マタハラ(マタニティハラスメント)とは?具体例や関連法律を解説
妊娠・出産を理由として不利益な取り扱いを受けたり、嫌がらせを受けたりすることを「マタハラ(マタニティハラスメント)」と呼びます。マタハラ防止の取り組みは、法令により事業主が負う義務ですが、具体的な取り組み方がわからない、ハラスメントについての理解が進んでいないなど、課題を感じている企業も多いかもしれません。今回は、マタハラの定義やセクハラ・パタハラとの違い、職場のマタハラ対策、関連法令について詳しく解説します。
CONTENTS
1.マタハラとは
2.発生する原因とリスク
3.企業がすべき予防と対応
4.まとめ
1.マタハラとは
マタニティハラスメント、通称マタハラは、職場で女性従業員が妊娠や出産、育児を理由に不利益な取り扱いを受けたり、上司や同僚から嫌がらせを受けたりすることを指します。これは就業環境を著しく害する行為であり、厚生労働省はこれを「職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント」と定義しています。
マタハラ防止の企業義務
2017年の法改正により、企業には妊娠・出産・育児休業に関するハラスメントの防止措置が義務付けられました。男女雇用機会均等法と育児・介護休業法により、妊娠や出産、育児を理由とした不利益な取り扱いと、それに関連するハラスメントの防止が明確に求められています。
セクハラ・パタハラとの違い
セクハラは性的な言動によって従業員の就業環境が害される行為です。パタハラは、育児休業や時短勤務などの取得を希望する男性に対するハラスメントです。これらはマタハラと似ていますが、対象や行為の内容が異なります。
マタハラの具体例
マタハラには、「制度等の利用への嫌がらせ型」と「状態への嫌がらせ型」があります。例えば、産休や育休の取得について相談した際に「昇進はできない」と言われたり、時短勤務を利用した後に「使い物にならない」と言われたりすることが該当します。また、妊娠を理由にプロジェクトから外されたり、「妊娠するなんて迷惑」と言われたりすることもマタハラにあたります。
2.発生する原因とリスク
マタハラが発生する原因と背景
マタハラは、妊娠や出産、育児への理解不足から生じることが多いです。妊娠中の体調不良や産後の回復、育児の大変さは人それぞれです。固定観念や無知から無意識にハラスメントを引き起こすこともあります。特に性別に対する固定観念や、仕事と育児の両立が難しい職場環境が背景にあることが多いです。
マタハラを放置するリスク
マタハラを放置すると、被害者は復職の意欲を失い、離職を選ぶことがあります。これにより優秀な人材を失うことは企業にとって大きな損失です。また、被害者が損害賠償を請求する可能性もあり、企業の評判に傷がつくことも考えられます。
マタハラに関連する法律
マタハラ防止に関する法律には、労働基準法、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法があります。これらの法律は、産前産後休業の取得、解雇禁止期間、軽易業務への転換、残業制限などを定めています。違反した場合、企業は罰則を受ける可能性があります。
3.企業がすべき予防と対応
企業の取り組み
企業は、マタハラ防止の方針を策定し、従業員に周知する必要があります。また、ハラスメント防止のための社内研修を実施し、問題意識を高めることも重要です。さらに、ハラスメントの発生リスクや実態を把握し、必要な対策を講じることが求められます。ハラスメント相談窓口の設置も有効な対策です。
マタハラ発生時の対応
万が一、マタハラが発生した場合は、速やかに事実関係を確認し、被害者に対する配慮の措置を実施することが重要です。また、マタハラ行為者に対する適切な処分を行い、再発防止措置を講じることが求められます。
4.まとめ
妊娠、出産を経ても仕事を続ける女性が増える現代において、マタハラ防止は企業の義務です。従業員が安心して妊娠、出産、子育てができるよう、実効性のあるマタハラ対策が求められます。これにより、企業は優秀な人材を確保し、働きやすい職場環境を整えることができます。
出典
アドバンテッジJOURNAL
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