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治療と就業の両立支援はなぜ努力義務化されたのか|産業保健職に求められる役割とは

治療と就業の両立支援はなぜ努力義務化されたのか 産業保健職に求められる役割とは

治療を続けながら働く労働者は年々増加しています。がんをはじめ、糖尿病や脳卒中、心疾患、メンタルヘルス不調など、病気を抱えながら就業を継続するケースは今や珍しくありません。

こうした状況を受け、2025年の労働安全衛生法改正では2026年4月より「治療と就業の両立支援」が事業者の努力義務として位置付けられました。

本記事では、2026年6月24日に東海大学医学部客員教授の立道昌幸先生によるセミナー「がんと仕事の両立支援  ― 努力義務化を踏まえ、産業保健職に求められる対応とは ―」の講演内容をもとに、治療と就業の両立支援の背景、制度の考え方、支援の流れ、そして産業保健職に求められる実践について整理します。

立道昌幸先生プロフィール


目次

  1. 両立支援の経緯と基本的な考え方
  2. 両立支援の具体的な流れ
  3. 両立支援における安全配慮義務と就業配慮、合理的配慮
  4. 両立支援における産業保健職の役割
  5. がんとがん治療の理解
  6. まとめ

1.両立支援の経緯と基本的な考え方

両立支援の経緯

治療と就業の両立支援が努力義務化

2026年4月から、治療と就業の両立支援が事業者の努力義務となりました。労働安全衛生法第27条の3では、治療を受けながら働く労働者に対し、相談体制の整備や必要な配慮を行い、治療と就業の両立を支援するよう求めています。

今回の法改正により、治療中の労働者が安心して働き続けられる環境づくりが、企業の重要な役割として明確に位置付けられました。

努力義務化の背景

両立支援の考え方は、1988年のTHP指針をはじめ、国の検討会での議論や合理的配慮の考え方の浸透を通じて発展してきました。2016年には厚生労働省が「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」を公表し、2018年には診療報酬制度も整備されるなど、企業と医療機関が連携して支援を行う体制づくりが進められてきました。

両立支援の対象は広がっている

当初はがん患者への支援が中心でしたが、その後、脳卒中、心疾患、糖尿病、肝疾患、難病へと対象が拡大しました。近年では、メンタルヘルス不調、不妊治療、更年期症状、Long COVID(新型コロナウィルス感染症後後遺症)、若年性認知症なども両立支援の対象として注目されています。

「就業制限」から「両立支援」へ

2016年以前は、健康診断や長時間労働者への面接指導の結果を踏まえ、配置転換や労働時間の短縮などの就業上の措置が中心でした。また、病状の悪化が懸念される場合には、就業禁止が適用されることもありました。

しかし、慢性疾患を抱える労働者の中には、治療継続か離職かの選択を迫られるケースも少なくありませんでした。こうした課題を背景に、離職後の再就職を支援する「就労支援」から、治療を続けながら働き続けることを支援する「両立支援」へと考え方が転換されていきました。

がんの両立支援が広げた「働きながら治療する」という考え方

両立支援は、がん患者への支援をきっかけに発展してきました。手術後の機能障害への対応や、薬物療法による体調変化への配慮、通院のための休暇制度の整備など、がんの両立支援で培われたノウハウは、脳卒中や心疾患、糖尿病、難病など他の疾病にも応用できます。

また、病気と診断されると、治療法の選択だけでなく、仕事やキャリア、家族、収入、生活費などさまざまな課題に直面します。短期間で多くの意思決定を求められるため、本人の負担は大きくなりがちです。

そのため、両立支援では、本人だけに判断を委ねるのではなく、産業医や保健師などの産業保健職が相談支援を行い、治療と仕事の両立をサポートすることが重要になります。

両立支援の課題と進め方

両立支援の課題と進め方

治療と仕事を両立するにあたっては、治療費や生活費の確保、働き方への不安、職場への病気の伝え方など、さまざまな課題があります。また、主治医が仕事内容を十分に把握していなかったり、主治医と産業医の連携が難しかったりすることも少なくありません。

こうした課題に対応するためには、本人、主治医、産業医、人事労務担当者が適切に情報共有できる体制づくりが重要です。


2.両立支援の具体的な流れ

両立支援の具体的な流れ

両立支援の流れ

治療と就業の両立支援は、労働者本人が「両立支援を受けたい」と申し出ることから始まります。そのため、労働者が安心して相談できる職場環境づくりが重要です。

両立支援は、次のような流れで進みます。

①本人が両立支援を申し出る
②主治医に仕事内容や勤務時間、利用可能な休暇制度などを伝える
③主治医が治療内容や就業上の配慮事項を記載した意見書を作成する
④産業医や企業が意見書をもとに両立支援プランを作成する
⑤プランに基づいて就業上の配慮を実施する

情報共有を支援する書式

情報共有を支援する書式として、勤務情報提供書や主治医意見書があります。近年は、本人と主治医が治療や就業上の配慮事項を簡便に共有できる「両立支援カード」の活用も進んでいます。

情報共有の橋渡し役が重要

両立支援を円滑に進めるためには、医療機関と企業の情報共有が欠かせません。その橋渡し役として「両立支援コーディネーター」が活用されています。

両立支援コーディネーターは、主治医、産業医、人事担当者、本人の間に入り、治療と仕事の両立に必要な情報共有や調整を支援します。企業の保健師や人事担当者がその役割を担うケースもあります。

医療機関を後押しする「療養・就労両立支援指導料」

医療機関には、主治医意見書の作成や企業との情報共有を支援する診療報酬として「療養・就労両立支援指導料」が設けられています。
2026年度の診療報酬改定では評価が引き上げられ、初回は850点(8,500円)、2回目以降は550点(5,500円)が算定できるようになりました。
このように、医療機関が治療だけでなく就労支援にも積極的に関与しやすい環境が整備されています。

「治してから復職」から「治療しながら働く」へ

「治してから復職」から「治療しながら働く」へ

従来の身体疾患では、治療に専念して十分に回復してから復職することが一般的でした。一方、治療と就業の両立支援では、勤務時間や業務内容を調整しながら治療と仕事を両立することを目指します。
例えば、がん治療では復職後も抗がん剤治療などによって一時的に体調や仕事のパフォーマンスが低下することがあります。そのため、短時間勤務や業務内容の調整などの配慮を行いながら就労を継続します。

両立支援プランとは

両立支援では、「どのような配慮が必要か」「その配慮をいつまで行うか」を明確にし、本人と会社が合意したうえで支援を進めます。この計画が「両立支援プラン」です。
ただし、プランは作成するだけでなく、実際に職場で受け入れられ、運用できることが重要です。そのため、制度整備だけでなく、職場の理解や協力体制づくりも欠かせません。

例:手術後の復職

  • 1か月目:短時間勤務から開始
  • 2か月目:勤務時間を延長しながら残業を制限
  • 3か月目:通院日に配慮しながら支援内容を見直す

また、体力的な負担が大きい業務を担当している場合には、一時的に事務業務へ変更するなど、業務内容を調整することもあります。

就業上の配慮の例

両立支援プランでは、治療や副作用、後遺症の状況に応じてさまざまな配慮を行います。

就業上の配慮の例

例えば、

  • 術後の回復期における短時間勤務
  • 満員電車を避けるための時差出勤
  • 抗がん剤治療中のテレワーク活用
  • 放射線治療のための半日休暇や時間単位休暇
  • 疲労感が強い場合の業務内容の変更
  • 一時的な配置転換

などが挙げられます。

重要なのは、本人の症状や治療状況、職場環境に応じて最適な働き方を検討することです。
また、活用できる制度は企業によって異なるため、まずは自社の制度を整理し、不足している支援があれば実際の事例を積み重ねながら整備していくことが現実的な進め方といえます。

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3.両立支援における安全配慮義務と就業配慮、合理的配慮

安全配慮義務の基本的な考え方

労働契約法第5条では、企業に対して、労働者が生命や身体の安全を確保しながら働けるよう配慮することを求めています。

安全配慮義務が問われる主な要件

  • 予見可能性:企業が健康障害や事故の発生を予見できたこと

  • 結果回避義務違反:適切な対応によって回避できたにもかかわらず、必要な措置を講じなかったこと

  • 因果関係:健康障害や事故と企業の対応との間に因果関係が認められること

一方で、がんなどの疾病は、病状の進行や予後が患者ごとに大きく異なるため、企業が病気そのものの悪化を予見することは容易ではありません。

しかし、

  • 体力が低下している
  • 免疫機能が低下している
  • 副作用によって集中力や身体機能が低下している

といった状態については把握できることが多く、企業にはそれらを踏まえた就業上の配慮が求められます。

例えば、免疫機能が低下している労働者に対して感染リスクの高い業務を継続させたり、体力が低下している労働者に危険作業を担当させたりした場合には、安全配慮義務の観点から問題となる可能性があります。

安全配慮義務で重要なのは「現在の状態」の把握

企業には、病気そのものではなく、現在の健康状態に応じた就業上の配慮を行うことが求められます。

診断書の「短時間勤務」はどのような意味で書かれているのか?

主治医の意見書に「短時間勤務が望ましい」と記載されている場合でも、その意図を確認することが重要です。

例えば、

  • 短時間勤務でなければ病状悪化のリスクがある場合→安全配慮義務の観点から必要な措置
  • 短時間勤務が望ましいが、他の配慮でも対応可能な場合→就業上の配慮として検討できる措置

では意味合いが異なります。

そのため、産業医や産業保健職は、主治医意見書や両立支援カードを活用しながら、就業上の配慮が安全配慮義務によるものなのか、働きやすさを高めるための配慮なのかを確認することが重要です。

就業制限と就業配慮

両立支援では、「就業制限」と「就業配慮」を区別して考えることが重要です。

項目 内容
就業制限 健康障害や事故を防ぐために業務を制限する措置
就業配慮 働きやすくするために業務環境を調整する措置


例えば、

①求められるレベルを下げる(就業制限)
就業制限
健康状態への配慮を優先し、

  • 短時間勤務にする
  • 残業を禁止する
  • 夜勤を禁止する
  • 重量物の取り扱いを禁止する

といった形で、労働者に求める業務レベルそのものを下げる方法です。

これは、安全配慮義務の観点から健康障害や事故を防ぐための措置といえます。



②求められるレベルに達するための支援を行う(就業配慮)
就業配慮
一方で、業務を制限するのではなく、働きやすい環境を整えることで従来の業務遂行を支援する方法もあります。

例えば、

  • 補助機器やツールを導入する
  • こまめに休憩できる環境を整える
  • テレワークを活用する
  • 業務量を調整する
  • 一部業務を周囲がサポートする

といった対応です。

これは、本人の能力を補いながら、本来求められる業務レベルに近づけるための支援であり、合理的配慮の考え方にも近いアプローチです。


就業制限は「やってはいけないこと」を決める対応です。一方、就業配慮は「どうすれば働き続けられるか」を考える対応といえます。そのため、産業医や保健師、人事担当者は、主治医意見書や両立支援カードを活用しながら、安全配慮義務として必要な措置なのか、それとも就業配慮によって対応できるのかを見極めることが重要です。

医学的に判断する適正配置の基本

治療と就業の両立支援では、労働者の健康状態や業務内容を踏まえ、適切な就業上の配慮を検討することが重要です。適正配置を考える際には、主に次の3つの視点があります。

就業が疾病経過に悪影響を与えるリスク
仕事が持病や治療経過を悪化させるおそれがないか

疾病によって事故や災害が発生するリスク
体力低下や免疫低下などにより、労働災害などのリスクが高まっていないか

就業状況によって原疾患の管理が困難になるリスク
通院や服薬、治療の継続が仕事によって妨げられていないか

ただし、がんなどの疾病では、仕事が病状そのものを悪化させるかどうかを医学的に判断することは容易ではありません。一方で、体力や免疫機能の低下による事故や感染のリスクは把握しやすいため、両立支援ではこうしたリスクへの配慮が重要になります。

また、体力や免疫機能の低下がみられる場合には、勤務時間や業務内容の調整など、働きやすくするための就業配慮も必要になります。

就業配慮と合理的配慮の違い

治療と就業の両立支援を進めるうえで、混同しやすいのが「就業配慮」と「合理的配慮」の違いです。

就業配慮は、治療によって症状の改善や維持が見込まれる場合に、一定期間、可能な範囲で就業を支援するための配慮です。今回の法改正では、企業に対して、このような支援体制の整備が求められるようになりました。

一方、合理的配慮は、障害者差別解消法などを背景とした考え方で、固定した障害に対して、過重な負担にならない範囲(合理的)で継続的に行う配慮を指します。

両立支援と合理的配慮は似ていますが目的が異なります。

実務上は、まず両立支援として1年程度を目安に就業配慮を検討し、その後も長期的な配慮が必要な場合には合理的配慮の視点で対応を検討します。手術後の後遺症や機能障害が残る場合は、両立支援と合理的配慮が重なることもあります。

両立支援を進めるうえでの留意点

 両立支援を進めるうえでの留意点
両立支援では、制度だけでなく職場の理解と協力体制が重要です。
特に、病気に関する情報は機微な個人情報であるため、

  • 誰が情報を取り扱うのか
  • どこまで情報を共有するのか
  • 本人の同意をどのように得るのか

をあらかじめ整理しておく必要があります。

また、両立支援の課題は制度そのものではなく、両立支援を行う上で、誰が業務をカバーするのかという職場運営の問題であることも少なくありません。そのため、「どの制度を作るか」ではなく、「どのようなカバーができるのか」という視点で支援を考えることが重要です。

ただし、本人の希望を優先しすぎると周囲の負担が増え、不公平感から本人の孤立につながることもあります。そのため、本人・職場双方が納得できる支援内容を検討することが求められます。また、本人が治療に真摯に向き合い、必要な配慮を受けながら就業を継続しようとする姿勢を示すことも、職場の理解と協力を得るうえで大切なポイントとなります。

まずは個別事例への対応を積み重ねながら、自社に必要な制度や仕組みを整備していくことが現実的な進め方といえるでしょう。

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4.両立支援における産業保健職の役割

申し出をしやすい環境づくり

両立支援を円滑に進めるためには、労働者が安心して相談や申し出ができる環境を整えることが重要です。相談窓口の設置や担当者の明確化、会社からの支援方針のメッセージの発信を通じて、「治療を続けながら働ける職場」であることを伝えます。

相談担当者の役割

相談担当者は、本人からの相談対応や意思確認を行い、両立支援の仕組みを説明します。また、主治医や両立支援コーディネーターとの連携を支援し、必要な配慮事項を整理したうえで、両立支援プランの作成や定期的なフォローアップを行います。

産業保健職の役割

●本人の意思決定を支援する

病気と診断された労働者は、治療や仕事だけでなく、家庭や経済面などさまざまな課題に直面します。産業保健職は、本人の不安や悩みに寄り添いながら、納得して意思決定できるよう支援する役割を担います。

●医療機関と企業の橋渡し役になる

両立支援では、医療機関と企業の連携が欠かせません。産業医や保健師は、主治医の意見を職場へ伝えたり、会社の制度や業務内容を医療機関へ共有したりすることで、双方をつなぐ橋渡し役となります。

●実現可能な両立支援プランを作成する

両立支援プランは、本人と会社の双方が納得でき、職場で実際に運用できる内容であることが重要です。必要な配慮内容や期間を明確にし、現場の状況も踏まえながら実効性のある支援策を検討します。

●病名の開示と情報共有を支援する

病名や治療内容は機微な個人情報であるため、どの情報を誰と共有するかを慎重に検討する必要があります。産業保健職は、本人の意思を尊重しながら適切な情報共有を支援し、情報管理を徹底するとともに、職場との円滑なコミュニケーションを支えます。

●孤立化を防ぐための継続的なフォロー

両立支援は、本人だけでなく職場側の状況も定期的に確認し、孤立や周囲への過度な負担が生じていないかを継続的にフォローすることが重要です。産業保健職には、両立支援が職場に定着するよう継続的な支援を行う役割が求められます。

治療と仕事の両立支援ガイド


5.がんとがん治療の理解

職場全体の理解促進が両立支援の鍵

両立支援を成功させるためには、本人への支援だけでなく、上司や人事担当者、同僚が病気について理解することが重要です。

特にがんは誰もが罹患する可能性のある病気であり、職場内でがん教育や情報提供を行うことで、治療しながら働く社員への理解が深まり、支援を受けやすい環境づくりにつながります。

職場でのがん対策の必要性

職場でのがん対策の必要性
がんは、在職者の死亡原因の第一位を占める重要な健康課題です。また、高齢化の進展により、働く世代におけるがん罹患率も上昇しています。定年延長によって高齢期まで働く人が増えるなか、職場でがんと向き合う機会は今後さらに増加すると考えられます。

がん患者の約3人に1人は就労可能年齢であり、特に乳がんや子宮頸がんなど、働く世代の女性に多いがんの罹患も増加しています。がんは特別な人だけがかかる病気ではなく、多くの企業にとって身近な健康課題となっています。

働きながら治療する時代へ

近年は、内視鏡手術やロボット支援手術などの低侵襲治療が普及し、短期間で職場復帰できるケースが増えています。また、放射線治療や薬物療法も進歩し、外来で治療を受けながら働き続けることが可能になってきました。

一方で、化学療法や分子標的薬などの薬物療法では、長期間にわたって治療を継続するケースも少なくありません。特に副作用によって体調や業務遂行能力に影響が生じる場合があるため、勤務時間や業務内容への配慮など、継続的な支援が求められます。

このように、がん治療は「休職して治療するもの」から「働きながら治療を続けるもの」へと変化しており、企業には治療と仕事の両立を支援する体制づくりが求められています。

治療内容や病状に応じた柔軟な対応が必要

がんの治療方針は、がんの種類や進行度(ステージ)、治療内容、本人の体力や健康状態によって大きく異なります。そのため、主治医と連携しながら、就業上必要な配慮や支援内容を検討することが重要です。

両立支援は早期発見・早期治療とあわせて推進する

両立支援は、病気になってからの対応だけでなく、健康づくりや疾病予防と一体的に取り組むことが重要です。

特にがん検診の受診促進は、早期発見・早期治療につながり、本人の健康維持だけでなく、生産性低下や医療費の抑制にも寄与します。企業は一次予防(健康増進)、二次予防(早期発見)、三次予防(治療と就業の両立支援)を一連の取り組みとして推進することが求められます。


6.まとめ

治療と就業の両立支援は、がんだけでなく、糖尿病や心疾患、脳卒中、メンタルヘルス不調など、さまざまな疾病を抱える労働者を支えるための重要な取り組みです。両立支援を進めるうえでは、本人、主治医、職場をつなぐ役割を担う産業保健職の存在が欠かせません。一人ひとりの状況に応じた支援を行いながら、安心して相談できる職場環境を整えることが求められます。

まずは目の前の事例から取り組みを始め、その経験を職場の仕組みづくりにつなげていくこと、そして治療を続けながら働ける職場づくりを支えることが、これからの産業保健職に期待される重要な役割といえるでしょう。


<講師> 立道昌幸先生

1987年産業医科大学医学部卒業
臨床研修後に10年間ソニー(株)専属産業医
その間国立がん研究センターにて発がん研究に従事

2001年よりWHO世界がん研究機構(IARC)訪問研究員
2005年より昭和大学医学部衛生学講座助教授
2013年より東海大学医学部基盤診療学系衛生学公衆衛生学教授
2026年4月より東海大学医学部客員教授

専門は、職域におけるがん対策
「職域におけるがん検診に関するマニュアル」ワーキング構成員
がん対策推進企業アクション、アドバイザリーボードメンバー等
労働衛生コンサルタント
産業衛生学会指導医

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