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用語辞典

ヘルスリテラシー

1.ヘルスリテラシーとは

ヘルスリテラシーとは、入手した情報を正しく理解して評価できる知識、あるいはそれらの情報をもとに、自身の健康状態改善のために活用する能力のことです。自身の健康を守るためには、世の中にあふれる健康に関する情報から、本当に必要な情報を見極め、厳選することが重要です。

健康情報を見極めるポイント

・情報源がきちんと記載されているか。その情報源は信頼できるか
・いつの情報か。情報が最新であるか
・極端に偏った情報でないか。1つの情報だけで判断していないか
・情報が発信されている目的は何か。商業目的・宣伝目的の情報出ないか

ヘルスリテラシーの向上レベル(3段階)

公衆衛生研究の第一人者として知られるナットビーム氏によると、ヘルスリテラシーは3段階に分けることができます。

段階

概要

レベル1

機能的ヘルスリテラシー

ヘルスリテラシーの中では最も基本となる、健康リスクや保健医療の利用についての情報を理解できる能力。 医師や薬剤師の説明が理解できる、薬などの説明書に書かれた内容がわかる

レベル2

相互作用的ヘルスリテラシー

健康や医療に関する情報を自分で探す、他人に伝達するなど、情報を適切に扱い行動する能力。他とのコミュニケーションによって情報を入手し、理解するため、社会性を備えていることが前提となる。 友人からおすすめの病院を聞いた上で、その病院について自分で調べ、良さそうであるか納得してから受診する

レベル3

批判的ヘルスリテラシー

健康や医療に関する情報をうのみにせず、社会的・経済的背景といった高次的な情報も、あらゆる視点から分析した上で、主体的に活用できる能力。自分自身のために情報を活用するだけでなく、集団やコミュニティにも影響を与えられる。 感染症について自分なりに調べ、分析し、最適な予防方法や対策を社内に共有する

2.ヘルスリテラシー向上のメリット

ヘルスリテラシーが高い人は自分自身の健康を守り向上できる一方で、ヘルスリテラシーが引く人は健康へ悪影響を及ぼすことが予想されます。

ヘルスリテラシーが低い場合

・病気、治療、薬の誤った情報に振り回される
・病気の予防につながる健診やワクチンへの関心を持てない
・病気の小さな自覚症状を見逃してしまう

ヘルスリテラシーが高い場合

・病気や薬に関する正しい情報を自分で調べ、治療のメリット・デメリットを理解できる
・病気のサインを見逃すことなく、適切なタイミングで医療機関を受診できる
・病気の予防・早期治療のために健診やワクチンを利用できる
・健康に配慮した生活ができる

また、健康経営実現に向けたステップとして、第一に「健康について知る、予防や増進の大切さを理解する」ことが挙げられます。ヘルスリテラシーはその基礎であり、健康経営を進めていく上でもっとも重要な意識です。従業員のリテラシーを高めることで、企業の取り組みへの理解が深まり、自発的な参加姿勢が生まれれば、健康経営を成功に導くことができるでしょう。

3.従業員のヘルスリテラシーを高める方法

事前準備 従業員のヘルスリテラシーの把握

まずはアンケート等を用いて従業員のヘルスリテラシーや健康への関心度合いを調べましょう。現状把握は、従業員に対する適切な取り組みの企画・案内や、その後の効果を検証する意味でも重要です。

リテラシーレベルは以下のように分類することができます。アンケート結果をもとに分類し、リテラシー向上への取り組みに繋げましょう。
・A:健康についてほとんど知識がない、興味もない
   ⇒基本的な情報を自身の健康診断情報と合わせて教える
・B:健康の基本知識は知っているが、どう高めるか、取り組むべきか知らない
   ⇒健康維持増進のための知識や取り組みを伝える
・C:健康に関心があり、もっと高レベルな行動習慣をつけたい
   ⇒より専門的な情報を与える、セミナーを案内する

方法① 自らの健康状態に向き合うきっかけ作り

従業員が自身の健康に向き合うきっかけを用意しましょう。健康診断の結果を見て、自身の健康に向き合って終わりではなく、気になることや問題点を自分事化した上で、改善や維持向上を目指します。産業医や保健師によるアドバイスや指導機会の提供、あるいは自発的に健康について学べる仕組みづくりなど、具体的なコンテンツとセットであることが望ましいでしょう。健診の結果を収集・分析した上で、運動や栄養、メンタルヘルスケアに関する助言ができれば理想的です。

方法② 健康知識を深める情報提供

社内報や掲示物、社員研修の場を活用し、従業員に対して健康に関する情報の提供を行いましょう。ポイントは、従業員のヘルスリテラシーや関心度合いに適した粒度の情報を選んで案内することです。専門家による研修やセミナーを実施し、従業員に適切な情報をわかりやすく伝えるのもよいでしょう。

方法③ 専門機関と繋がる相談窓口の設置

「健康管理の重要性はわかっているけど改善できない」「理屈は知っているけど上手くできない」などといった悩みが生じる可能性もあります。そのようなケースに備え、相談窓口としてカウンセラーを配置してもよいかもしれません。カウンセリングを受けることにより、改善行動へのヒントを得られたり、マインドの問題を解決できたりする可能性もあります。

従業員の健康管理は、「健康経営」の視点から見ても大きな意義があり、ヘルスリテラシー向上のための積極的な施策推進が求められます。まずは自社の従業員のヘルスリテラシーを把握し、現状に応じた対策を講じる必要があるでしょう。また、研修やセミナーを活用し、従業員に健康知識を提供することも大切です。

4.ヘルスリテラシーに関連するコンテンツ

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