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健康診断業務を効率化する。デジタル化による情報管理や外部委託の活用について紹介

健康診断に関連する業務の効率化は、企業にとって重要です。業務を効率化することは、産業保健スタッフの業務負荷を軽減し、空いた時間を面談時間や健康施策の検討などの時間に充てることが可能となります。
この記事では、健康診断業務を効率化するための具体的な例をいくつか紹介します。


【目次】
1.健康診断業務における課題
2.健康診断業務の効率化を図るために
3.まとめ



1.健康診断業務における課題

産業保健スタッフによる健康診断業務は企業によって様々です。健康診断の企画から従業員が健康診断を遅滞や漏れなく受診できるようなサポート、健康診断結果に基づく事後措置、分析・評価やフィードバックなど多岐に渡ります。
これらの時間は、産業保健スタッフの業務において多くの時間を費やしているともいえますが、方法を変えることで効率化を図ることができます。


2.健康診断業務の効率化を図るために

デジタル化による情報管理の効率化

健康診断に関する業務をデジタル化や自動化することで、業務効率を大幅に向上させます。健康管理システムやクラウドベースの管理システムを導入することで、健康診断結果の保存や共有が迅速かつ簡単に行えます。これにより、紙ベースの記録管理から解放され、時間と労力を節約することが可能です。

また、従業員が診断結果をオンラインで確認できるシステムを導入することで、従業員へ結果の郵送や手渡しの手間が省け、健康診断の結果に基づいた再検査の通知や保健指導・産業医面談等のスケジュール管理も簡素化できるため、従業員の健康管理がより一貫性を持って行われます。

<健康診断業務に関連するシステムの例>
・健康診断の予約管理システム
健康診断の予約管理に関するシステムは、健康診断における進捗管理や未受診者の一括抽出、対象者へのリマインドなどを行えるため、工数削減だけでなく受診率アップにも繋がります。

・健康管理システム
健康管理システムは、従業員の健康診断結果を一括管理できるシステムです。メーカーにより機能は様々ですが、健康診断の予約管理から結果の管理まで一元化できるものや、勤怠・ストレスチェックの結果・産業医や保健師の面談記録や就業判定などの事後措置を一元化できるものもあります。

・モバイルアプリケーション
従業員が使いやすい、モバイルアプリケーションの活用も有用です。 健康診断の予約、健康診断結果の閲覧、体重・歩数・血圧・睡眠状況などを管理できるもの、保健指導の管理をできるものもあり目的や使いやすさによって選んでいくと良いでしょう。

業務マニュアルやフローの作成・共有

毎年ルーティーンで発生する業務に関しては、業務マニュアル・フローを予め作成し運用していくことで業務を効率よく進めることが可能となります。
業務マニュアルやフローとは、健康診断業務の各プロセスを順序だてて視覚的に整理したものです。これを作成し運用することで担当者の明確化に加え、業務の流れが一目で把握でき、担当者間の連携が円滑になります。これは、人事労務担当者、産業医、産業看護職、衛生管理者など連携が必要な部署と共に作成し、共通認識をもって取り組むことが大切です。

業務マニュアル・フローの作成は新人教育の効率化にも繋がります。新人がスムーズに業務になれることで全体の作業負担が軽減されることが想定されます。
また、業務マニュアル・フローは定期的に見直していくことが重要です。定期的に見直していくことで、問題点の早期発見や改善策の抽出にも役立ちます。

外部委託の活用

外部機関へ業務を委託することで、社内の業務負担を軽減し、効率的に業務を進めることができます。
健康診断業務に関する外部機関は以下のようなものがあります。

  • 健康診断の予約管理、未受診者への連絡
  • 受診勧奨や保健指導に関する委託
  • 健康診断結果の分析やフィードバック
  • 健康診断結果に関するセミナーの開催

委託するメリットや費用対効果の検証なども加味した上で検討していくとよいでしょう。

フレキシブルな受診スケジュールの設定

従業員の働き方やライフスタイルに合わせて、柔軟な受診スケジュールを設定することも重要です。例えば、フレックスタイム制を導入している企業では、従業員が自分の勤務時間に合わせて診断を受けることができるようにすることで、効率的な業務運営が可能になります。
また、出張健康診断サービスを提供することも一つの方法です。医療スタッフが企業を訪問して診断を行うことで、従業員の時間を有効に活用することができます。

データのセキュリティやプライバシー保護、導入コストの管理、従業員の教育など、導入の際の注意点をしっかりと押さえることで、スムーズな運用が可能となります。これにより、従業員の健康増進と企業の生産性向上が期待できるでしょう。


3.まとめ

健康診断業務の効率化は、多くの利点をもたらします。効率的な健康診断業務を実現するために、今後も新しい技術や方法を積極的に取り入れ、常に最適な健康管理を目指していくことが重要です。
デジタル化、自動化、予防医療の推進など、さまざまな手法を組み合わせることで、より効果的な健康管理が可能となります。具体的な事例を通じて示されたように、技術の活用やフレキシブルな対応を行うことで、健康診断業務の効率化が実現できます。
また、同時に産業保健スタッフの業務負荷を軽減し、面談や健康施策の検討の時間に充てることもできます。これにより、従業員の健康管理が向上し、企業全体の生産性が高まるなどのメリットも期待されます。 目的や予算を考慮しつつ、効率的に業務を進めていきましょう。



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