める「承認」も重要なスキルです。従業員が自分の進歩に気づくことで、さらなるモチベーションが生まれ、行動を継続しやすくなります。
コーチングの手法
GROWモデル
GROWモデルは、コーチングでよく使われるフレームワークです。Goal(目標)、Reality(現状)、Options(選択肢)、Will(意志)、これら4つのステップを通じて、従業員の目標達成を支援します。
例えば、特定保健指導の場面では、まず対象者の健康目標を明確にし、現状を確認したうえで、達成に向けた具体的な選択肢を検討し、最終的に行動計画を立てます。
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3.産業保健領域で働く上で役に立つ資格
産業保健スタッフは、働く場所やその背景等により業務内容は多岐に渡ります。自身のスキルアップやモチベーションアップのために学び続けることが重要です。
産業保健スタッフとして働くうえで、役にたつ資格についてご紹介します。
企業で働くうえで役立つ資格
- 第一種(第二種)衛生管理者
衛生管理者は、労働安全衛生法で定められた国家資格です。労働安全衛生法により、50人以上の事業場に設置が義務付けられており、その事業場の従業員の健康を確保するための業務を管理・実施する役割を担います。
- 労働衛生コンサルタント
労働衛生コンサルタントは、厚生労働大臣が認めた労働衛生のスペシャリストとして、労働者の安全衛生水準の向上のため、事業場の診断・指導を行う国家資格です。医師免許保持者、10年以上の業務経験がある保健師は受検資格を得ることができます。
- 社会保険労務士
社会保険労務士(社労士)とは、社会保険や労働関連の法律の専門家で、人事や労務管理についての指導を行う国家資格です。働く人や職場、雇用への理解を深めたい方に、おすすめの資格です。
メンタルヘルス関連
- 産業カウンセラー/心の健康アドバイザー
産業カウンセラーとは、日本産業カウンセラー協会が養成する、多彩な環境で働く人たちが抱える問題を、自らの力で解決できるように支援できる専門家です。精神障害による労働力の損失や精神障害による労災認定も増えていることから、メンタルヘルス対策に取り組む企業は増えています。
- 心理相談員
心理相談員とは、中央労働災害防止協会による(心とからだの健康づくり)指導者登録制度のひとつです。従業員が身近に相談でき、働きやすい職場づくりを推進する人のことです。
- メンタルヘルスマネジメント検定
メンタルヘルスマネジメント検定は、大阪商工会議所、施行商工会議所が主催する、働く人たちの心の不調の未然防止と活力ある職場づくりを目指して、職場内での役割に応じて必要なメンタルヘルスケアに関する知識や対処法を習得できる検定試験です。
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