【実務に役立つ】ストレスチェックの集団分析とは?産業保健スタッフが押さえておきたいポイント
ストレスチェック制度は、従業員50人以上の事業場で年1回の実施が義務づけられていますが、集団分析については努力義務となっており、現場では「どう活用していいかわからない」という声も多いのが実情です。しかし、産業保健スタッフにとって、この集団分析こそが“職場の健康リスクを見える化する”ための重要なツールになります。
アドバンテッジリスクマネジメントが運営している「ウェルビーイングを考えるメディア -アドバンテッジJOURNAL- 」よりストレスチェックの集団分析における記事をご紹介します!
◆ なぜ集団分析が大事なのか?
個人のストレス反応をケアするだけでは限界があります。集団分析によって、部署単位・職種別などで「ストレスが高く出ている職場環境」や「支援が不足している組織」が見えてきます。これは、一次予防(未然防止)の視点から非常に有効で、現場での介入ポイントを見つける材料になります。
◆ 集団分析の流れ(実務の視点)
1.ストレスチェックを実施
産業保健スタッフと連携し、衛生管理者などと協力してチェックをスムーズに進行させます。
2.集計・分析
部署や年齢層、職位などで集団を分け、結果を分析します。
分析の際は、個人が特定されないよう十分配慮が必要です(目安:10名以上の母集団)。
3.結果のフィードバックと活用
管理職への説明や、現場の課題共有に活かします。
例えば「業務量が多くコントロール感が低い部署」など、現場改善のヒントが得られます。
◆ 見方のポイント
厚労省の「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」を使っている場合、「仕事のストレス判定図」で4つの要素(量的負担・コントロール・上司支援・同僚支援)を軸に比較できます。全国平均との比較も可能で、部署間の傾向差や改善余地が浮き彫りになります。
◆ 活用のコツは“現場目線”
・小さな単位で分析することで、具体的な課題が見えてきます(例:チーム単位での分析)。
・分析結果は、現場リーダーと共有し「なぜこうなったのか?」を一緒に考えることが大切です。
・改善施策は、できるだけ現場の負担にならない内容から始めるのがコツです
(例:ミーティングの工夫、仕事量の調整)。
産業保健スタッフとして、集団分析は「気になる部署に声をかけるための根拠資料」にもなります。数値を“見える化”することで、経営層にも改善の必要性が伝えやすくなります。ストレスチェックを“やるだけ”で終わらせず、職場環境づくりに活かしていくための第一歩として、集団分析をぜひ実践に取り入れてみてください。
こちらの記事について詳しくはアドバンテッジJOURNALをご確認ください!
