レジリエンスを育てよう ~アフターコロナの産業保健師に必要なしなやかな強さとは〜
皆さんはレジリエンスという言葉を聞いたことがありますか?
アフターコロナの時代に入り、私たちの働き方は大きく変化しました。働く従業員の皆さんを支援する産業保健スタッフは、レジリエンスを身に着けることが重要です。
今回は、レジリエンスについてご紹介します。
1.レジリエンスとは
レジリエンス(resilience)とは『しなやかな強さ、精神的回復力、復元力』などと訳され、挫折や苦境から回復する力といわれています。困難な問題やストレスに遭遇したとしても、その経験を糧として、自分自身を更に成長させていく能力、それがレジリエンスです。
2.なぜレジリエンスが重要なのか
新型コロナウイルス感染症の流行により、私たちの働き方や生活様式は急激に変化しました。
アフターコロナの時代に、変化に抗うのではなく、しなやかな強さをもって適応していく力が求められています。このような時代を生き抜く従業員の皆さんを支えるのが、私たち産業保健スタッフです。ですが、日々の業務を行う中で、心が折れそうになる瞬間が何度もあるのではないかと思います。
多様なニーズに対応することが求められる産業保健師の仕事は、困難や苦境、そして葛藤の連続です。また、実際の業務内容は、企業や事業所によって異なるため、新しい環境に身を置く際、困難に直面することがあるかもしれません。困難に直面した際に、頑張りすぎて倒れてしまうのではなく、しなやかな強さを育て、心身のバランスを保ちながら変化に対応することが重要です。
アフターコロナの時代に必要不可欠なスキル、それがレジリエンスだといえます。
3.レジリエンス力の高い人
レジリエンス力の高い人は、メンタルヘルス疾患にかかりにくく、健康でやる気があり、生産性が高いといわれています。レジリエンス力の高い人、低い人にはそれぞれ特徴があります。
<レジリエンス力の高い人>
・発想や考え方が柔軟である
・自分の感情を的確に把握した上で行動でき、上手く切り替えられる
・自分にも人にも優しく、周囲の人達と良い関係を築ける
・困難なことに直面しても適切に判断し、すぐに諦めない
・新しいことや知らないことに興味を持ち、積極的にチャレンジする
<レジリエンス力の低い人>
・気持ちの切り替えが不得意
・発想や考え方の柔軟性が乏しい
・自分にも人にも厳しく、一人で抱え込みやすい
・消極的で新しいチャレンジをしな
・困難なことに直面したらすぐ諦める
4.まとめ
レジリエンスはスキルであり、育て、磨くことができます。私たち産業保健スタッフが高いレジリエンス力を身に着けることで、自分自身だけでなく、支援をする従業員の皆さんにとっても大きなメリットがあります。レジリエンスを育て、磨くためには、レジリエンス力の向上に必要な要素について理解を深めることが大切です。
詳しくは今後の記事でご紹介予定です。ぜひ楽しみにお待ちください。
参考
荒木葉子・市川佳居(2022)働く女性のヘルスケアガイド おさえておきたいスキルとプラクティス.金剛出版.
アドバンテッジジャーナル(2023)【ビジネスでの注目度UP】レジリエンスの意味とは?高め方や効果も解説 https://www.armg.jp/journal/124-2/#toc___12.
執筆:さんぽLAB運営事務局 保健師
監修:難波 克行 先生(産業医)